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経済のグローバル化は、必然的に世界統一通貨を必用とすると言うこと。更に、世界統一通貨の出現は、世界平和実現の契機となると言うこと。
今日の世界の資本主義経済は、純粋な資本主義ではない。資本主義と社会主義との混合した経済である。資本主義は、計画経済である社会主義の影響を受けて修正され、何れの国家も自助自律の精神を基本とした福祉国家を目指していることは、吾人のよく知るところである。よって、市場経済に馴染まない外交や福利厚生面等を政府・行政が受け持ち、それ以外の分野は、全て規制を撤廃して、自由競争の原理が働く市場経済に任せることで、活性化を図ることが必要である。そして、無駄のないスリムな政府・地方自治体を創る必要がある。これが、行政構造改革の基本である。(註、新憲法制定に係る新しい国家組織形態としての、抜本的な行政改革については「提言3」末尾文言参照)
民主主義国家における、行政改革の最大の目的は、不必要な規制を無くして、国家権力を弱めて、より活気のある市民社会と市場経済を確立する事に在る。ここに、政治主導の行政とは、戦後の内外政策の基本路線を定めた吉田 茂首相(1878〜1967)、日本列島改造の青写真を描き出した田中角栄首相(1918〜1993)、のような政治のリーダーシップのことである。いくら行政の制度をいじくっても、政治指導者に資質と能力と先見の明がなければ、行政システムは良くならない。
米国大統領フランクリン・D・ルーズベルト(1882〜1945)は、1933年、英国の経済学者ケインズ(1883〜1946)の経済理論を実際の政治に適用した。即ち、ニューディール政策の一環として、思い切った公共土木投資による景気回復策を実施した。これが有効需要を創出し、米国は、デフレスパイラル(恐慌)から脱出できた事は周知の事実である。然しながら、今日の日本においては、不動産や建設業界は、巨額の不良債権を抱えており、これらの業界に投資しても有効需要を生み出すことが出来ない事は明白である。
今日、経済のグローバル化により、、日本経済の国際競争力の低下が危惧されている。その原因は賃金の高騰つまりコスト高にある。日本の工場労働者の平均月収28万円に対して、中国・ベトナムは月収1万円以下である。よって、ファンダメンタルズで安定した実力を持つ日本経済を今後発展せしむる為には、より生産性の高い且つより付加価値の高い産業に、日本の産業をシフトして、世界に誇る生産技術を効率よく発揮していくほかに方策はない。
そこで、政府の財政出動による社会資本整備は、IT革命実施に必要不可欠な光ファイバー網の整備等以外は、一応凍結して、再建不能の企業は市場から退場して貰い、次代の日本経済を担う、生産性の高い且つ付加価値の高い、新しい企業に投資がなされなくてはならない。更に、ベンチャー企業を市場に導入して市場の活性化を図る。これが経済構造改革の基本である。
経済構造改革を実施すれば、必然的に倒産に伴う多数の失業者の発生が見込まれる。失業者対策として、具体的には、雇用保険の原資を増やして、失業保険金の給付期間を延長して敗者復活の機会を与え、更に雇用需要を新たに創り出す等の、いわゆるセーフティネットの構築が必要不可欠である事は論を待たない。
ここに、構造改革をして、グローバル化する世界の資本主義経済体制に順応した日本を創る事は、必要不可欠の重要課題であるが、デフレスパイラルに入った今日、構造改革を強行すれば、企業倒産や、リストラによる失業者が急増して、デフレスパイラルが益々加速して日本経済が破綻することは必定である。
* 企業業績・株価低迷
* リストラ問題
* 個人消費低迷
* 不良債権問題・金融システム問題
* 財政赤字問題
* 年金問題
これらの問題は、円安・インフレによって解決するより他に方策はない。つまり円安・インフレ政策というカンフル注射をして体力を回復してから、構造改革を実施する必要がある。なお、ここに云うインフレとは、例えばインフレ目標を1〜2%に設定して、政府の円安誘導により招来される緩やかなインフレ所謂クリーピングインフレを云う。(提言11参照)
なお、上述の基本方針(提言11)を踏まえたうえで、採り合えず直ちに実施すべきデフレスパイラル対策としては、株取引税制を改正して、個人の証券・株式市場への参入を促進することが緊急に必要とされる。市場が活性化して株価が上がれば、銀行には不良債権償却の原資が出来る。銀行の不良債権処理が完了すれば、銀行救済対策としての、赤字国債を出さなくても済むことになる。
さて、今日の日本の財政赤字の累積は、2003年10月現在で、国・地方合わせると700兆円を超えると推定されるが、日本のGDPが500兆円程度であることを考えると、累積赤字の数値が如何に大きいかが分かる。通常であれば、これだけ巨額の財政赤字があれば、インフレになったり、高金利になるという形で、市場から警告が発せられるはずであるのに、未だに混乱が起きない理由は、個人の金融資産が1400兆円もあることによってである。そのために、インフレになるべきところが、現実はデフレが生じ、高金利になるところが、現実は超低金利という、異常な事態が発生している。つまり、政府が巨額の赤字を抱えていても、管理通貨制度が日本国家の信用によって担保されているため、高金利にもインフレにもならずに済んでいる訳である。
因みに、あくまで参考として述べると、我が国の財政赤字700兆円は、政府の国民に対する債務であるが、反面国民の政府に対する債権でもある。よってマクロ(巨視的)経済学の立場から捉えて見た場合には問題は無い。最悪の場合の窮余の解決策としては、日銀が国債を全て買い上げてのち、緊急避難的措置として、特別法を立法して、日銀の政府に対する債権を放棄させれば解決する。日本国家の国力つまり信用さえあれば、管理通貨制度の今日、若干のインフレ懸念はあるが、基本的には日本経済の破綻を招来することはない。
勿論、資本主義のマーケットにおいては、「借りた金は返す」「真実を公開する」などの規律が必須不可欠である。厳しい規律の基で、自由に競争してこそ資本主義は有効に機能することは論を待たない。債権放棄は正に資本主義経済の規律違反であり、モラルハザードそのものである。よって、正攻法で、あらゆる方策を講じて、徐々に財政赤字を減らす努力を、経済大国日本の名誉をかけて成し遂げるべきである。経済の浮沈は、あって当然であり、日本国民の勤勉性が担保されている限り、過去の歴史が示すとおり、将来的には心配の必要はない。
1400兆円にも達する個人金融資産の運用先は、5割以上が、郵貯・銀行預金である。個人金融資産を如何にして、株式・証券等の金融市場に呼び込むかが、日本の金融政策の最大の課題とされる。換言すれば、国民の「将来の所得に対する不安や失業に対する不安並びに老後の不安」を払拭できるような安定した政治体制・経済体制の樹立こそが最大の急務であり、国内総生産(GDP)の6割を占める個人消費を、低迷状態から脱却させることが出来る最良の方策である。
更に、今日の世界は、IT(情報)革命からGT(遺伝子)革命へと進化の過程をたどっている。如かして、情報革命も遺伝子革命もデジタル技術によって実現される。つまり、今までのアナログ技術とは、全く次元の違う技術によって、新しい世界が創り出される事になる。よって、吾人は今日までの先入観を払拭して、新しい世界の政治形態・経済形態を創造する事により、平和な理想社会を21世紀の地球上に建設すべき時が到来したことを自覚するべきである。更に付言すると、資本主義経済もやはりモラルによって支えられていることを忘れてはならない。
それではここで、ヘッジファンドについて付言する。ヘッジファンドは米国に多い投資信託の一種であるが、特定の少数者の出資金だけを運用している。言わば閉鎖的な、金持ちだけのためのファンドである。因みに、ヘッジファンドは、デリバティブ(金融派生商品)の分野でも活躍して儲けているが、そもそもは、海外との貿易で支払われる資金が、為替の変動で目減りしたり損失を出したりしないように、危険を避ける(ヘッジする)ために考案された手法がデリバティブであり、その手法の裏づけになる理論が、いわゆる金融工学である。
実体経済を伴わず、ただ為替レートの変動を利用して、金儲けだけを狙う、ヘッジファンドなどの国際投機筋の拝金主義者的な活動は世界経済をかく乱させるだけのものであり、金融市場から排除する必要がある。その為の抜本的な解決方策は、世界統一通貨の出現を待つしかない。
さて、第二次世界大戦後の反省の結果、ヨーロッパで二度と戦争が起きないような仕組みを作ろうという動きが高まった。ヨーロッパ全体が一つの国になれば、戦争もなくなるという考え方が出てきた。そして、その為の第一歩として、各国が経済で協力し合うのがEEC(ヨーロッパ経済共同体)であった。それがやがてEC(ヨーロッパ共同体)に発展し、最終的には政治統合にまで持っていこうという理想のもとに、1993年にEU(ヨーロッパ連合)が発足するに至った。2002年1月1日からは、実際にユーローの紙幣と硬貨がヨーロッパの基本通貨として使われることになる。
更に、2004年5月1日、ポーランドなど中・東欧を中心とする10カ国が新たに加盟し、25カ国体制が発足した。米国に匹敵する政治・経済的基盤を持つ「大欧州」として新たなスタートを切ることとなった。世界平和への前進とも見る事が出来て、悦ばしい限りである。
2004年度の、ユーロー圏の国内総生産(GDP)は約9兆6000億ドルで、米国の(GDP)約7兆8000億ドルを超えて世界第1位となる。これに日本(GDP)約4兆2000億ドルを加え、世界経済は3極体制を鮮明にする。米国経済の景気減速が目立つ中で、欧州の経済パワーが、米国依存型の世界経済を安定させることになる。
世界第二の経済大国である日本の円も、ユーローに倣って、アジアの基本通貨として、アジアの平和に寄与出来るような、政治的な進展が望まれる所以である。その為には、例えば「200円=新1円」のデノミを実施して、「1円≒1ドル≒1ユーロ」とすることによって、円の国際化を図る必要がある。今後、日銀の量的金融緩和と超低金利政策の継続並びに金融機関の不良債権処理の進展に伴い、インフレと円安を招来することが予想されるので、タイミングを捉えて、デノミを実施することで、有効需要の拡大や雇用創出の、セーフティネットの構築に寄与出来るメリットがある。
将来、ドル経済圏・ユーロー経済圏・円経済圏が出現出来たと仮定した場合、人類の英知の更なる結集により、世界統一通貨を出現させることが出来れば、人類の夢である、世界平和実現の理想達成の契機とすることが出来る。GDP世界第二位、ODA(政府開発援助)世界第一位、世界第一位の債権国である日本に対する世界の期待に答えざる可からず。
因みに、「人類は互いに助け合い且つ分ち合わなくてはならない」とする精神性が向上して、その結果、比較優位に基づく国際分業と自由貿易が全ての国に利益をもたらすとする、完全競争モデルが地球上に実現したならば、英国の経済学者リカード(1772〜1823)もさぞかし満足することであろう。
なお、今後(2001年8月現在以降)デフレスパイラル(恐慌)防止対策としての、日銀のゼロ金利&量的金融緩和政策の続行並びに不良債権処理の進行に伴い、必然的にインフレ・円安を招来する事は間違いないものと思料される。
以上述べたことを総論として、次に、日本の行政改革・経済改革に係る当面の推進策を各論として述べる。
1. 先ず、今日の不況から脱出するための景気振興策を早急に実施する必要がある。即ち、個人投資家の税制上の優遇策を立法して、1400兆円にも達する個人金融資産を証券・株式市場に誘導してマーケットの活性化を促進する。併せて、株式投資は悪であるとの陋習を払拭するための啓蒙活動も必要である。更に、土地税制を改正して、土地の流動性の促進化を図る。
2. 金融機関の不良債権処理問題を解決する。バランスシート上の引当金による間接償却ではなく、直接償却を実施して、将来性のない企業は、市場から退場せしめる。勿論敗者復活に係るセーフティネットを構築する。
3. 拡大再生産を行えば生活水準は上がるが、縮小再生産を行えば生活水準は下がる。少なくとも現在の生活水準を維持する為には、貯蓄優遇から投資優遇への転換が必要である。
4. 世界第二の経済大国であり且つ外貨準備高も諸外国に比べて高く、更に1400兆円にも達する個人金融資産を有する日本経済の将来は、決して悲観するべきものではないことを、国民に周知徹底させることにより、国民に安心感を持たせる。そのための正確な情報公開が必要である。
5. 日本郵政公社が引き継いだ郵政3事業(郵便事業・郵便貯金事業・簡易生命保険事業)を民営化することにより、結果的にベンチャー企業に対する融資枠を拡大する。1400兆円の個人金融資産を如何にして、投資に向けさせるかが、日本経済の今後を決定するに当たっての最大の問題点である。然しながら、民営化により過疎地域へのサービスが低下しないよう、政府は万全の措置を採る必要があることは言うまでもない。よって、この問題は拙速を避けて、今後時間をかけて、充分に議論を尽くす必要がある。
6. 政府機構のスリム化を図ることを柱とした行政構造改革を実行するとともに、規制を緩和して、出来る限り民間の、「優勝劣敗の市場原理」の淘汰に任せることにより活性化を図る。規制のない自由競争市場に堪える体力のない企業は市場から退場して、代わりにベンチャー企業を参入させる。勿論、失業対策としてのセーフティネットの構築は必須不可欠である。政府のスリム化に付随して、特殊法人の改革の実施も必要不可欠である。
7. 支出の削減を徹底する。外交機密費、防衛費等も、いわゆる聖域をなくして、思い切って削減する。緊急性を要しない事業は原則として凍結する。然しながら上述の総論で述べているように、国民の叡智を結集して拡大再生産の途を進むべきで、必要な投資を怠ってはいけない。縮小再生産の途を進んでGDPを減少させてはならない。そして最終的には、国・地方の財政赤字対GDP比を3パーセント以下にする必要がある。
8. 明らかな憲法違反であり且つ膨大な25兆円を超える予算を必要とする、防衛力増強計画(中期防)を凍結する。この予算を、雇用保険の原資に充当補強することによって、経済構造改革により必然的に発生する、失業に係るセーフティネットを構築する。外交機密費も当然大幅に削減して雇用保険の原資に充当する。
9. 緊急性のない「公共土木投資」については、IT革命推進に必要な光ファイバー網の設置等以外は凍結して、将来性のあるベンチャー企業への投資に換えることにより、証券・株式市場の活性化を図る。
10.課税最低限の引き下げと外形標準課税を柱とした増税を実行する。一家4人のサラリーマン世帯の場合、現行の税制では、年収381万円以下は税金がかからないが、これを改正して、薄く広く低所得者層からも税金をとる。それから、赤字法人であっても、中小企業であっても、すべての法人は、行政サービス(道路・水道の利用・法人登記・印鑑証明等)を受けているので、その対価として、広く薄く税金をとる。
11.日銀の量的金融緩和と不良債権処理の進行により、今後、インフレと円安が予想されるが、外国為替相場が落ち着いた時点で、例えば200円を新1円とするデノミを実施して、「1円≒1ドル≒1ユーロ」とすることによって、円の国際化を図り、円建ての貿易取引が出来るようにする。日本は世界第二の経済大国であるから、アジアの基本通貨として、円を位置付けるとともに、経済先進国として、アジア経済を牽引する責務がある。
12.地方の自主性・自律性を高める地方分権の推進。基本的には、住民の自治意識を育てることが肝要である。なお、わが国の税収は、三分の二が国に入り、地方には三分の一が入るに過ぎない。ところが仕事は地方が三分の二を担っているため、補助金や地方交付税として国から貰わなければならない。従って機関委任事務が消えても国からコントロールされる状況は変わらない。地方が自由に使える資金を増やす対策が必要である。
13.平成14年4月からのペイオフ解禁を予定どおり実行する。ペイオフ実施により、日本国民の現在の過大な貯蓄性向を是正して、1400兆円にも及ぶ個人金融資産を活性化させるメリットがある。
14.WTOのルールに基づく.政府のセーフガードの発動は、あく迄一時的な緊急避難的な措置であるから、保護される生産者は、甘えを無くして、セーフガード期間終了後の自立の途を自ら模索し且つ決定する姿勢が必要である。
15.不動産を証券化する事により、現在塩付け状態になっている、不動産の資産価値の流動性を高めて、低迷している経済の活性化を図る。
16.セーフティネットの一つである雇用の受け皿づくりとして、第三次産業で新規産業を創る、職業訓練で雇用のミスマッチを解消する、中高年の年齢制限の撤廃する、等の早急な着手が必要不可欠である。
http://www12.bb-west.ne.jp/matuoka/