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地震から二日目。昨日もそうだったが、あらためて、部屋のあちこちに損傷を確認する。いずれにしても、家族が無事だったのだから、そこに云々は考えないことにする。深夜に起きた強い揺れは長野県が震源だったようだ。東北、茨城沖、長野と多発的に大地震が起きている。東京もこの一週間でどうなるか分からない。大地震になるかもしれない。とりあえず、食料と水は確保しなければと、コンビニに走るが、案の定、保存食系は完売していた。
ニュースと、Twitterを確認すると、今度は福島原発がかなり危険な状況になっているとのこと。最悪の場合、爆発もありうると。いずれにせよ、鳥インフルエンザではないが、一週間くらい待機命令が出るかもしれない。晩の停電も避けられないようだし。この先の電気供給も分からない。妻が8時30分に起きたので、その足で、家族で24時間営業をしているイオン東雲店に買い出しに向かった。
イオン東雲店も、やはり建物の損傷があり、一階の食料品売場も、地震の影響で、水漏れが複数箇所で起きてきた。二階は営業停止していたが、よりひどい状態のよう。それでも、何事もないように、淡々と安売りを続けているイオンに感謝。阪神大震災のダイエーの活躍を思い出した。
保存食系はかなり数も少なかった。水は残りわずかだった。朝の時点では、卵や牛乳などは普通に売っていた。何気に発見だったのは、サバやイワシの「味噌煮」がごっそりなくなっていたこと。「水煮」はあるのに。これはその前に行ったコンビニでも同じことが起きていて。
「ああ、みんな自分と同じで『味噌煮』派が多いんだな」と妙に納得した。それにしても、レジまでは大行列だった。一時間近く並んだか。みんな考えていることは同じなんだろう。混雑に加え、買い込み量も大量である。妻は板橋の実家に、買い込みアドバイスの電話をしていた。こういう時に、一人暮らしの高齢者はどうしているのだろうか。頼る情報は新聞やテレビで、周りに適切なアドバイスをしてくれる人もいない。それを考えると、せつなく、苦しくなった。
帰宅してからは、一日中、ネットとテレビで情報の確認である。福島原発がいよいよ予断を許さない状況になっており、ずっと緊張をしていた。もちろん政府やテレビの発表は、パニックを防ぐために、全ては公開できないのだろう。それは仕方ないが、なぜNHKはBBCが放送した爆発の映像を使わないのだろうか。むしろ今回は民放の方が、踏み込んでメルトダウンのリスクや、実際の爆発映像、それから風向きの情報などを報じていた。
私は日ごろ、大のマスコミ嫌いだが、今回、民放は民放で、人命優先の報道をしようとギリギリで頑張っているように思えた。しかし、政府の対応はどうかというと、もとから期待もしていなかったが、やはりひどいもの。いったい菅はなんのために朝から福島原発の視察に行ったのか。その後、メッセージも発信しないなら、意味がない。この緊急時に。まさかパフォーマンスではないだろうが。
いずれにせよ、勇気づけられたのは、日本の首相である菅の演説なわけはなく、オバマや、国連の事務総長といった海外のリーダーのものだった。あと、枝野官房長官の記者会見も期待はしてもないが意味もないもの。本来、20キロの避難指示も唐突に出すものではなく、住民の不安を取り除くために、まず官房長官がきちんと理由をあわせて発表すべきだった。あいかわらず、どうしようもないと思った。
だが、阪神大震災の時と比べて、明らかに良くなったのは、外国からの支援の受け入れ体制である。韓国、オーストラリアといった国々の直接の救助支援を早々に受け入れ、また米軍の空母の東北への派遣なども積極的に受け入れている。自衛隊についてもそうだ。阪神大震災の時の教訓が生かされているのが救いであった。
さて、原発の事故について、Twitter上の反応をみていると、反原発派の中でも、起きてしまった重大事故について、自分たちの知識を提供して、できるだけ事実を伝えようとする人たちがいる。昨晩の岩上安身氏のUSTREAM中継で、原発設計に携った後藤氏の会見は最たるものだったろう。あれでパニックになりそうな気持ちをずいぶんとおさえることができた。
一方で、反原発派の中で、日ごろの怨念を晴らすかのごとく、どこか今回の原発事故にはしゃいでいる人もいる。彼らがどこに住んでいるかしらないが、まるで他人事で、どこか嬉しそうに、不安を煽っている人たちもいる。やはり、いざという時に、人間の本質は出るものだなと思い、いくつかのTwitterのフォローを外した。
私たちが原発事故の恐怖におののいている間。自らの命を危険にさらして、福島で原発の作業にあたっている人たちがいる。東電も、自衛隊も、命がけである。彼らがどんな思いで作業にあたっているのかを思えば、とても私は厳粛な気持ちになる。
よく、アルマゲドンを好きな映画にあげる人は多いが、あの映画に涙する感受性があるならば、作業にあたる人たちや、その家族の思いがどういうものかを想像することは、難しくないはずだ。とにかく私たちは、今は、彼らの無事と、作業の成功を祈ろう。
さて、今は、福島原発は最悪の状況はいったん免れているように思えるが、しかし、引き続き、予断は禁物である。何かしらの原因で、格納容器が大爆発し、首都圏も外出禁止命令が出る可能性がある。だから、風呂に水をため、大阪の両親にも電話し、少なくとも一週間の食料品は備蓄しておくように伝えた。しかし、その瞬間に、東北の人たちのことが頭をよぎる。家を失い、家族を失い、この寒空で放射線の恐怖に怯えるとは、どういうものであろうか。
もちろん、まずは私も自分の家族を守ることが先に頭をよぎるが、同時に、東北の方々への思いもいろいろとよぎる。その繰り返しである。忘れてはいけないことは、なぜ今、福島県、そして東北の人たちがこれほどの恐怖に直面しているかといえば、首都圏への電力供給源として、原発の土地を提供してくれたことにある。私たち首都圏に住む人間はそのことを忘れてはならず、できるかぎりの支援はやっていかなければいけないと思う。
http://ameblo.jp/aobadai0301/
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