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資本主義という過去の自然法に囚われている法律学、hidemasa(時代遅れの検察・裁判所の腐敗は歴史の必然だったようです
http://www.asyura2.com/09/kenpo3/msg/301.html
投稿者 小沢内閣待望論 日時 2010 年 12 月 18 日 16:21:55: 4sIKljvd9SgGs
 

http://www13.ocn.ne.jp/~hidemasa/sihonsyugijubaku.html
資本主義という
       過去の自然法に
         囚われている法律学

 多様な自由な個々人の生の共存を規範とする超法規社会規範が今の時代の自然法である。絶対不可侵の所有権と自由意思を前提とした契約自由の原則をこれまた自由意思を前提とした人為法によって守って行くのが資本主義自由主義である。資本主義自由主義は、独りで生きて行ける、人間は自由意思人である、と思えた頃の過去の自然法である。自然法は、生きて行くという目的に則ろうとする志向性を持った人間の頭脳が、特定の時代状況下で感得するようになった、特定の規範意識である。
 
 ジョン・グレイは言っている。
 「十九世紀のイギリスに大転換をもたらしたレッセフェール政策は、市場の自由は自然なもので、市場に政治的な規制を加えることは人工的であるという理論に基づいていた。ところが真実は、自由市場は国家権力が作り出したものであり、安全性や経済的なリスクの制御を求める人々の要求が政治的な動きを帯びないようにすることが可能な限りにおいて持続可能なことなのである。
 リベラルな経済政策にコミットした強い国家が存在しなければ、市場は必然的に無数の制約や規制に縛り上げられてしまうだろう。これらの制約や規制は、なにか全体的な構想の一部としてではなく、特定の社会問題への対応として自然に起こってくるだろう。一八六〇年代、七〇年代に工場法を通過させた議員たちは、社会あるいは経済を一つの計画に従って再建しようとしていたのではない。彼らは、危険、不潔、非能率といった労働者の生活の問題を認識し、それに対応していたのである。このような個々ばらばらの対策が多数出現するという成り行きは、意図せざる結果として、レッセフェールの衰退を招いた。
 どの社会でも、束縛された市場が当たり前なのであるが、自由市場は人工的で、ある意図を持ち、政治的な強制により作り出されるものである。レッセフェールは中央からコントロールされなければならないが、規制市場は自ずから発生する。」(ジョン・グレイ著石塚雅彦訳「グローバリズムという妄想」日本経済新聞社24頁)、と。
 
 自由放任の結果として自然法が実在する。自然法に基づく規制、自然法を守るため・犯さないための政策規範ないしそういう政策規範意識、すなわち法律も自由放任の結果実在するのである。ジョン・グレイが言わんとしているのも、そういうことだろうと思う。
 
 人間は独りでは生きて行けない。人間の有限性と個々人全ての生のかけがえなさを自覚認識するようになった暁に感得するようになった規範意識が、今の時代の自然法である。多様な自由な個々人の生の共存を規範とする超法規社会規範が今の時代の自然法である。
 国家は、そういう超法規社会規範意識を基に、危難の予防と危難からの救出を目的に組織された、地域社会の政治組織である。抽象的な観念的な絶対的な「国家権力」など実在しない。法律は危難の予防を目的とした政策規範ないしそういう政策規範意識なのである。憲法もそういう法律の一つであることに変わりはない。
 
 「公共の福祉」の実体は、多様な自由な個々人の生の共存のことなのである。「公序良俗」とはこの自然法のことなのである。憲法81条が規定する「違憲審査制」の真意は、憲法に反するかどうか、ということではなく、この自然法に反するかどうか、ということなのである。
 
 だが、資本主義自由主義という過去の自然法に囚われている従来の法律学は、この自然法に基づく多生共存社会を修正資本主義社会ないし福祉国家としてしか理解し得ないでいる。

 曰く。「そこで、とくに第一次世界大戦後の市民憲法は、一九一九年のワイマール憲法を先駆として、近代市民憲法の人権保障に対して、以下のような注目に値する修正をくわえています。このような修正をしている市民憲法は、とくに現代市民憲法とよばれています。
 その第一は、資本主義の枠組みのなかで、賃労働者や社会的経済的に弱い立場にある人たちにも人間らしい生活を保障するために、生活の保護を受ける権利(生存権)、教育を受ける権利、労働の権利、労働組合を結成する権利(団結権)、労働条件について労働組合が使用者と交渉する権利(団体交渉権)、労働条件の維持・改善を求めてストライキその他争議行為をする権利(争議権)、契約の自由を制限して労働者保護の立場から労働条件の大枠(おおわく)や基準を法律で定める「労働条件法定主義」、母親・子ども・老人・疾病(しっぺい)者にたいする保護、中小企業や中小農の保護などを保障しています。『社会権』*の保障です。
 *社会的基本権または生存権的基本権ともよばれます。社会的経済的弱者に人間らしい生活を確保することを目的とするものです。
 その第二は、第一と同じ目的から、その目的と矛盾(むじゅん)する関係にあるような経済活動の自由を積極的に制限することが認められています。『大きな財産』『独占的な経済活動』についての積極的な制限の導入であり、『修正資本主義』の承認です。たとえば、一九一九年のワイマール憲法は、この点について、『経済生活の秩序は、各人に人間に値する生活を確保することを目的とし、正義の原則に適合しなければならない。各人の経済上の自由は、この限界内で保障される』、『所有権は、義務を伴う。その行使は、同時に公共の福祉に役立つべきである』、『国は、法律により、公用収用に関する規定を準用して、補償を付与し社会化に適する私的経済企業を公有に移すことができる』などの規定を設けています。フランスの一九四六年憲法は、『財産、企業で、その運用が国家公役務としての性格または事実上の独占としての性格をもちもしくは取得したものは、すべて公共団体の所有としなければならない』とまで定めています。
 一般に、資本主義経済体制をとりつつも賃労働者を含めすべての国民に人間らしい生活を保障しようとして、第一と第二の対応をしている国は、社会国家とか福祉国家とよばれています。」(杉原泰雄「新版憲法読本」岩波ジュニア新書15頁以下)、と。
 
 「不可侵の人権といえども公共の福祉のための合理的な制約を受けるというのが判例通説である。」公共の福祉とは多様な自由な個々人の生の共存のことである。人権実現充足手段である財産権が、公共の福祉による合理的制約を受けるのは当然である。合理性の基準になるものそのものが自然法である。要生活保護者のような被難者の救出は、危難からの救出を目的に組織された政治組織たる国家の存在なくしてはあり得ない。納税の義務も社会保険の強制加入の原則も、人権が本人においても放棄できないものであり、また、国家なり社会保険制度が最低限の人権擁護制度として合理性があるからである。人権が放棄できないのは、この社会に、多様な自由な個々人の生の共存を規範とする超法規社会規範が実在しているからである。
 
 そもそも人権は、「人であれば誰でも当然にもっているはずの基本的な権利のこと」ではない。人権そのものと財産権などの人権実現充足手段とが区別されていないような、そういう基本的人権は、資本主義自由主義が自然法であった頃の過去のものである。今の時代の人権とは、自然法の制約の下で、人が自立して自由に生きて行く・生きて行かなければならないことの、超法規社会規範に適っている故の、社会的な妥当性の意識のことである。
 
 資本主義自由主義という過去の自然法に囚われている従来の法律学は、この自然法に基づく多生共存社会を、修正資本主義理論ないし福祉国家理論を以って理解させて来た。しかし、それは自由意思を前提とした人為の法の枠を脱却していない故に、人為の法を前提とした資本主義自由主義原理主義者たちに対して無力たらざるを得ない。自然法を抹殺して神に成り代わった野心的な資本主義自由主義原理主義者たちを跋扈させているのは、法律学者たちの怠慢の結果なのである。


 

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コメント
 
01. 2011年7月25日 22:35:26: 6kuobrWeYc
> 「不可侵の人権といえども公共の福祉のための合理的な制約を受けるというのが判例通説である。」公共の福祉とは多様な自由な個々人の生の共存のことである。

それじゃ全然「不可侵」とはいえない。
まあ最高裁の判例はかなり「アレ」なのであまり参考にはならない。
「公共の福祉」といえども個人がこれに対抗できるのが「基本的人権」、
「公共の福祉のための合理的な制約を受ける」のは憲法が特別に定めた権利のことと
考えるのが合理的。


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