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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011031201000096.html
経済産業省原子力安全・保安院は12日、東日本大震災の影響で自動停止した東京電力福島第1原発で、正門近くの放射線量の数値が通常の70倍以上、1号機の中央制御室で通常の約千倍に上昇したと発表した。外部への放射性物質の漏えいが確認されたのは初。
原子炉格納容器内の気圧が高まり、容器が耐えられずに破損するのを防ぐため、保安院は第1原発の1、2号機について、格納容器内の蒸気を外部に放出するよう東電に命令した。原子力災害対策特別措置法に基づく措置命令。
同日朝、住民避難の範囲は第1原発の半径3キロから同10キロに拡大され、第2原発でも半径3キロ以内に避難、3〜10キロの範囲に屋内退避の指示が出された。
東電は1号機での放出作業を始めたが、作業は難航。午前11時20分には水位が低下して燃料が最大約90センチ、水面上に露出し、燃料の一部が過熱によって破損した可能性があるという。燃料の破損は、環境への放射性物質の放出を増やす恐れがあり、東電は慎重に状況を調べている。
一方、菅直人首相は同日午前7時45分、冷却機能を喪失した福島第2原発を法に基づき、緊急事態宣言に追加した。東電は、第2原発の4基すべてで蒸気を外部に放出することを決め、1、2号機で作業を進めた。
弁を開けて蒸気を放出すると、放射性物質が環境に漏れる恐れがあるが、大きな破損によって閉じ込め機能を失うことを防ぐ緊急避難的な措置。
同日未明に記者会見した海江田万里経産相は、放射性物質の放出について「事前の評価では(放出されても)微量とみられる」と強調。保安院は、避難地域の拡大や海に向かって吹いている風向きなどから、住民の安全は保たれるとしている。
東電によると、第1原発1号機の格納容器の蒸気は、水を張った大きなプールを通して放出するため、放射性物質はある程度低減する見込みだという。排気筒の出口では常時、放射性物質の量を測定し、環境への影響を見極められるとしている。
(共同)
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