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次は“Afternoon Cafe”(http://akiharahaduki.blog31.fc2.com/blog-entry-1216.html)さんからの転載。
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「護憲=9条守れ」という古いステレオタイプからそろそろ卒業して、もう一歩進んでみよう
護憲といえば、9条。護憲=9条守る、みたいなイメージが定着しているように思いますが、2005年の自民党改憲案を見たあたりから、護憲といえば9条ばかりアピールされることに私は少々違和感を感じてきました。
私が2005年版自民党改憲案を見て一番ヤバイと思ったのは、これです。
「自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚しつつ、常に公益及び公の秩序に反しないように自由を享受し、権利を行使する責務を負う。」(改定案12条)
これは大日本帝国憲法の、国民の権利は法律の認める範囲内で認めるという法律の留保と同じ規定です。
この「法律の留保」規定のため、戦前は治安維持法等の法律で国民の権利はゼロに等しくされてしまい、凄惨な人権弾圧が行われたのです。
憲法の三大原理は国民主権、基本的人権の尊重、平和主義ですが、最も核になるのは基本的人権の尊重の原理です。国民主権も平和主義も最終的に基本的人権を保障するためにあります。
この最も核となる原理が根本から転覆されようとしていることをこそ、もっと強く訴えるべきではないのか、という気がするのです(もちろん9条の改定を軽視してるわけではありませんので誤解しないでください)
9条改憲の目的は、集団的自衛権を行使してアメリカの戦争にお供することです。
一部のおめでたい人々を除いては、だれも中国韓国が侵略してくるなどと信じていません。改憲を企てる政治家自身信じてはいないでしょう。アメリカの戦争にお供するために9条変えますと露骨に言えば反対されるでしょうから、それをカムフラージュするため中韓が攻めてくると有りもしない危機を煽るのはありふれた手口です。
アメリカの戦争は国家レベルの貧困ビジネスです。アメリカでは、戦争は民営化されて「儲かるビジネス」になったのです。
つまり、9条を変えて集団的自衛権を行使できるようにしてアメリカの戦争にお供するのは、究極的にはアメリカの新自由主義、強欲資本主義にお仕えすることを意味します。
(もちろんこれは戦後日本が軍事力を完全に放棄し、アジアに対し謝罪と反省を示すことでアジアに受け入れてもらうために必要不可欠だった平和主義に背き、再びアジアに大きな疑念と警戒を抱かせるものでもあります。)
日本の新自由主義は人権侵害されてもお上に逆らわない思考停止、従順、滅私奉公という戦前のメンタリティと非常にマッチします。
搾取する側の1%にとっては99%がそういうメンタリティであってくれる方が文句も言われないし実に好都合なのです。
ですから、そういうメンタリティを国民に強固に植え付けるため、戦前回帰した人権軽視の憲法に変えようとしているのです。
(もちろんこれは大日本帝国万歳の復古主義的ノスタルジーを満足させる面も持ち合わせています)
自由法曹団の「自民党憲法改正草案に反対する意見書」から改憲の狙いについて書かれた部分を再度抜粋しましょう。
『その狙い(改憲の狙い)は、アメリカと共に戦争をする国づくりと、弱肉強食と格差・貧困拡大の新自由主義の国づくりにある。
(略)
アメリカと財界の要求するこれらの政策を推し進めれば、国民は耐えがたい苦痛を強いられることになり、支配勢力と国民との矛盾は激化せざるを得ない。
この矛盾を押さえつけるのは、2つの方法によってである。
その1つは、人権制限と統治機構改変による強権政治である。
(略)
もう1つは、国民を統合して動員するため、天皇制を中心とした国家主義による思想統制である。明治憲法下の教育勅語を想起すべきである。』
つまり、改憲はアメリカと財界が新自由主義、強欲資本主義を極めて、国民を搾取し尽くすのが目的で行われるのです。
9条改定もこの一環として行われるのですから、「9条護憲」ばかりを強調されるのは若干ピントズレではないでしょうか。
私の感じてきた違和感の正体はこれです。
9条を変えるだけの改憲ならこれまでの「護憲=9条守れ」でよかったんですが、もうそのレベルじゃなくなっちゃいました。
護憲を訴えるのなら、もう9条ばかり前面に出すのではなく、
「我々の基本的人権が戦前のように侵害されてしまう」
「全体主義的な弾圧国家になって民主主義が死んでしまう」
「憲法通りにしたくないから憲法変えるのではなく、立憲主義に基づいて憲法通りにやりなさい」
と、根本を押さえ、正面から訴えるべきだと思うのです。
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