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東日本大震災:三陸鉄道、存続の危機…復旧費用100億円
http://mainichi.jp/select/today/news/20110402k0000e040015000c.html
2011年4月2日 10時48分 :毎日新聞
三陸のリアス式海岸沿いを走り、「さんてつ」の愛称で親しまれている第三セクターの「三陸鉄道」(盛岡市)が存続の危機に立たされている。東日本大震災で高架橋が崩落するなど、復旧費用は100億円かかるとの見方もある。会社単独の復旧は困難で、資金のめどがついても全面再開まで1年以上かかるという。
◇「地域の足なのに」
三陸鉄道は国鉄民営化後、県や沿線自治体などが出資して81年設立。北リアス線(久慈−宮古駅間71キロ)や南リアス線(釜石−盛駅間36キロ)を運行する。09年度は利用客約89万人。県などから1億円以上の経営損失補助金を受け、実質赤字状態だった。
震災で、南リアス線は釜石市の唐丹(とうに)−吉浜駅間の高架橋が落下、釜石−平田駅間の大渡川鉄橋は橋脚にひびが入り、線路が寸断された。北リアス線も島越駅など駅舎が壊滅。同線は一部区間で運行を始めたが、南リアス線は損壊が大きく復旧のめどが立っていない。
唐丹駅から月2回、釜石市内の病院に通う男性(85)は「電車がないと往復で数千円タクシー代がかかり、通院できない」。家族が同駅を利用する男性(52)は「復旧費が巨額なら廃線も仕方ないが、代替バスなど地域の足は残してほしい」と話す。
現行の鉄道施設災害復旧費補助制度では、復旧工事費のうち国と地元自治体が各25%、鉄道事業者が50%を負担する。三セクは地元自治体が事業者分の負担も迫られるため、岩手県の担当者は「工事費に100億円かかるとの試算もある。国のさらなる支援なしに復旧は不可能」と頭を抱える。
国土交通省の担当者も「今回の地震は通常の災害と異なり、被災自治体の負担は計り知れない。鉄道の復旧について国の補助率を拡大したり、違う枠組みによる支援も検討したい」と話している。【稲垣淳、阿部弘賢】
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