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未曾有の危機に、政府・マスコミを始め全国民が、災害と緊急対応を注視し、海外を含む人命優先の援助が行われている。だが、その現場には、数多くの問題がある。中でも指摘したいのは、次の二点だ。
一つは、罹災した三十数万と言われる人々に、食料・水などの緊急支援と、仮設住宅の建設や災害復旧工事以外に、未来への展望が示されていないことだ。
それは、被災者の将来不安と表裏の関係にある。
二つは、福島原発の炉心溶融・爆発で、住民の被爆や避難の発生への対応だ。政府や関係当事者に対し、対応の是非は論じられ、地震列島と原発の不整合は言われても、原子力発電からの転換を含む、エネルギー政策の見直しは提起されていない。
リーダーシップが求められてきたが、それはポピュリズムやパフォーマンスではなく、国の舵取り、未来の展望を示すことではないだろうか。当面の対応と共に、未来への展望を、複眼で提示することが必要である。、
まず、マグニチュード9.0の超巨大地震と大津波は、想定外であった視野の狭さを見つめ直して欲しい。地球には、チリやアラスカ・スマトラなど、これを上回る地震や津波が歴史に刻まれていたのだ。そこからは、災害復旧ではなく、災害を繰り返さない国土の再生計画が必要となる。
全国には、荒れた山野と不耕作地、居住者の無い住居を抱えた限界集落が、広範に存在している。伊達直人ではないが、こうした地域の人々が、ネットで罹災者の受け入れを呼びかけ、自治体や政府が支える。この大震災を、罹災地と過疎地が共に再生する契機にできないだろうか。
また罹災地の復旧計画は、農地を含め自然生態系に対応したものとし、地震や津波が再発しても、悲劇を繰り返さないようにする。この国を挙げての取り組みは、閉塞した日本を元気にする、第一歩となるだろう。
次に、計画停電で、さらなる迷走が始まっている。東北・関東大震災は、その根底に、技術文明に疑いを持たない利便と効率の追求に加え、一極集中の首都圏と地方の過疎という表裏の歪みがあることを教えているのだ。
地震列島の原発は、エネルギー政策を見直し、長期的には原子力発電を廃止し、小水力・バイオなど自然力の利用優先に転換が必要である。それは、地域資源や住民の仕事や暮らしを、活かし・つなぐ地域循環を構築し、地域経済・社会の再生を土台に、日本全体を再生させるだろう。
罹災地と衰退する地方が両輪の復興策と、地域資源と住民を活かし・つなぐエネルギー政策の転換、この二つを複合した政治のリーダーシップ、国の舵取りを心から願っている。
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