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自治体間に情報格差 避難先にも職員・一度も連絡来ず
http://www.asahi.com/national/update/0404/TKY201104030234_01.html
2011年4月4日9時43分
写真:「集団移転」した大熊町の住民の荷物が避難所となった温泉旅館のロビーにあふれた=3日午後2時42分、福島県会津若松市、藤脇正真撮影拡大「集団移転」した大熊町の住民の荷物が避難所となった温泉旅館のロビーにあふれた=3日午後2時42分、福島県会津若松市、藤脇正真撮影
図:役場機能を移した自治体拡大役場機能を移した自治体
福島第一原発の事故の影響で避難を余儀なくされている福島県の自治体で、住民の「情報格差」が目立ち始めている。住民と集団移転して情報を共有していこうとする自治体がある一方で、「生活情報が届かない」と住民から不満を持たれる自治体もある。
福島県会津若松市の東山温泉。3日夕、第一原発1〜4号機がある大熊町の町民1千人近くが、バスと自家用車で次々と到着した。町は5日に役場機能を同市に移す予定。県によると、県内の自治体で、役場が住民とともに移る「集団移転」は、埼玉県に移転した双葉町に次いで2例目だ。
役場機能は市の分庁舎に置かれる。町民は、仮設住宅ができるまでの約4カ月間、市内と周辺にある旅館などの宿泊施設約80カ所に入居する。
「町の広報だけが頼り。独り暮らしなので、職員が近くにいることが何より心強い」。佐藤守亮(もりあき)さん(58)は、この日に移転した一人。20年以上原発の作業員をしてきたが、昨年6月に狭心症を患い、今は無職だ。同じ薬が手に入るか心配だったが、町の職員が市内の宿泊施設近くの薬局を調べてくれたと感謝する。
渡辺利綱町長は、約100キロ離れた会津若松市を移転先に選んだことについて「町立小中学校3校の子どもが通える空き校舎や病院があり、日用品も手に入りやすい」と説明。「復興に向けた情報を提供するには、町民と近い場所にいるのが最善」と集団移転の理由を語る。町は、生活情報を発信するブログも立ち上げた。「仕事などで会津若松に来ることができない町民にも情報を提供する」としている。
大熊町の北にあり、原発から役場まで約10キロの浪江町。町は、隣接する二本松市東和支所に役場機能を移した。だが、人口は大熊町の倍近く。町民の多くが身を寄せる避難所も福島市、郡山市など広範囲に散らばっていることから、情報伝達に苦労している。
写真:「集団移転」した大熊町の住民の荷物が避難所となった温泉旅館のロビーにあふれた=3日午後2時42分、福島県会津若松市、藤脇正真撮影拡大「集団移転」した大熊町の住民の荷物が避難所となった温泉旅館のロビーにあふれた=3日午後2時42分、福島県会津若松市、藤脇正真撮影
図:役場機能を移した自治体拡大役場機能を移した自治体
同町から福島市内の避難所に移った時計・貴金属販売業の佐々木三千夫さん(52)は、妻の由美子さん(47)と長女、義父の一家4人で、京都市に転居することを決めた。京都との縁は長男が大学生活を送っていることだけ。「食べていかなきゃいけないし、娘の教育もある。なのに町から必要な情報が届かない」と決断の理由を語る。
佐々木さんのもとには、町職員が被災の証明書を持参するはずだったが、約束の日までに届かなかった。役場の臨時電話は話し中でつながらなかった。
由美子さんは第一、第二原発が町内にある大熊、双葉、富岡、楢葉各町と、近いけれど「原発立地」ではない浪江町には差があると感じてきた。「浪江は震災前から大熊や双葉と比べ、公共施設が少ないなど住民サービスで劣っていた。避難生活でも格差があるなんて」
浪江町に住んでいた50代の会社員男性も町の対応に不満を抱く。知人の縁も頼りながら、3月12日から南相馬市→川俣町→いわき市と転々とした。いわき市からの高速バスが復旧開通した18日からは東京都内の親類宅に避難している。
移動のたびに役場には所在地と連絡先を伝えたが、町側からの連絡は一度もないという。「忙しいとは思うが、情報が入らず不安だ。このままだと町を見限り、住民がいなくなるのではないか」
浪江町は、二本松市周辺の避難所には職員が常駐するなどして生活情報を届けている。馬場有町長は「情報不足の町民には対策を講じていく」としたうえで、「震災後も原発がある自治体は、国が支援して移転先を決めたようだ。災害時の避難でも立地自治体が優先されているのなら問題だ」と話す。
町では各地に分散している町民に対し、インターネットを活用した情報提供に力を入れていくという。(小寺陽一郎、木村英昭、市原研吾、小林誠一)
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