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自民党大会など: 華やかさの中にも、少し釈然としない思いの残る党大会でした〜石破茂ブログ(改憲は教科書の為か?)
http://www.asyura2.com/09/kenpo3/msg/512.html
投稿者 戦争とはこういう物 日時 2018 年 4 月 02 日 12:58:46: N0qgFY7SzZrIQ kO2RiILGgs2CsYKkgqKCpJWo
 

(回答先: 改憲案めぐり日比谷で討論/東京(戦力不保持で自衛隊追加、の改憲はおかしい!?) 投稿者 戦争とはこういう物 日時 2018 年 4 月 02 日 12:50:13)

 現政権に代わるとしたらこの人物、と言われるのが石破氏。筆者はその主張を全部は受け入れる気分にならないが、改憲案の批判などは筋が通っていると思える。
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自民党大会など
華やかさの中にも、少し釈然としない思いの残る党大会でした。

https://www.huffingtonpost.jp/shigeru-ishiba/ldp-2018-0330_a_23400566/
石破 茂 です。

 25日日曜日に開催された自民党大会は、冒頭の平昌五輪メダリストのスピーチに始まり、最後は谷村新司氏の「昴」「群青」「いい日旅立ち」の熱唱で終わる、エンターテインメント性を重視したものでした。

 それはそれなりに面白くて、何十回も観た映画「連合艦隊」(昭和56年・東宝)の主題曲「群青」を生で聴けた感激は大きかったですし、大型スクリーンに映る全国47都道府県の美しい映像をバックにした「いい日旅立ち」には思わず涙しそうになりました。関係各位はさぞ知恵を絞ったことと思います。

 憲法改正に関する総裁の演説は、その必要性について「彼ら(自衛官)は国民を守るためにその命をかける。しかし、残念ながらいまだに多くの憲法学者は彼らを憲法違反だという。違憲論争が今でもあります。結果、ほとんどの教科書にはその記述があり、自衛官の子供たちもこの教科書で学ばねばならない...自衛隊を憲法に明記し、この状況に終止符を打ち、違憲論争に終止符を打とうではありませんか。これこそが私たち、今を生きる政治家の、そして自民党の責務であります」と述べるのみで、昨年5月3日の憲法記念日、民間団体の集会に寄せられたビデオメッセージの内容とほぼ同じものでした。  

 多くの憲法学者が違憲論を述べていることも、教科書にその記述があることも事実です。しかしそれのみが今回第9条を改正する理由なのだ、というのにはどうにも納得がいきません。第2項との整合性にも、激変する我が国の安全保障環境に対応するために抑止力を高めるという点にも何ら言及がなく、一年近くにわたる自民党内の議論は一体何だったのかと思わずにはいられませんでした。

 かつて小泉政権下の自民党幹事長当時、安倍先生は集団的自衛権も交戦権も憲法上容認する立場を鮮明にしておられましたし、自民党の24年改正草案は概ねその趣旨に沿ったものだったのですが、それがなぜ今のような見解に変わられたのか。

 もし「公明党に賛成してもらえない」というのがその理由なら、緊急事態条項や合区解消の自民党憲法改正案についてはどうなのでしょう。

 誠に畏れ多いことながら、今上陛下のご退位について、国会で自民党が主導して特例法が成立したことに関しても、何ら言及がなかったのも私にとっては残念なことでした。

 今上陛下のご退位と新天皇陛下のご即位は確かに来年ですが、明治大帝以来初となる生前ご退位について、日本の伝統を尊ぶ保守政党である自民党の大会で一言触れて頂きたかったと思いました。「皇室の政治利用」との批判が出ることに配慮したのかもしれませんが、それとは全く別の問題だと思うからです。

 華やかさの中にも、少し釈然としない思いの残る党大会でした。

 佐川前理財局長の証人尋問も、当初の予想通り「本件に関しては現在捜査中であり、刑事訴追の恐れがあるので答弁を差し控える」の連発で、何ら新しい事実は明らかになりませんでした。

 「何人も自己に不利益な供述を強要されない」との憲法第38条の趣旨は、真実の解明よりも基本的人権を重んじた規定であり、これを援用した佐川氏の答弁に非はありません。そもそも裁判でもない国会における証人尋問とはそのようなものであり、初めから過大な期待を抱くべきものではなかったと思います。

 法的にはそれでよいとして、多くの人々の納得感が得られなかったのもまた事実であったと思います。政治において最も必要な「国民の納得と共感」はかえって遠のいてしまったようにも思われ、国会において新たな機関の創設(原発事故にかかる国会事故調類似のものでしょうか)も一部で提唱されていますが、これも含めて立法、司法、行政の各面で真実の究明が急がれます。

 「8億円の値引きの根拠は何か」「国有財産売り払いの事案の中で本件のみ国が瑕疵担保責任を負わないこととされたのは何故か」「公文書改竄の違法性とは何か」等々、本質的なことが何一つ明らかにならないまま、政治ショー的な興味にのみ堕すことは厳に避けなくてはなりません。

 金正恩委員長と習近平国家主席の会談の本質は、金委員長が「南朝鮮と米国が善意を以て我々の努力に応じ、平和実現のために『段階的で同時並行的な措置』をとるならば、非核化問題は解決に至ることが可能になる」と述べ、習主席が「我々は朝鮮半島の非核化実現という目標を堅持する」と応じたことにあると考えるべきです。

 「北朝鮮の非核化」ではなく「朝鮮半島の非核化」なのであって、当然そこでは在韓米軍の核保有・核持ち込みも対象となり、これが「段階的・同時並行的」に措置されるとはどういうことなのか。あらゆるケースを想定して対応しなくてはなりません。


 かねてから申し上げている通り、中国をバックとした北朝鮮と米国との間で行われる様々なディールの内容如何では、日本を取り巻く安全保障環境が激変し、さらなる米国への依存が高まることも十分に予想されます。

 トランプ大統領は22日、日本もその対象国となる鉄鋼とアルミの輸入制限・高関税化の発動に署名する際、「I'll talk to Prime Minister Abe of Japan and others, great guy, friend of mine, and there will be a little smile on their face and the smile is: 'I can't believe we've been able to take advantage of the United States for so long.' So those days are over.」(日本の安倍首相や他のリーダーたちに話をするよ、いいやつで、私の友達だけど、いつも彼らの顔には小さな笑みが浮かんでいて、それは「アメリカにこんなに長い間つけこめるなんて信じられない」っていう意味で、そんな日々はもう終わりだと。)と述べましたが、これこそが同大統領の真骨頂なのかもしれません。

 トランプ氏を知るある経済人が「彼は相手を不安にさせて不安定な心理状況に置き、それを最大限に利用して最も有利な取引を行う『サスペンスとディールの大統領』になるであろう」と予言していたことを思い出しました。

 コメント欄を拝見していると、ネット上に流布している様々な情報に影響されたものが多く見られます。同欄にも指摘のあるとおり、出来れば元の情報にあたっていただきたいものですが、望むべくもありません。情報戦とはそんなものと知りつつも、嘆息を禁じえません。

 伝聞情報やためにする情報に惑わされることの無いよう、自重自戒したいと思っております。

 週末は、4月1日日曜日が鳥取市中核市移行記念式典(午前10時・鳥取市民会館)、円形劇場くらよしフィギュアミュージアム開館式(午後1時・同館)、ふるさとふれあい芸能祭り(午後2時半・倉吉未来中心)、自民党三朝支部総会・懇親会(午後3時・プランナールみささ)という日程です。

 もう4月、皆様の地域の桜の開花状況はいかがでしょうか?どうかご健勝にてお過ごしくださいませ。

(2018年3月30日石破茂ブログより転載)
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コメント
 
1. 2018年4月08日 14:28:54 : LY52bYZiZQ : i3tnm@WgHAM[-2962]
9条改憲案 これで「違憲論争」が終わるはずはない

 自民党憲法改正推進本部は3月25日の同党大会で、「改憲4項目」の方向性を報告したが、改憲案の確定には至らなかった。森友公文書改ざんによる内閣支持率の急降下のあおりを受けたことは間違いないものの、同党内の憲法論議自体の混乱も影を落としている。

 「9条の2 前条の規定は、我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つために必要な自衛のための措置をとることを妨げず、そのための実力組織として、法律の定めるところにより、内閣の首長たる内閣総理大臣を最高の指揮監督者とする自衛隊を保持する。

 A自衛隊の行動は、法律の定めるところにより、国会の承認その他の統制に服する」。最有力とされる9条改定案だ。

 この間、同党内では、@9条2項を削除し、「国防軍」あるいは自衛隊の保持を明記する案A2項を維持しつつ、「必要最小限度の実力組織として」自衛隊を保持するとした案B2項を維持しつつ、1、2項の規定は「自衛権の発動(あるいは行使)を妨げない」とする案  を軸として議論が行なわれていた。しかし、「必要最小限度」や「自衛権」の規定は新たな論争を招きかねないとして、前述の「有力案」が浮上した。

 一見して明らかなように、「必要な自衛のための措置」は、59年砂川事件最高裁判決以来、14年の(武力行使の新3要件を含む)集団的自衛権行使容認の閣議決定へと引き継がれてきたキーワードであるし、「必要最小限度の実力組織」は、自衛隊を合憲(非戦力)とする従来の政府憲法解釈の「わが国を防衛するための必要最小限度の実力組織」を想起させる。結局、「専守防衛」を柱とする戦後確立された政府憲法解釈との溝をなるべく際立たせずに、すなわち、なるべく集団的自衛権を目立たせずに、その行使容認を読み込める表現を探るということが、9条論議の核心であったことが分かる。これで「自衛隊を明記し、違憲論争に終止符を打つ」(安倍首相)ことは望むべくもない。

 文民統制規定はくせ者だ。自衛隊の任務・権限が曖昧であるのと同時に、「政」の「軍」に対する優位と統制が明確でないことが「9条加憲」論への批判の中心を占めていたからだ。しかし、自衛隊をめぐる憲法解釈を一層混迷させる改憲案に、文民統制が明記されたからといって、気休めにもならない。次回は他の改憲項目についても検討する。


(社会新報2018年4月4日号・主張より)

http://www5.sdp.or.jp/publicity/shimpo/opinion/180404.htm


2. 2018年4月14日 07:31:40 : LY52bYZiZQ : i3tnm@WgHAM[-2903]
自民改憲案 まともな検討がなされた形跡なし

 前回本欄に続き、9条を除く自民党改憲案について検討する。

 まず、緊急事態条項。当初は国会議員の任期延長特例にとどまるとされていたが、結局、12年改憲案と同様の緊急事態下の内閣による政令制定権が盛り込まれた。「国家緊急権」の復活であり、これは現行憲法との決定的違いだ。すなわち、9条改悪案と一体のものとして戦争遂行を意識していると言わざるを得ない。

 次に新47条の「合区解消」。現行14条および44条に基づく「選挙権の平等」、43条の「全国民の代表」規定との関係が全く整理されていない。では選挙区選出参院議員が実質的に「都道府県代表」になるのなら「全国民の代表」ではなくなるのか。「ねじれ国会」のときに示される参院の「強い権限」はどうなるのか。参院は国の専管事項とされる外交や安保は扱わなくなるのか。関連して92条も改定されるが、都道府県の位置付けはどうなるのか等々、多くの問題を置き去りにした「生煮え改憲」だ。

 「政治に住民の声が届かない」と言うのなら、むしろ衆院選小選挙区と同じ「死に票」問題を内包する参院選1人区が32もある方が問題ではないのか。投票価値の平等を前提とし、それを損なわない形でも、総定数や選挙制度の見直しによる改革の選択肢はある。

 そして、教育に関する26条改憲案。初めは「幼児・高等教育の無償化」だったはずが、いつのまにか教育環境整備に対する国の努力義務規定へと変質した。そもそも日本は、高等教育無償化についての国際人権A規約の規定に対する留保を撤回しており、無償化に改憲など全く必要ない。

 しかも同条が、教育は「国の未来を切り拓(ひら)く上で極めて重要な役割を担うものであることに鑑み、」と定めていることは、教育基本法改悪以来、「法令に基づく国の教育統制」が強められていることを考えると、国の教育権限強化を裏打ちするものとして警戒せざるを得ない。前文科次官の授業に文科省が介入する現実を見れば、それは杞憂(きゆう)ではない。

 以上見たように、9条を含めた自民党「改憲4項目」のどこをとっても、問題だらけであるのと同時に、まともな議論と検討を欠いている。それは、同党が「尊重する」としている現行憲法の基本的原理に対する深い考察がなされていないことと、実は同義である。こんな改憲案の発議を間違っても許してはならない。


(社会新報2018年4月11日号・主張より)

http://www5.sdp.or.jp/publicity/shimpo/opinion/180411.htm


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