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http://akiharahaduki.blog31.fc2.com/blog-entry-324.html から転載。
改憲論者が「憲法は現実に合わなくなった」と言う時の「現実」とは何か
2009/07/26 Sun 23:52:01
民主党の衆議院選マニフェストの全文が明らかになりました。
残念なことに憲法については従来通り、「国民の自由闊達(かったつ)な憲法論議を」と、改憲に積極的な姿勢を打ち出しています。
改憲論者が9条改正の理由としてあげるのが
「憲法が現実に合わなくなってきた」
というものです。
NPOと民主党の政策討論会でも、直嶋政調会長が憲法改正について聞かれて、お茶を濁しつつやはりこう答えていました。
では、どういう現実に合わなくなってきたというのでしょうか。
憲法を変えるというのは、今の憲法ではできないことを出来るようにしたい、ということです。そうでなければわざわざ改正する実益がありません。
変えて何ができるようになりたいのかといえば、これは自衛隊が海外で武力行使ができるようにしたいのですね。
政治家個人個人によって温度差はあると思いますし、中には9条を変えないと国際貢献できないと真剣に考えてる人もいると思いますが、海外での武力行使を解禁したいのは自民も民主党も同じです。
しかしなぜそうしたいのかといえば、最終的にはアメリカと集団的自衛権行使し、日米一体の軍事行動が出来るようにするため、これにつきると思います。
安倍さんはなんとしてでも集団的自衛権行使できるような憲法解釈を(←無理なんだけど)と、「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」に報告書を出させ、麻生さんはそれを蒸し返しました。
仮に国際貢献を思っての改正のつもりでも、アメリカ追従一辺倒の日米体制の下では結局そこへ集約されてしまうのは避けられないと思います。
現在の国際貢献の名の下に行う様々な既成事実(イラク派遣や給油やソマリア派遣)の積み重ねの最終的な目標は日米一体(もちろん主体はアメリカ)の軍事行動です。
つまり、改正論者の言う「憲法は現実に合わなくなった」とは、何のことはない、アメリカが要求してきている軍事協力に応えることができない、という意味でしかないです。
「憲法を現実に合わせる」とは「アメリカ側にべったりくっついてのアメリカの戦争につきあえるようにする」ということ(しかしこんなあからさまには言えませんから、国際貢献だとか北朝鮮の脅威だとかの美名でオブラートに包んでいますけど)
何故、憲法をこんな「現実」に合わせる必要があるのでしょうか?
民主政権になって急速に憲法改正が動き出すことはないでしょうが、現在進行形でゴールに向けて着々と色んな既成事実を積み重ねている最中です。(給油中止を見合わせ、ソマリアも海保が中心としながらも海自の派兵を認めています)
ですから9条に抵触する一つ一つの事例で、何をどうするのが本当に世界に貢献することになるのか、自衛隊が武装して海外に行かなければ貢献できないケースなのかどうかをきちんと検証していく必要があると思います。
すると9条は「現実に合わない」どころか、9条を活用するほうが実は世界に貢献できるのではないか、という「現実」が見えてくると思います。
たとえば、アフガニスタンの武装勢力を武装解除させた伊勢崎さんの著書「自衛隊の国際貢献は憲法9条で」を読んでみると
(引用開始)アフガニスタンの軍閥は、われわれが行くと、例外なく言う。「日本だから信用しよう」と。
アフガニスタン人にとっての日本のイメージは、世界屈指の経済的な超大国で、戦争はやらない唯一の国というものだ。もちろん、アフガニスタンの軍閥が憲法9条のことなんて知るはずもない。しかし、憲法9条のつくり出した戦後日本の体臭というものがある。9条のもとで暮らしてきた我々日本人に好戦性のないことは、戦国の世をずっと生き抜いてきた彼らは敏感に感じとる。そういう匂いが日本人にはあるのだ。これは、日本が国際紛争に関与し、外交的にそれを解決する上で、他国にはもちえない財産だといえる。そういう日本の特性のおかげで、僕らは、他国には絶対にできなかったことをアフガニスタンでできたのだ。(引用ここまで)
伊勢崎さんは、国際紛争を解決するには憲法9条こそ有用であり、一言一句変えてはならないと確信するようになったそうです。
これは国際貢献の最前線にいる現場の声ですから重みがあります。
また、軍隊を持たない国は第二次世界大戦後徐々に増えてきており、現在27の国が軍隊を持っていないことからしても、9条を貫くことは決して「現実に合わなくなってきた」とは言えないと思います。
さて、マガジン9条で、民主党立候補予定者に憲法9条についての考えのアンケートを行うそうです。結果が楽しみですね。
http://www.magazine9.jp/mail_question/pre_index.php