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原発1基で日本1週間で放射能汚染―「週刊朝日」背筋寒くなる警告
2011/3/17 19:03
http://www.j-cast.com/tv/2011/03/17090753.html
こんな悠長なものを書いているときではないようだ。震災の被害は甚大だが、それを上回る被害を起こしそうな東京電力福島第1原発が重大事態を迎えている。
17日(2011年3月)、陸上自衛隊のヘリコプターから水を投下することについて、北沢防衛相は「今日が限界だと判断し決心した」と明言した。大震災から1週間、何も手を打たなかったとはいわないが、日本の歴史上かつてない深刻な原発危機を招いた責任を、菅首相や東京電力側はどう考えているのか。
テレビは津波で家が流される映像ばかり繰り返し、被災地の現状は報じてきたが、その裏で進行しているさらに深刻な事実を見えにくくさせ、菅首相や枝野官房長官のまやかし会見を垂れ流してきた。
新聞もほとんどが政府公報に成り下がり、原発問題については突っこみ不足で、読んでいても欲求不満が募るばかりだった。
悲惨な現実を見せない伝えないTVジャーナリズム
こういうときこそ週刊誌の出番だ。21日の月曜日が休日のため水曜日発売予定だった「週刊新潮」と「週刊文春」は1日ずらし、「週刊朝日」と「サンデー毎日」は変則発売で、17日の木曜日に4紙が揃って出たので、早速、貪るように読んでみた。
まずは各誌のグラビア。テレビを超える迫力のある写真にはお目にかからないが、その中で、朝日の「津波に襲われたと見られる男性の遺体に、近所の男性が手向けの花束を供えた=若林区)」という1枚に目が止まった。
被災地のルポも、テレビで毎日見ているから、それなりに取材してあるが、それを超えるものは見あたらなかった。
新潮の「頼りの『NHK』人が津波に呑まれる映像を見せなかった」で、津波にのみ込まれそうになるワゴン車の映像を最後まで放映しなかったNHKに対して、モラルを最優先する姿勢に苦言を呈しているが、私もそう思う。
何も遺体を写せというわけではない。だが、大災害の被害の実態が、画面から伝わってくる映像としては津波が押し寄せてくる以外には数少ない。悲惨な現実を見せない、伝えないのは、ジャーナリズムとしてどうなのか、テレビ現場の人間は常に問いかける必要があるはずだ。
私は、地震の時、旅行中で中国の北京にいたが、発生と同時に携帯が繋がらなくなり困った。朝日の「万が一の時、使える通信手段はこれだ」を読むと、ツイッターとワンセグ放送は繋がり、インターネット回線を使うSkypeと、携帯電話でもインターネットを使う災害用伝言板は繋がるようだ。北京からでも東京と連絡できたのは、iPadからのGmailだった。
根拠ない菅と枝野の「安心です」
さて、一番知りたい原発についてだが、文春の「『暴走ドミノ』被爆の真相」と、朝日の「福島原発で本当に起きていること 広瀬隆」が読み応えがあった。東電の清水社長は地震が発生した11日は出張で関西にいて、名古屋空港から東電のヘリで急遽戻ろうとしたが、夜10時を過ぎていたので空港側に拒否され、何とか防衛省に頼み込んで使用許可を取ったと文春にある。このために「約1時間を無駄にした」(文春)そうだが、そういえば、中国の北京で一緒だったグループの中に東電のトップ2人がいた。
以前からスケジュールが決まっていたから、彼らにとって不運ではあるが、重大な意志決定をする人間が、その時、東京にいなかったことになる。その初動の遅れが致命的なことにならなければいいのだが。
さらに文春は、菅首相が現場の迷惑も考えず福島第1原発を視察したことを、「視察の直後に1号機の水素爆発という深刻な事態に陥った。一体、何を指示したのかと問われるでしょう」(官邸関係者)と批判している。「安心です」と繰り返してきた枝野官房長官も、途中から、東電側が正確な情報をあげてこないといわんばかりの発言に変わったが、それまで、何を根拠に安全だといってきたのかと追及している。
朝日の広瀬氏は、長年原発の危険性を訴えてきた論客だが、こうした非常事態の時に読むと、背筋が寒くなってきて、居ても立ってもいられなくなる。
広瀬氏は「事故の経緯を見ると、悲観的にならざるを得ない」として、このまま炉心溶解が進行すると、鋼鉄製の原子炉を溶かして、地下水とぶつかって水蒸気爆発を起こし、大量の放射線が飛び散る「チャイナシンドローム」が始まるという。
さらに「日本で1基の原子炉が全部放射能を放出するような事態が起きた場合、風向きや風力次第ですが、(中略)ほぼ1週間で日本全土が放射能に包まれる可能性があります」というのだ。
今回の事故で、東電側は、千年に1度の巨大地震が起きると想定できなかったというが、誰もが原子炉の大事故を起こす原因として、真っ先に想像するのは「大地震」ではないかと批判する。
また、13日午後、福島原発周辺で、1時間あたり1557・5マイクロシーベルトを記録したことは、「それに24時間と365日を掛けて年換算すると、通常の年間被爆量の1万3千倍を超えます。それで平気なのでしょうか。レントゲンや航空機に乗ったときの被爆量と比較するのは犯罪です」といいきる。何とかこの危機を回避してほしいと、期待もよせているのだが。
「西日本疎開」呼びかける内田樹・神戸女学院大教授
これを読んで、すぐに関西方面のホテルを探してみた。朝日新聞で、内田樹・神戸女学院大教授も「メディアの報道では『避難できる人は避難した方がいい』という専門家の発言が抑圧されているように感じる。しょうがないから、僕はネットで安全な西日本などへの『疎開』を呼びかけている。とりあえず、妊婦や幼児や病人、児童生徒たちは、用がなければ被災地と救援の活動拠点となる都市部を避けた方がいい。政府は可能な人には『疎開』を呼びかけるべきだろう」とまでいっているからだ。
外国人は自国へ帰ろうと成田空港につめかけている。大阪のホテルはまだ空きがあるのは、実際に疎開する人がまだそれほどいないのだろうが、その決断をする日がこないよう祈るしかない。
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