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9日朝刊34面【社会】
土木学会は8日、東京都内で東日本大震災の現地調査報告会を開いた。福島県いわき市の海岸を視察した東京大学の佐藤慎司教授は「津波が防波堤を1メートル超えたレベルなら、浸水程度の被害で済むが、3メートル以上だと木造家屋はほとんど流失し、防波堤自体も壊れていた」と述べた。防波堤は想定を超す大津波には無力であることが判明。佐藤教授は「予報、警報の活用や素早い避難を組み合わせるのが現実的な津波対策」と報告した。
社会部らしい書きっぷりですが、これだといかにも防波堤は津波に無力であり、避難するのが現実的だと読めてしまいますし、それを意図しているのでしょう。
「想定を超す大津波には無力」、ここがクセモノでして、今回の津波の高さが堤防の設計値を超えていたという事実と、それを「無力」という評価を一つのセンテンスに纏めている所です。
記事の元となった一次資料である、「東日本大震災特別委員会総合調査団調査速報会」における佐藤愼司東大教授のレジュメによれば、「海岸堤防や土堤が浸水を小さくした所が多い」「天端上2mを超えると堤防が破壊される事例多い→ 越流しても破壊しない構造に」と堤防の効果とその限界、そして対策がちゃんと示されています。
堤防だけで津波を防げるとは誰も考えていませんが、堤防があることによって避難する時間が稼げているのです。
その堤防の高さと強度をどれぐらいに設定するのか、これは過去の津波の最大値や確率、コスト、景観、利便性などとの見合いになります。
河川工学などでは、安全と呼ばれるのは1000年確率だとされていますが、しかし予算の関係で200年確率、あるいは100年確率でダムや堤防が設計されています。
しかし200年でも、「そんな災害、いつ来るんだ」と鼻で笑うような襟立大臣もいるぐらいです。
200年確率で大丈夫なのか、整備が進捗しないのは予算が付かないからではないのか、そう考えるのが「国民の生活が第一。」な政治家でしょう。
海も見えないように「万里の長城」を延々と築くのも一つの手ですけど、ある程度の津波に耐える堤防や建物の設計、それに避難という総合的な対策を打つのが現実だと思うのです。
防災というのも「ゼロかイチ」かの世界でなく、多くの手段を採っておくのが多くの命と財産を守ることになります。
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