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違法ダウンロード常習者への接続切断は「違憲」…フランス(読売新聞)
【パリ=林路郎】フランスの違憲審査機関・憲法評議会は10日、音楽や映画の著作権を守るため、インターネットからの違法なダウンロードを繰り返した利用者が3回警告を受けると、行政機関がネット接続を強制切断できるとした新法について違憲判断を下した。
民主政治への参加や自由な意見表明の手段としてネットが不可欠となり、「その接続は憲法が保障する人権にあたる」とした。
新法は、CDやDVDの販売がこの5年で半減し、雇用不安にまで発展した音楽・映画関連産業の嘆願を受け、サルコジ政権が「ネット空間は無法地帯たるべきではない」として制定を主導、5月に成立した。
政府が新たな執行機関を設立し、違法ダウンロードの常習者を追跡。特定の違反者にあてた警告が3回に達した時点で、同機関がプロバイダーに強制切断を命令できるという内容だった。
野党などは「違法行為の監視は警察国家への道」「ネット接続を奪うのは人権侵害」などと反発し、違憲審査を求めていた。
憲法評議会の決定は、1789年のフランス革命直後に採択され、憲法の前文となった「フランス人権宣言」が基本的人権の一つとして定める通信・表現の自由には、「広範に普及したネットへの接続が含まれる」と明記。切断の可否は行政機関でなく、裁判所の判断に委ねるべきものとした。
アルバネル文化通信相は10日、法改正に着手する方針を表明したが、政権はネット上で横行する海賊行為の取り締まりが必要との立場は変えていない。
(2009年6月11日21時03分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090611-OYT1T00875.htm