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【東日本大震災】非常事態規定なく危機対応に障害 現憲法の“欠陥”浮き彫り
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110416/plc11041622510011-n1.htm
2011.4.16 22:50 :産経新聞
東京電力福島第1原発事故での政府の対応を見ると、非常事態規定がないに等しい現憲法の欠陥が、効果的な危機対応を妨げている実態が浮かび上がる。
88年前の関東大震災時、政府は明治憲法の非常事態条項を使って対応した。震災翌日に治安維持のため戒厳令(明治憲法14条)を出すとともに「臨時非常徴発令」を発して、物資を調達した。明治憲法8条が、公共の安全保持や災厄を避けるため、帝国議会閉会中に緊急勅令を臨機応変に出すことを認めていたためだ。次の議会が認めなければ失効する仕組みだった。勅令は閣僚のサイン(副署)によって発せられ、今の政令に当たるものだ。
今回の東日本大震災や原発事故でも、臨時非常徴発令のような措置をとっていれば、ガソリンや医薬品などの必需品はもっと速やかに被災者に渡っただろう。
国民に最大限の自由と権利を認める平時の体制で戦争や内乱、大災害などの非常事態を乗り切ろうとすると、逆に国民の生命財産の被害は増し、事態収拾も遅れてしまう。ドイツやフランス、韓国など大多数の国は憲法に非常事態規定を設け、大統領や首相に権力を一時的に集中し対応する仕組みをとっている。
一方、日本の現憲法は衆院解散中の参院の緊急集会以外、非常事態の規定はない。また、今でも有事法制や災害対策基本法はあるが役割は限定されている。
それでも、災害対策基本法105条は首相に「災害緊急事態」を布告する権限を与えている。これを布告し、かつ国会閉会中なら、政府は生活必需品の配給、譲渡、物価の統制、債務の支払い延期などの政令を出せる(同法109条)。今は国会開会中だが、政治が決断して衆参両院が一時的に休会を決めればこれらの政令を出すことは可能だ。
しかし、国難を強調しているにもかかわらず、菅直人政権は「災害緊急事態」を発動していない。今回のような事態で使わないで、いつ発動するのだろう。
3月22日の参院予算委員会で、自民党の佐藤正久参院議員は災害緊急事態の布告を求めたが、政府は「国民の権利義務を大きく規制する非常に強い措置で適切な判断が必要だ」(小滝晃内閣府参事官)との、まるで平時の論理で拒否した。
最高法規の憲法に非常事態の規定がないことで、日本の政治家や官僚が平和ぼけに陥っているとしたら、現憲法の罪は大きい。(榊原智)
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