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瓦礫の街にウロコのない数百の魚が泳ぐ 被災地ルポ
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20110331/dms1103311640024-n1.htm
東日本大震災から間もなく3週間がたつ。巨大津波に襲われた宮城を歩くと、漁港に人影はなく、がれきにウロコを剥がされた魚が泳ぎ、土間だけ残った家に主が呆然とたたずんでいた。仮設住宅の建設やライフラインの復旧。復興に向けた動きは徐々に進んでいるが、その爪痕はあまりにも痛々しく深いものだった。(震災取材班)
【石巻市街】確認された死者だけでも2000人を超えた宮城県石巻市。海岸線以外にも、内陸側の中心部まで1メートル以上の津波が流れ込み、ほとんどの商業施設が事業を再開できないままだ。「製紙工場に保管してあった材木が至るところに流れ出し、丸太だらけ。流れ着いた自動車の撤去もまだまだ」とは、市内に住む50代の会社員男性。重機が入らず、なすすべもなく倒壊したままの老人施設前には、唯一、いくつもの花束が供えられていた。
「ここは港町なので、歓楽街・立町にはスナックやパブがたくさんあったさ。だが、ほとんどが津波につかり、建物自体が使えない。夕方はだれもいなくなり真っ暗だ」とは商店街の関係者。目抜き通りはまだヘドロに埋もれたままで、車も入れない場所も多い。
【牡鹿半島】女川原発の取材に向かうため、牡鹿半島に入った。陥没や倒木、がれきによって道が寸断され先に進めない。日が暮れると街灯もなく危険なため、原発取材を諦めることにしたが、その帰る途中、小さな漁港を見つけた。集落があったであろう地域は、わずかのがれきが打ち上げられているだけで更地となっていた。住民は避難しているのか、誰一人いない。
肌を刺すように冷たい風と、トタンがこすれる音が聞こえるだけで気持ち悪いほどの静けさに包まれている。動物は野良猫が1匹、歩いているだけ。水路に数百匹の魚が迷い込んでいるが、ウロコがはげて肉が見えている。海に流れ出したがれきで擦ったようだ。
【仙台・荒浜地区】荒浜地区(若林区)の海沿いの住宅地は家屋ごと津波にさらわれた。避難所となっていた荒浜小学校は2階まで浸水し、避難してきた人たちは建物で孤立した。自衛隊のヘリで救出されて、住民たちは離れた場所の避難所で暮らしている。
自宅の様子を見たいという70代の男性に付き添った。「黒い服を着た男性が、津波にのみ込まれる瞬間を見た。人はあんなにあっけなく死ぬものかと思った」と地震直後を振り返る。
「この辺だったが…」
自宅近くまで来たが周囲を見渡しても目標物がない。30分近く、歩き回ってようやく自宅を特定したが、残っていたのはコンクリートの土台と土間の跡だけ。「仏壇も、家具も、みんな消えてしまったよ」と苦笑いを浮かべた。
近くの水たまりでは、警察官9人が横一列にならび、棒を使って地面を丹念に調べている。静寂と寂寥だけが辺りを占めていた。
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