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5月30日20時11分配信 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090530-00000579-san-int
【ワシントン=山本秀也】オバマ米大統領は29日、米国のコンピューターシステムをサイバーテロから防護するため、ホワイトハウスに連邦機関を統括する新たな調整官ポストを設置すると発表した。米軍内にも、近く「サイバー司令部」を開設する。サイバーテロの脅威について、大統領は大量破壊兵器に匹敵するとの認識を示す一方、「米国には政府、国家全体ともに必要な防護態勢が整っていない」と述べるなど、強い危機感を国民に訴えた。
米国防総省では今年4月、日本への売却候補にも挙がる次期戦闘機F35の開発データに何者かが不正侵入する事件が発生。同省は3月の議会報告で、サイバー攻撃などに関して中国への懸念を表明しており、大統領は就任当初からサイバーテロの防止対策を核不拡散と並ぶ重点的な課題に挙げていた。
オバマ大統領は29日の演説で、コンピューターシステムの防護態勢をめぐり、連邦機関を統括する調整機能がなかったことを指摘したうえで、新設の調整官はシステムの防護に向けた「包括的な戦略策定」に当たると述べた。
新たな調整官はサイバー防衛の戦略立案や連邦、民間機関の調整に当たる部署を率いるほか、安全保障、経済政策の中枢である国家安全保障会議(NSC)と国家経済会議(NEC)にも出席を認められるなど、大統領に直接報告する権限を持つ。
一方、米軍のサイバー戦を統括するサイバー司令部の構想は、ゲーツ国防長官が設置準備を進めていることを明らかにしていた。新司令部は、米戦略軍の傘下に組み込まれるとみられている。
米政府のサイバー防護は、1990年代から、通信傍受を任務とする国家安全保障局(NSA)などが担当。サイバー犯罪の監視や摘発には、連邦捜査局(FBI)の専門班が当たるなど、複数の連邦機関が個別に対処してきた。
米国では、過去2年間に決済情報の抜き取りなど、サイバー犯罪だけで約80億ドル(約7600億円)の被害が出ている。システムへの不正侵入は昨年約7万2000件に達していた。