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震災被災者 住宅、自動車…「四重ローン」の苦しみの人も(週刊ポスト)
http://www.asyura2.com/09/jisin16/msg/772.html
投稿者 赤かぶ 日時 2011 年 3 月 31 日 09:59:07: igsppGRN/E9PQ
 

震災被災者 住宅、自動車…「四重ローン」の苦しみの人も
http://www.news-postseven.com/archives/20110331_16133.html
2011.03.31 07:00 NEWSポストセブン:週刊ポスト

 東北関東大震災の被災者は大切な人や自宅が跡形もなく消えてしまった喪失感のなかにあり、「まだ先のことは何も考えられない」という人が多い。暖房や水、食事も不十分な避難所生活で、今日を生きていくことで精一杯という人がほとんどだ。

 そんななか、50代の男性がこんな不安を口にした。

「新築したばかりの家が津波に飲み込まれてしまった。住宅ローンがほとんど残っている状態で、どうやって暮らしていけばいいのか」

 地震保険に加入していれば、保険金である程度はまかなえる。悲惨なのは地震保険に加入せず、しかも住宅ローンが残っている人たちだ。
 
 経済評論家の荻原博子氏はこう指摘する。

「住宅金融支援機構は、被災者に対し返済を1〜3年間猶予すると発表しました。しかし、逆にいえば、猶予期間が過ぎれば、後は容赦なく住宅ローンの返済を迫られることになります」

 もはや流されてしまった家や、半壊し、怖くて住めず、かといって売却もできない家のローンも払い続けなければいけないのだ。仙台銀行など被災地の銀行では相談窓口を設け、対応に当たっている。

「把握している範囲で電話相談が約60件ありましたが、住宅ローンの相談どころではない方が大勢いらっしゃるはずです。我々は地元密着で、名簿を見れば、その方がどこに住んでいてどんな暮らしをしているか全て分かる。しっかりと支えていけるよう、きめ細かく相談に乗って差し上げたい」(仙台銀行企画部)

 新たに家を建てる時には、改めて住宅ローンを組むしかなく、いわゆる“二重ローン”を抱えることになる。

 阪神大震災の後は、住宅の再建や補修のために二重ローンを組んだ人が、返済できず自己破産に追い込まれるケースが相次いだ。

「借家に住むにしても、ローンと家賃の支払いとの二重苦に変わりはない。高齢者世帯の多い東北地方では、いつまでも仮設住宅から出られない人が続出する可能性があります」(荻原氏)

 家屋とともに車を津波で流された人も多いが、車両保険に入っていても、地震や津波などに対する特約がなければ補償はゼロ。失った車の自動車ローンだけが残ることになるのだ。

「生活のためには新たに車を買う必要も出てくるでしょう。そうなれば、自動車も二重ローン。住宅と合わせると“四重ローン”になる人も少なくないのでは」(同前)

※週刊ポスト2011年4月8日号
 

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コメント
 
01. 2011年3月31日 11:25:35: xJyGCLqwck
支援物資の横流し。ゆるせん。http://tinymsg.appspot.com/YoL1
20分前 webから

未確認情報ですが、

どうも、支援物資を運んだ運ちゃんたちが、怒っているようだ。

 なんで、すぐにトラックで、運ばないのだ。遅すぎる!

 みんな、ボランティアで、男気で、来てるんやで。

 被災者に物資が行き届いてこそ、援助やないか!


02. 2011年3月31日 12:30:58: mHY843J0vA
横山和正:順天堂大学脳神経内科 医局長

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ■from MRIC
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 順天堂大学脳神経内科 医局長の横山和正と申します。

 未曾有の大地震により主治医とのコンタクトがとれずお困りの患者さんも多いと思
います。また開業医や被災地に応援に出かけた医師の方々も自分の専門外の患者さん
の中で特に迷うのは神経内科の病気と思います。

 神経内科という科自体が一般の方にはなじみもないかもしれませんが脳血管障害、
てんかんや厚生労働省で特定疾患に指定されている多くの難病(パーキンソン病、多
系統萎縮症、重症筋無力症、多発性硬化症など)を専門に診ております。これらの疾
患は十分な薬剤コントロールが必要な病気が多く経験豊富な医師のアドバイスが重要
です。

 我々順天堂大学では救急および循環器内科を中心にすでに被災地への医師派遣も行
っておりますが、神経学教室では今のところ後方支援を中心としてこの震災に立ち向
かう覚悟でございます。詳細は http://www.juntendo-neurology.com/

 今回は薬剤の継続が必要な疾患に関して簡潔に情報をご提供いたします。

○脳血管障害 
 患者さんは十分な水分摂取と下肢の運動が必要です(歩行可能な方は定期的に歩く
だけで十分です)。麻痺のある方は周りの方が床ずれができないよう注意が必要です。
車いすレベルの方は膝関節の拘縮や下肢の深部静脈血栓(エコノミークラス症候群)
を起こすと(左に起きやすい)時に心臓にある静脈と動脈系の経路から血栓が逆流し
て脳塞栓になることがあります。

 バイアスピリンを飲んでいる方はストレスによる胃潰瘍に注意しましょう。効果は
7日で切れます。

 プレタールを飲んでいる方は動悸やめまいなど体調が悪いと出るかもしれません。
動作をゆっくりにしましょう。効果は3日で切れます。

 ワーファリンを飲んでいる方は外傷や転倒に注意し食べ物も不規則になるので可能
であればPT-INRを早期に確認してもらいましょう。効果は2日で切れます。ワーファ
リンは夕方に飲んで翌朝採血です。

 脳出血の方や動脈瘤がある方はストレスと寒さで血圧が高くなっているので塩分が
多くならないように注意してください。高血圧の薬はなくならないように注意しまし
ょう。利尿薬を飲んでいる方は脱水に注意してください。

○てんかん
 痙攣予防のために抗てんかん薬は必ず飲みましょう。不眠やストレスなどが発作の
引き金になることがあります。大変な環境下とは思いますが規則正しい生活を心がけ
てください。多くの患者さんは震災前に30〜90日分の処方をされていると思いますが、
今のところ抗てんかん薬の製造は問題なく、時間とともに被災地にも十分な量が届く
と思います。急にやめるとそれだけで発作が起こることもあるので、薬がなくなる前
に受診しましょう。 http://www.neurology-jp.org/news/emergency.html

 意識を失う痙攣、もしくは過去に痙攣重積状態になったことがある方は、できるだ
け自分の過去の経過と内服歴をメモに書き出し肌身はなさず持っていましょう。

○パーキンソン病
 急に薬をやめると筋肉が固くなったり、熱が出たり、意識が悪くなって場合によっ
ては筋肉が溶ける状態になって急性の腎障害に至ります。多くの薬を飲んでいる場合
はお薬手帳を携行しましょう。

 薬の量が足りないとうまく動ける時間が少なくなることもあります。転倒や寝たき
りにならないように周りの方のサポートが必要です。

 また認知症を伴っている場合には幻覚・妄想を抑えるために統合失調症でよく使用
されているお薬を服用していたのを急にやめてしまうと幻覚や譫妄状態となり昼夜逆
転や夜間徘徊、正常な会話ができなくなる方もまれにいらっしゃいます。外に出て迷
ってしまわないように注意が必要ですし避難所での居住は不可能です。

○多系統萎縮症
 喀痰の排泄障害や嚥下障害、排尿・排便障害などを薬でコントロールしていること
が多いため、被災地では特に肺炎や尿路感染症、腸閉塞に注意が必要です。

○重症筋無力症
 免疫抑制剤(タクロリムス、ネオーラル)やステロイドは決めた用量を守りましょ
う。

 ただしストレスが多い被災地での環境下では感染症のリスクが上がります。以前に
結核を行ったことのある方は微熱や夜の多汗に注意してください。皮膚も弱くなって
いるので可能であれば保湿をお願いします。

 全身型の方で全身症状が少しでもある方はできるだけ被災地から離れて医療を受け
てください。胃潰瘍の危険性があるので抗潰瘍薬は急にやめないようにしましょう。

 ステロイド内服で骨粗鬆症の薬(ビスフォスフォネート)を内服している方は口腔
内を清潔にして、女性の方は重い物を持たないようにしましょう。

 ステロイドを急にやめるとステロイド離脱症状が出ます。からだのだるさや発熱し
た場合には注意し、下痢、低血糖による意識障害も起こることがあります。

 免疫抑制剤の一部は腎機能が悪化することもあります。十分な栄養と水分の摂取が
必要です。

○多発性硬化症 
 インターフェロンや免疫抑制剤を使用している方は急にやめずに治療を継続してく
ださい。治療薬は十分あります。免疫抑制剤使用の方に関しては感染に注意すること
が必要です。再発時はステロイドパルス療法が必要ですが免疫力が落ちるので感染に
注意が必要です。

○NMO(視神経脊髄炎)
 ステロイド少量もしくは免疫抑制剤を内服していると思います。再発時にはステロ
イドパルス療法とその後の内服ステロイド治療、また時には血液浄化療法が必要です。
総合病院での治療が必要となりますが、治療中・後はかなり免疫力が落ちますので被
災地を離れた場所での治療が望ましいと思います。

 その他の疾患に関しましてもご不明な点などございましたら以下までご連絡いただ
ければ幸いです。
nounaihelp@juntendo.ac.jp
FAX 03ー5800ー0547
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
JMM [Japan Mail Media]                 No.629 Extra-Edition4
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【発行】  有限会社 村上龍事務所
【編集】  村上龍
【発行部数】128,653部
【WEB】   ( http://ryumurakami.jmm.co.jp/ )

[削除理由]:この投稿に対するコメントとしては場違い。別の投稿にコメントしてください。
03. 2011年3月31日 15:38:14: WWcR3LrPeI
>>01
ネトウヨが流すデマは稚拙だ

04. 2011年3月31日 18:02:37: iuZAzOOIL2
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/76604.html#more

時論公論 「阪神淡路の悲劇を繰り返すな 〜急げ生活再建支援〜」

3月11日に起きた震災は今も続いています。地震からあす(2日)で3週間になろうというのに、必要な物資がまだ行き渡らない、避難所や病院で命を落とす人も出ています。
まさに深刻な事態です。

震災関連死、孤独死、自殺、震災破産、二重ローン、PTSD。
16年前の阪神淡路大震災で指摘された諸課題の多くが、今回の震災でも心配されています。
助かった命が次々と失われていく、阪神淡路大震災の時に経験した悲劇を繰り返さないために、今、何をすれば良いのか。被災者の生活再建策を考えます。 

【震災関連死を防げ】

避難所などで体調を崩し亡くなるケースは、地震や津波の直接の被害による犠牲者ではない、という意味で「震災関連死」と呼ばれています。阪神淡路大震災では6400人以上が命を落としましたが、そのうち900人あまりが関連死でした。避難所の厳しい環境、不自由な生活、疲れやストレス、常用している薬が尽きてしまった、という痛ましい例もありました。

今回の震災の被災者が置かれている環境はさらに過酷です。氷点下の寒さ、いまだに、食料や水、医薬品といった命をつなぐ物資さえ十分に届かない。毛布にくるまって寒さをしのいでいるところもあります。NHKの調べでは、これまでに判っているだけで、少なくとも50人以上が避難した後に命を落としています。このままでは、助かった命が失われてしまいます。

「避難所の環境整備」、「物資や人員の揃った避難所への集約」、そして、状況によっては、「県外への一時避難」も、急ぐべきではないでしょうか。

【生活支援を急げ】

もうひとつ、急がなくてはならないのは「被災者の生活支援」です。
今回の震災では、田畑や養殖施設など、大切な生活の糧を失ってしまった人も少なくありません。住宅の被害も大きく、地域の再生までにはかなりの時間がかかることを覚悟しなければなりません。

阪神淡路大震災では、震災で失った生活基盤を取り戻すことができず自己破産する人が相次ぎ「震災破産」という言葉まで生まれました。家を再建するために人生で2度目の住宅ローンを抱えた人、事業資金の返済に行き詰まって破たんに追い込まれた経営者。仮設住宅に引きこもり、やがてアルコール中毒になって、誰にもみとられず亡くなっていく、

孤独死」という何とも痛ましい悲劇が繰り返されました。震災のショックや絶望感から自ら命を絶つ人もいました。
こうした悲劇を二度と繰り返してはなりません。
そのためには、被災者の生活を立て直すための手厚い支援が今すぐに必要です。


(緊急小口資金)

当面の生活資金として期待されるのが、「緊急小口資金」の貸し付けです。3年間無利子で原則10万円まで借りることができます。保証人も要りません。
被災地の中には、まだ受け付けの準備が整っていないところもありますので、一日でも早く貸し付けができるよう対応を急いでもらいたいと思います。

(義援金)

もうひとつは、全国、全世界からの「義援金」です。日本(にっぽん)赤十字社に寄せられたものだけでもすでに400億円を超えています。
義援金の配分は、都道府県などが作る配分委員会で、対象や時期、金額を決めることになっています。阪神淡路大震災の時には、震災から2週間で一回目の配分が始まり、犠牲者の遺族や、家を失った世帯に一律10万円が配られました。しかし、今回は、被害が複数の県にわたっているため、配分委員会をどこに設置するのか、誰にいつどうやって配分するのかもまだ決まっていません。被災した人達が一息つけるよう、まずは一部でもよいから、
配分を急いでもらいたいものです。

(生活再建支援金)

今回のような大規模な災害では、ひとりひとりに配分される義援金の額も限られてしまいます。そこで阪神淡路大震災をきっかけに誕生したのが、「被災者生活再建支援制度」です。
家が全壊したり、長期避難を強いられたりした世帯を対象に、最高で300万円が支給されます。これまでの実績では一世帯平均で130万円ほどになります。貸付制度と違って返済する必要はありません。
ただ、この制度には、支給の条件があるうえ、市町村が発行するり災証明書や住民票などが必要です。多くの人は着のみ着のままで避難し、申請を受け付ける役場も被害を受けています。枝野官房長官は、津波で壊滅的な被害を受けた地域の家屋については、一括して
「全壊」の認定を出すなど、手続きの簡素化を検討する考えを示しています。
まとまったお金を必要としている人が、すぐに受け取れるよう、迅速で柔軟な対応を求めたいと思います。

(新たな支援基金)

ここまで紹介したのは、いずれも今回の震災の前からあった制度です。しかし、これだけ大きな災害、大きな被害に対しては、既存の制度だけでは十分とは言えません。「新たな支援基金」を作るべきだという声も上がっています。
先ほど紹介した「生活再建支援制度」の原資は、都道府県の拠出と国からの補助金で成り立っています。しかし、去年3月末現在、残高は538億円しかありません。仮に一世帯あたり100万円を支給すれば、5万世帯あまりで底をついてしまう計算です。
全国知事会は、このままでは到底対応できないとして、国が全額費用を負担して新たな「支援基金」を作るべきだと国に要望しています。


新しい支援基金は、阪神淡路大震災の時に作られた「復興基金」をモデルにしています。
この時は、兵庫県と神戸市が8800億円の資金を提供、これを3%から4.5%で運用することによって、14万6000世帯に1415億円が支給されました。しかし今回は支給の対象になる人がもっと多くなることが予想されます。超低金利の今、基金の運用もままならないでしょう。県も大きな被害を受けており、巨額の財政負担は難しい情勢です。財源をどうやって確保するのかという難しい問題はあるとはいえ、被災者の側に立った新しい支援の枠組みづくりが急がれます。

現行の制度を活用するにせよ、新しい基金を作るにせよ、被災者の生活再建にすぐに役立ててもらえるよう、「手続きの簡素化」に加えて、「支給額の増額」、「支給対象の拡大」も
是非、検討してもらいたいと思います。

生活再建はスピードが勝負です。阪神淡路大震災では、義援金の配分が終わったのは
地震から1年半以上経ってから、生活再建支援金の支給が始まったのは3年後のことでした。

「震災直後のいちばん苦しい時、もっとも困っている時にこそ、支援の手を差し伸べてほしかった」という切実な声を何度も耳にしました。

復興を担うのは地域の住民です。道路や建物は元に戻っても、そこで生活し、働き、学ぶ人がいなければ、地域の復興は果たせません。
地震と津波という悲惨な経験をした人達が、再び絶望の淵に立たされることのないよう、被災者に直接届く支援の充実を急がねばなりません。

(出石 直 解説委員)



05. 2011年3月31日 21:00:22: sHkbotZDCo
 ( http://jp.wsj.com/var/plain_site/storage/images/media/images/jobless/4498425-1-jpn-JP/jobless.jpg)
 宮城県名取市は津波で壊滅的な被害を受けた(27日)

被災地の支援、雇用問題が焦点に

2011年 3月 31日 17:50 JST

ウォール・ストリート・ジャーナル

http://jp.wsj.com/Japan/node_213847


 【宮城県亘理郡山元町】この海沿いの町の役場には、政府の支援や通話可能な電話を求める人々の長蛇の列ができている。列を作るという点では、命令を待つ救助隊も例外ではない。しかし今週、また新たな列ができた。仕事を探す人々の列だ。


 今月、日本のこの地域を襲った地震と津波は、1万1000人以上の犠牲者と1万6200人以上の行方不明者を出しただけではない。何十万という人々を失業の危機にさらし、再開した職場にさえたどり着けない状態にしている。

 オオタ・トシオさん(56)は、28年間タクシーを運転してきた。彼が務めるタクシー会社の事務所は仙台市の空港近くにあるが、3月11日の津波で大部分が損壊した。彼にはガソリンがなく、事務所の電話も鳴らないため、1時間かけて現地に行き、会社がどうなったか調べる手段はない。彼は最悪の事態を覚悟している。

 そこでオオタさんは29日、仙台の南にある郊外の町、山元町の役場の列に並ぶことを決意した。失業保険と新たな職を求めて、政府の支援を受けるためだ。

 オオタさんは、他の50人と列に並び、ハローワークの職員との相談を待つ間、「28年間、政府の世話になったことは一度もない。申請のしかたさえわからない」と話した。

 震災に見舞われた時、日本の雇用市場は回復に向かっていた。2月の失業率は2年ぶりに低い水準の4.6%となり、一段の低下が見込まれていた。

 多くの小さな町で雇用が悪化していたとはいえ、東北地方では比較的経済が堅調な仙台に勤める町民の多い山元町では、ある程度の雇用改善はみられていた。しかし、より自律的な回復が失われた今、大規模な失業が今後数年間にわたって問題として重くのしかかるとエコノミストは予測している。

 国連は30日、大きな震災被害を受けた岩手、宮城、福島3県で働く80万人のうち大半が生活に影響が出たとする日本政府の報告を紹介した。これまでに約2万3000人が、求職相談や失業保険の申請のために地元のハローワークに訪れたという。

 日本政府は、失業者に地域の職業安定所――「ハローワーク」という楽しい呼び名で知られている――に訪れるよう呼びかけているが、求人は少ない。あったとしても、雇用主は求職者と同様、「安心」を求めており、仙台ハローワークには、事業継続が不可能な場合の手続きに関する問い合わせなど、数百件もの電話が雇用主から殺到している。

 仙台のハローワークの職員によると、現時点で、雇用主からの求人申し込みの電話はほぼゼロだ。同職員は、建設業の求人はまもなく増えるとの見方を示したが、雇用をすべて満たすには十分ではない。

 仙台の中心街にあるハローワークは、求職者について現時点で数千人と見込むが、まだその数字は顕在化していない。多くの人々は生きるのに必死で、地域の公共交通機関が壊滅状態にある今、地元から出て来られないのだ。

 仙台ハローワークは、失業した被災者が置かれた状況を勘案し、今週、山元町やその他の地域に臨時出張所を設けることを決定。被災者の来所を促すために新聞広告も掲載している。

 それでも、当局が被災者をどれだけ支援できるかは不明だ。政府は29日、一時的に避難を余儀なくされている人やまだ正式に解雇されていない人が申請できるように失業保険の要件を緩和した。しかし、企業が事業閉鎖を選択した場合、長期的な問題の解決にはそれでは不十分だろう。被災者への支援金が増額される可能性もあるが、日本が巨額の赤字を抱える時期にさらなる財源不足が追い打ちをかける。

 29日には一般会計総額92兆4116億円の2011年度予算が成立したが、野党が特例公債法案に抵抗を示しており、予算の財源確保の見通しは不透明だ。

 どんな災害復興も、人々の雇用が重要なステップとなる。インド洋津波や米国のハリケーン「カトリーナ」の後、国際支援団体は、地域の片づけに参加すると賃金が支払われる労働プログラムを後援した。しかし、賃金が国際基準より大幅に高い日本でそういったプログラムを実施するのは難しく、コストがかかる可能性がある。

 「人々の精神衛生上、職に戻ることは重要」と米国を拠点とする人道支援団体、マーシーコアのコーディネーター、ダイアン・ジョンソン氏は指摘する。マーシーコアは過去に労働プログラムを実施しており、今週日本入りした。ジョンソン氏は、「職場に通い、同僚がいることは日常生活の一部で、それから切り離されることは不安なことだ」と語った。

 マーシーコアは既に、臨時雇用プログラムを日本で行わないことを決定している。日本の賃金は高く、泥まみれの困難な仕事への抵抗感も強い。また当面、大規模な撤去作業は大半をバックホーやトラックなどの重機に任せるほかはない。

 その代りに、マーシーコアは、小さな町の雇用の大半を占める中小企業が自力再建に必要な融資を受けられるようにするため、地域のNGO(非政府組織)と銀行との連携を模索している。

 東北の漁業の町、気仙沼でも問題が山積している。今週、現地の関係者から情報収集したジョンソン氏は、多くの大型漁船が津波を逃れたが、陸地では電力の供給がストップし、魚を保存する氷がないと指摘する。多くの加工会社も壊滅状態にあるものの、大型発電機を使って稼働するところも一部にあるという。

 この地域の牡蠣(かき)養殖農家も、将来的に一段と厳しい現実に直面している。津波で壊れた牡蠣棚を回復させるまでには、最長で7年かかる場合もある。

 山元町も、イチゴ栽培や観光など、地元産業の復旧は難航が予想される。創建800年の古寺は損壊がひどく、砂浜にはゴミやがれきが散乱、イチゴ畑の残骸といえば、「イチゴ狩り」の看板が2、3とビニールハウスの潰れた金属パイプくらいだ。

 塗装会社を営むササキ・イサムさん(65)は29日、従業員の処遇について相談するために町役場に現れた。ササキさんは、家や企業の塗装の仕事がやがて増えると考えている。しかし、そうなるまでに数カ月かかる可能性がある。

 彼の倉庫、車、設備は破壊され、顧客からの注文はすべてキャンセルされた。5人の従業員を維持する余裕はない。

 ササキさんは、役場を去る時、「給与の一部を払って従業員を一時休業にするよう」勧められたと話す。ササキさんは、「こんな書類を渡された。これを全部記入するのは大変」、と厚さ1.5センチはありそうな書類の束をバサバサと振ってみせた。

記者: ERIC BELLMAN

http://jp.wsj.com/Japan/node_213847



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