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木下昌明の時評 : 天皇もギョッとする? 自民党憲法改正草案(レイバーネット日本)
http://www.asyura2.com/09/kenpo3/msg/403.html
投稿者 gataro 日時 2013 年 6 月 25 日 13:29:16: KbIx4LOvH6Ccw
 

天皇もギョッとする? 自民党憲法改正草案/木下昌明(レイバーネット日本)
http://www.labornetjp.org/news/2013/0625kinosita

http://www.labornetjp.org/news/2013/0625kinosita_img

 都議選に引きつづき、参院選でも自民党が圧勝する気配が濃厚になってきた。そんななか自民党の憲法改正草案がいよいよ現実味を帯びてきた。
 わたしは改正草案といっても現憲法を土台にしているのであれば、そんなに変えられるものでもないだろうと高をくくっていた。が、いざ二つを比較してみるとあまりの違いにがくぜんとなった。文字面ではいっけん現憲法をチョコチョコっと手直ししているようにみえたが、中身はまるで月とスッポン。

 現憲法は「日本の国民」の主権をうたい、人権を尊重したものだが、草案の方は「国家」による国民の支配・管理を主張したものなのだ。これは「改正」とか「改悪」とかではなく、別の国の憲法だといえる。冒頭前文の「日本国民」ではじまる一文からして「日本国民」から「民」を外して「日本国」として、いっけん現憲法を踏襲しているようにみせて、そっくり「国家」支配の一文にさしかえている。

 第一章にあった「象徴」としての「天皇」が、草案では「日本国の元首」に変えられている。「元首」とは何か? 共和国なら大統領である。それも主義主張をとなえ、国民の総意による選挙でえらばれた人物が一定期間(4年なり8年なり)国の最高責任者となる者である。しかし、天皇の場合、主義主張もとなえず、選挙でえらばれるわけでも一定期間だけでもなく、その存在自体が「元首」にしたてられ、最高責任を務めさせられるーーこれは世襲制の君主を意味し、戦後「日本国」が主軸にしていた民主主義とは対立する君主国家となる。

 現憲法では、天皇は政治にタッチしない「象徴」に置かれていたが、それが一国の大統領のように権限をもち、代々世襲による交代で絶対的権力をもたされる。これには天皇もギョッとなるのでは? それは現政権が敵対している北朝鮮の世襲による権力移譲体制とそっくりとなる。

 ところが奇怪にも「天皇」に責任を負わせるくだりをすっぽり抜かしている。

 現憲法の「第十章 最高法規」の「第九十七条」には、「基本的人権」の大切さを高くうたった条項があるが、これがまず丸ごと削除されている。天皇を柱にすえるには「人権」が柱となっては困るからである。その上で「第九十九条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し、擁護する義務を負ふ」という箇所を逆転させている。つまり、草案では「全て国民は、この憲法を尊重しなければならない」と国民に「義務」を押しつけている。本来、この条項は、国家の公務に携わる天皇以下の人々に憲法の尊重を指示したものだが、そこから「天皇又は摂政」を削除し、憲法自体を国民のためのものではなく、国家のためのものにひっくり返しているのだ。

 戦前の「最高国策の決定機関」であった「御前会議」をわたしは想起した。御前会議とは、天皇を前に閣僚らが会議を開くのだが、天皇は絶対権限をもちながら、その席上での発言をひかえていた。そのことで何か間違いがあっても天皇には責任を負わせないーーそんな奇妙な装置だった。そのからくり仕掛けが、この草案にそのままもちこまれている。これによって頂点にたつ「元首」の責任が問われなくなり、以下の閣僚らの責任も軽減され、「無責任体系」が完成するしくみとなる。そこで草案前文にいう「天皇を戴く国家」を強調することで、その下の実質的権限を握った機関が好き勝手なことをしても責任をまぬがれる国家システムとなる。

 その他、この自民党改正草案にはあぜんとすることばかりが羅列されているが、基本は、国民の自由や権利をうたった条項にクギを刺すように、3ヵ所にわたって「公益及び公の秩序」に反してはならないという言葉を使って、国民を抑圧しようと企図していることが歴然としている。

 いまや国民は、この「憲法」に呪縛されて原発国家を推進する安倍自民党の奴隷となる日はそう遠くない。(2013.6.25)


 

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コメント
 
01. 2013年6月25日 14:27:18 : kolTeBcVdU
そんなことしたら、戦争に負けたとき国家元首たる天皇に責任取らされ、処刑されてしまって、天皇制がなくなってしまうぞ。どうするんだ。

02. 2013年6月25日 19:03:18 : W18zBTaIM6
憲法改正の本当の目的は明らかに天皇制廃止だろ

政権が変わる度に憲法を変えられる様になれば今の自民党憲法改正草案なんかどうでもいいからな。


03. 2013年6月25日 23:52:06 : gCFvr9YlNA
権力者の権力者による権力者の為の政治ですわな。ハッキリ言って今ある既得権益層は大喜びか?民衆は虫けら扱いの正当化に。健全メディアならつつくのが本来だが越後屋太鼓持ちのメディアはひたすらに問題視しないようにしてるのね?密約でもしてるのかね?消費増税賛美の様に。ある意味恐ろしい国家の誕生となるね。政権変わるたびにはちっと楽観過ぎるでしょうに。一度自民の案が固定化されれば守るために戦前の憲兵復活させミカドや政府に楯つくモノは虐殺か人知れず消していくでしょうね。北さんと同じになる公算高いですよ。杞憂ならいいがどうも悪夢再来が真実味帯びている今日この頃だ。

04. 2013年6月26日 07:05:46 : W18zBTaIM6
>一度自民の案が固定化されれば守るために戦前の憲兵復活させミカドや政府に楯つくモノは虐殺か人知れず消していくでしょうね。

これから憲法は毎年変えられることになるから心配する必要はないよ


05. 2013年7月02日 15:20:39 : pjUqkIoCf2
第89回(7月1日):照屋寛徳 議員
「先行改憲」か、それとも「潜行改憲」か?

http://www5.sdp.or.jp/special/kenpo/img/89teruya.jpg
 今日から文月(ふみづき)である。7月4日には参議院選挙が公示され、7月21日投開票日の日程が閣議決定された。

 150日間の第183回通常国会も去る6月26日に閉会した。通常国会の閉会をもって参議院選挙の事実上のスタートになったが、いよいよ「夏の一大政治決戦」到来だ。

 今日は、参議院選挙の争点や意義との関連で「先行改憲」と「潜行改憲」について考えてみた。そもそも、「先行改憲」という言葉は、自民党や安倍総理が、憲法第96条の憲法改正発議要件を「各議院の総議員の3分の2以上の賛成」から「両議院のそれぞれの総議員の過半数の賛成」に緩和せんとする自民党「日本国憲法改正草案」に基づく憲法96条「先行改憲」論で周知される事になった。一方の「潜行改憲」は、私が知る限り水島朝穂氏(早稲田大学法学学術院教授)の造語であろう。「潜行改憲」とは、言い得て妙だ。現下の自民党や安倍総理の改憲策動に対する、的確にして絶妙な形容だと考える。

 私は、これまでに水島教授の憲法に関する数冊の著書を読んだ事がある。講演も何度か聞いた。

 去る6月20日、「立憲フォーラム」第6回公開勉強会で、久しぶりに水島教授の講演を聞く機会があった。その日の演題は「国防軍創設のための憲法改正?――憲法改正の限界にも触れて――」であった。私は、平素から水島教授が著書・論文、講演の中で、「皮肉と痛烈な批判」を込めて発する造語(語り口)に強く惹かれていた。例えば、日本国憲法の理念に照らし、歴代政権の沖縄政策は「法治主義」ではなく「法恥主義」と断じ、憲法法体系と異なる安保法体系への「放置主義」だ、と嘆いていた。まさに、「寸鉄人を刺す」だ。

 水島教授は、「立憲フォーラム」の公開勉強会で、安倍総理は政権発足直後から憲法96条「先行改憲」を主張していたが、最近は改憲派憲法学者の小林節教授(慶応大)などからも「立憲主義の破壊だ」と批判され、各種世論調査でも憲法96条「先行改憲」反対が多数を占めるに至って、「潜行改憲」へと方針変更した、と言うのだ。なるほど、なるほどと妙に納得。ひとり心の中で拍手喝采した。

 水島教授が指摘するように、自民党と安倍総理は、間近に迫った参議院選挙で、憲法96条「先行改憲」を争点化する事は断念したやに思う。だが、そうだからと言って「改憲」を諦めたわけではない。自民党参議院選挙公約は、自民党「日本国憲法改正草案」に基づく憲法改正発議要件の緩和を掲げ、「自民党は、広く国民の理解を得つつ、『憲法改正原案』の国会提出を目指し、憲法改正に積極的に取り組んでいきます」と憲法改悪の野望を鮮明にしている。何の事はない、「先行改憲」が「潜行改憲」に方針転換しただけだ。巧妙に潜った分、たちが悪い。明らかな争点隠しだ。国民を騙して参議院選挙で勝って、参議院選挙後に、日本維新の会、公明党、民主党の一部改憲勢力を糾合して、丸ごと憲法改憲(改悪)を実現しよう、との魂胆なのだ(ちなみに、日本維新の会は、参議院選挙の公約に「先行改憲」を掲げている)。

 さて、自称「護憲政党」のわが社民党、最近では、「存在意義は高いが、存在感は低い」等と揶揄されているが、安倍流「先行改憲」と「潜行改憲」を許さない為に、広範な国民と連帯し、多くの国民の心に響く声を発して参議院選挙を闘い抜きたいものだ。その連帯の要を果たすのは社民党だ、と信ずる。

  ここまで書き綴っていると、肌に心地よいウチナーのカーチーベー(夏至南風)が吹いてきた。

(2013年7月1日 社民党国対委員長 照屋寛徳)

http://www5.sdp.or.jp/special/kenpo/89teruya.htm


06. 2013年7月03日 02:25:57 : pjUqkIoCf2
2013/07/01 「強い国」より「やさしい社会」を〜岩上安身による社民党党首・福島みずほ議員インタビュー

 「憲法改悪は、国民の1%だけのものだ」ーー1日、岩上安身が21日に投開票を迎える参議院選挙について、社民党の福島みずほ党首にインタビューを行った。社民党の参院選の公約は、大きく分けて、アベノミクス反対・TPP反対・憲法改正反対・原発再稼働反対の四点。岩上安身はそのなかから、主に憲法改正、なかでも集団的自衛権の行使や敵基地攻撃論に関する社民党の認識について質問。福島党首は「一度戦争が始まると、ずるずるとどこまでも泥沼化してしまう」と述べ、あらためて護憲の必要性を説いた。

※掲載期間終了後は、会員限定記事となります。

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/87934

2013/07/01 村山富市元首相、「個人の談話でなく内閣の談話として閣議決定をして出した。」〜立憲主義から憲法を考える7・1集会 樋口陽一氏・村山富市元首相講演

 立憲フォーラム・平和フォーラム・明日の自由を守る若手弁護士の会は1日(月)、立憲主義から憲法を考える7・1集会を開いた。集会では日弁連の山岸良太副会長、村山富市元首相らが過去や現在の憲法の在り方について述べた。

□内容

樋口陽一氏(96条の会 代表、東京大学・東北大学 名誉教授)「立憲主義について(仮)」
村山富市元首相「『村山談話』について(仮)」 他
※掲載期間終了後は、会員限定記事となります。

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/87936


07. 2013年7月04日 05:46:35 : L3oWjvNiyM

御名御璽でもって、現行憲法は運用停止、廃棄とするべきだ。


08. 2013年7月11日 01:17:52 : Bu7hYfpJL6
マッカーサがうっかり作っちゃった憲法9条そして、産み落とされてしまった平和憲法ぅ〜
そのあとシマッタと思っても後の祭り
いまは、逆に日本をアメリカとの戦争共闘の牙をかわす盾となってくれている

だから守った方がいいと思うよ
そう思う今日この頃


09. 2013年8月06日 17:17:51 : YxpFguEt7k
森摂氏
「残念ながら『中学生の作文以下』」
https://twitter.com/setsumori/status/364660735764213760

ザンネンな自民党案。本当の狙いは「解釈改憲」なのかな。


10. 2013年8月13日 13:49:31 : jthrzTgzHs
震災、金融恐慌と大失業、新興宗教へのガサ入れ、極右と極左のテロ、労働争議の激化、右翼と軍人の台頭、戦争体制の構築、敗戦、新円切り上げ、シベリア抑留・・
ここには答えがない。何回過去に戻っても同じ事の繰り返し。答えがない・・
もっとよく考えろ考えろ自分の頭で。大阪も戦後日本もかつての大日本帝国と再び同じ道を辿るのか。

これで橋下徹が完全なペテン師であることが判明した(simatyan2のブログ) 
http://www.asyura2.com/13/senkyo152/msg/446.html
投稿者 かさっこ地蔵 日時 2013 年 8 月 13 日 11:04:33: AtMSjtXKW4rJY

政治板のレスではアフラックの広告で「アヒルよ短い足で逃げるのは今の内だぜ」と言うのがあったらしいが。

「な、なんなんだ!この不気味な広告は?!アフラックの不気味なプロパガンダ。:水野誠一氏」(晴耕雨読) 
http://www.asyura2.com/13/senkyo152/msg/398.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 8 月 12 日 00:17:01: igsppGRN/E9PQ


11. 2013年9月11日 20:53:13 : L3oWjvNiyM

猛毒の憲法三原則

  ・平和主義
  ・基本的人権
  ・国民主権

この猛毒三原則を廃止しなければ、憲法改正の意味も半減だな。

糞サヨクらが、まだ西洋的な糞概念から目が覚めない。


12. 2013年9月18日 23:06:16 : 3PJAqRzx3M
>糞サヨクらが、まだ西洋的な糞概念から目が覚めない。

じゃあ、近代国家であることをやめれば、ということになる。


13. 2013年11月02日 01:17:54 : YxpFguEt7k
内田樹氏
「最終的に改憲運動がつまずくのはアメリカ政府が改憲に反対であることと、天皇陛下が護憲の立場をあきらかにすることによってでありましょう。安倍自民党にアメリカ政府と天皇制を同時に相手にできるだけの力量はありません。」
https://twitter.com/levinassien/status/396158562814029824

ナベツネにも無理だろう。


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