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海路から被災者救援を!軍事用艦艇を活用せよ (*記事後半部)(両角 岳彦)
http://www.asyura2.com/09/jisin16/msg/581.html
投稿者 Orion星人 日時 2011 年 3 月 17 日 10:38:22: ccPhv3kJVUPSc
 

記事前半部;http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/5663

 特に、最も大きな被害を受け、しかも孤立してしまっている三陸沿岸の人々、町や集落、そこに点在する避難拠点へのアクセスをどうするか。これはまさに、3月11日15時前からの喫緊の課題である。自衛隊も10万人規模の動員を行い、現地の警察・消防、そして一般の方々と協力して大変な努力をされていることは、断片的な報道映像からも伝わってくる。

 しかし、それでは足りないし、間に合わない。人と物のアクセスが回復した所から救援、支援が進む、というのではなく、もっと組織的な広域救難・救援・支援を可能な限り早く組み立てなければならないはずだ。

 私見を述べるなら、その鍵の1つは「海」である。

 今述べたような地形、交通環境から簡単に見えてくるのは、巨大津波に襲われた直後から、道路網が回復するまで、被災地に最もダイレクトにアクセスできるのは、海側からである。

 しかし大小の港もまた破壊されたり、船が陸上に打ち上げられたりして、すぐには使えない。余震やそれが引き起こす津波の可能性もあるから、かなり大型で、足の速い船舶でないと現地近くにいることはできない。

 そこで使える船舶は何か。言うまでもない、軍事用の艦艇である。

 特に甲板に直接ヘリコプターが発着でき、機体への燃料補給や救援物資の積み込み、さらに傷病者を優先しつつ被災者を受け入れることもできるような大型の艦船。そういう船は、実はそれなりの数が海上自衛隊に、そして日本に母港を持つアメリカ海軍の艦船にある。

 海上自衛隊では、全通甲板を持つ(艦体上部に凸凹した構造物をあまり置かず、平らなプラットホームになっている)輸送艦「おおすみ」級(排水量8900トン)が3隻。このうち「おおすみ」は3月15日からインドネシアで行われるASEAN地域フォーラム/災害救援実動演習に参加すべく航海に出ていたが、12日に参加中止を決定、引き返している。他の2隻(「くにさき」「しもきた」)は災害発生時に母港の呉にいたはずである。
 この艦種はもともと「揚陸輸送艦」なので、航空甲板だけでなく、その下の船体の中には貨物や燃料、車両を積むスペースを持ち、後方にはエアクッション艇(LCAC)を海上に直接発進させることができるドック(海水プール)も持つ。

 港が使えない陸上に接岸し、あるいは陸上まで上がって物資や機材、人員を降ろすのには、このLCACや艦首部を陸上に乗り上げて開口することができる上陸用舟艇(LCT)が最適なはずだ。

 そして大型災害への支援も想定して、艦内に救護設備を設けることなどもできるようになっている。「おおすみ」は、まさにそうした機材や物資、そして人員を積んでインドネシアに向かっていたのである。

 またもう1隻、ヘリコプターを複数搭載、運用する護衛艦「ひゅうが」(排水量1万3950トン)もある。これもヘリ・プラットホームとしては最適だ。

【すでに東北地方太平洋岸に展開している日米の艦隊】

 アメリカ海軍も、震災直後にすぐ航空母艦の「ロナルド・レーガン」(排水量10万トンの巨艦)を出動させることを提案。随伴のイージス艦を含めたグループはカリフォルニアからハワイ方面に展開していたところだったが、12日未明には現地海域に向かっている。

 空母は、航空機の搭載と発着だけでなく、その巨大な空間の中に数千人の乗員が常に「住んでいる」。居住区画、厨房と食堂、さらに歯科まで含めた病院まである。

 また、佐世保を母港とする揚陸輸送艦「エセックス」(排水量4万トン)も、「おおすみ」と同様にASEANの災害救援実動演習のためにインドネシアに向かっていたが、これも現地海域に向けて引き返し、病院機能などを準備する、とすぐに発表されている。

 こうした大型艦艇を「浮かぶ救援基地」として利用し、そこから被災地へ、ヘリコプターと揚陸艇を駆使して資材、機材を直接送り込むのが、今回は非常に効果的だ。

 もちろんそれ以前に、海上保安庁、海上自衛隊、そしてアメリカ海軍の艦艇は大津波の危険が一段落した12日には現地海域に展開し、艦載ヘリコプターを送り込むことも含めて捜索・救難活動を行なっている。報道では「男性1人を救助」しか伝えられていないけれども。

 ざっと調べてみると、海上保安庁が54隻、海上自衛隊が45隻、アメリカ海軍も即応だけで7隻が東北地方太平洋岸に展開している。

 こうしたことも、今やメガメディアや彼らが頼っている日本の行政、特に首相官邸には何の情報もないが、インターネット上でいくらでも確認することができる。特にアメリカ海軍では、どんな即応態勢を取っているかを刻々と、日本周辺を受け持つ第7艦隊のウェブサイトなどに公表している。

【断片化した情報ではなく全体の把握を】

 もちろん「海」だけで救難・救援・支援がカバーできるわけではない。でも、これまで誰も体験したことがない規模の広域災害に対処するためには、全てを「立体的」「多角的」に考え、進めてゆくことが欠かせない。特に全体の指揮を執る側、そして社会全体がこの災厄にどう対処するか、しているかを伝える立場の人々は、そこを徹底的に考えて動く必要がある。

 最初にも書いたように、まず被災の全体像を、どこにどれだけの被災者や避難者がいるかを捉えることから始める。断片化した個別の情報だけを拾って回っていては、本当にシビアな状況に置かれている人々を後回しにする可能性が高まる。

 そして使える手段を全て洗い出し、それぞれの特質に合わせてどう使い分けるか、さらに細かな点としての避難所や拠点別に何が必要か、その情報を収集し整理して、ピンポイントで送り込む。あるいは傷病者や救護が必要な人を設備の整った場所へと移送する。

こういう「アクションプラン」を可能な限り早く準備し、動きながら修正してゆく。そしてその状況を刻々と被災者に、各自治体に、そして社会全体に伝える。すでに現段階の、そして次の段階の鍵を握るのは「情報」と「物流」なのだ。

 ところが、そういう動きは、救難・救援の全体計画から細分化へと進むプランニングはどこで行われているのか? まったく情報が出てこない。

 ようやく、被災地への物資輸送は自衛隊に一元化する、という話は出たが、実は日本中から物資を集め、仕分けし、被災地・被災者の元まで届けるという全体の流れの中で言えば、途中から末端手前までの輸送ルートの処理にとどまる。

【首相官邸ウェブサイトで有効な情報をフルに公開せよ】

 おそらくは官邸対策室とその周辺で、官僚が知恵を絞っているのだろうとは思うが、被災者個人個人の心を落ち着かせることから、社会全体がこの災厄にどう力を集めてゆくかまで、全ては「情報」から始まる。

 災害対策全体を統括する官邸対策室/危機管理センターの情報を発信する首相官邸ウェブサイトが、自ら発信する情報、そしてリンクまで、Google Crisis Response と比較してもお話にならないほど内容がない。我々が見ることのできる被災地の上空からの現状写真が、Digital Globe社の他、海外からの情報しかない、というのでは何ともまずいのである。

 「被害はこんな状況です」「被災者の方々はここにこうしています」「救援のためにこういう人々や機材がここで動いています」「被災者の情報をこうやって集めています(特に孤立した避難所、被災者の所にはヘリコプターを飛ばして、直接聞き取りするチームを組織した方がいい)」「支援はこういうルートで届けられます」

 そうしたインフォメーションを刻々と、できるだけ細かく発信する。「何とかするから、待っていてくれ」という旧来のやり方を変えないといけない。その中から、新しい知恵や、より効果的なネットワークも自然発生してくるはずなのだ。

 ここまででもずいぶん長くなったので、もう1つのテーマ、東京電力・福島原発の状況の整理、科学技術を理解できないメガメディアの迷走による社会の混乱、そして首都圏の電力問題などについては、引き続き別稿を書いてお届けすることにしたい。

 ただ、情報収集のためにずっとテレビの放送を流したままにしていて、各局のキャスターやコメンテーターがほぼ全員、科学的事象を飲み込む能力がほとんど欠落していることに今さらながら呆れつつも、芸人・芸能人と、タレント気取りのアナウンサーが騒ぎ立てないだけで、放送メディアはこんなに落ち着くものかと実感した。皆さんはいかがだろうか?

 

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コメント
 
01. 2011年3月17日 10:49:33: 1bI51T5To6
風は海側に流れている。米軍が逃げたのは海側に放射能が流れているからです。海側から救援に駆けつけると被曝してしまいます。

02. 2011年3月17日 12:31:56: nj8WCcMhw6
01<
>米軍の 空母ロナルド・レーガンなどの 艦隊は、すでに、三陸沖を北のほうに避難したようだ。自分たちが、被曝するのを嫌って、逃げた。外国が、私たちを助けてくれることはない、ということだ。 もし、横田米空軍基地や、 横須賀の米海軍からも、米軍が避難して脱出するというのなら、もう、二度と、日本の領土に帰って来るな。もう、日米安保条約は、おしまいだ。廃棄する。何の権限もない、私、副島隆彦が、そのように日本人の総意として宣言する。<

「海上保安庁が54隻、海上自衛隊が45隻が東北地方太平洋岸に展開している」と、ありますから、ここは日本の自衛隊に頑張ってもらいたいですね。


03. 2011年3月17日 13:29:15: rWmc8odQao
舛添要一氏
「在沖縄米海軍が、患者搬送のため、出動準備をしているのに、日本政府から在日米軍に要請がないとのこと。」
https://twitter.com/#!/MasuzoeYoichi/status/48214689901060097

沖縄から駆け付けるとな…
ご苦労だが、これもパフォーマンスのニオイがしますな。


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