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株式日記と経済展望
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日本には新耐震基準以前に建てられた住宅がまだ1000万戸以上ある
といわれ、今後発生する大地震においてその被害が懸念されています。
2011年2月26日 土曜日
ニュージーランド・クライストチャーチ市の大規模地震で倒壊したCTVビル
壁のない柱だけのビルで70年代以前に建てられた古いビルのようだ。
◆ニュージーランドの地震被害に関する雑感 2月25日 崖っぷち日記
http://blog.goo.ne.jp/tnnt_1571/e/8b0f1c564c53fc171e461b18a07a8424
はじめに、被害に遭った学生とそのご家族の皆様に心よりお見舞いを申し上げる。
以下、CTVビルの倒壊に関し、耐震構造を専門にしている技術者として見解を述べてみたい。
耐震工学の専門家は、偏心率が大きかったために捩れ振動を起こし倒壊につながった、と分析していた。私はその解釈は少し違うのではないかと思う。平面的な剛性のアンバランスは捩れ振動を励起するが、あくまでも二次的な要因であり、倒壊を誘発した主原因は剛性と強度の不足であると推測する。CTVビルには壁がほとんど見られない。壁を多く配置して剛に設計していれば、パンケーキ破壊は防げたはずである。中低層の鉄筋コンクリート造建物は、壁を多く配置し、すべからく剛に設計すべし、と私は思っている。
TVに放映された加速度波形には、1〜1.5秒の周期成分が卓越しているように見えた。神戸の地震動によく似ている。神戸では、キラーパルスと呼ばれる長周期の大振幅速度パルスが発生した。倒壊した構造物はみなこの波にやられたのだ。
壁がほとんどないラーメン構造は固有周期が長く、耐力もないので、長周期の大振幅速度パルスを受けるとひとたまりもない。
ニュージーランドの耐震規準は、建物を柔構造にして地震動の衝撃を緩和する設計思想のもとに定められていると聞いている。もしもそれが本当であるとすれば、誤った設計法であると言わざるを得ない。柔構造の考え方は高層ビルにのみ適用できるのであって、中低層の建物に適用してはならない。
さて、ここで日本の耐震設計法について考えてみる。日本では、大規模地震動に対しては、部分的な損傷を許し、塑性化させることで得られる履歴減衰に期待して、構造物の耐力の低減を許容する設計法が採用されているが、これも間違っていると思う。詳細は略すが、現行の設計法の根底にはニューマークのエネルギー一定則がある。これが諸悪の根源である。K-NETなどが提供している地震波を使って計算してみれば即座に分かるが、エネルギー一定則は成り立たない。エネルギー一定則のカーブの上に載らないのだ。ニューマークが試した地震波がたまたまそうなっただけである。ニューマークを盲信して、エネルギー一定則を金科玉条のようにしている日本の耐震設計法はまだまだ改善の余地があると思う。
◆震災から15年 その教訓と住宅の地震対策 2010年1月18日 All About
http://allabout.co.jp/r_house/gc/30746/
この20年間ほどで、住宅の世界で技術的に最も進化したものの一つに地震対策があります。そしてその契機になったのは阪神淡路大震災です。6434人の方がお亡くなりになり、10万棟以上の住宅が全壊したという衝撃もあり、多くの方々に震災の事実が生々しく記憶されていると思います。その発生から15年が経過したこともあり、住宅の世界でどのような対策が行われてきたのか、再確認してみたいと思います。
倒壊したのは新耐震基準以前の住宅
まず、この震災でどのような住宅が被害にあったのかを確認しておきましょう。大地震が発生しても一定レベルの安全性があると目安になるのは、建築基準法が改正された1982年以降に建築された建物であるとされています。
これを「新耐震基準」に適応した建物といいますが、震災で大きな被害を受けたのは新耐震基準以前の老朽化した建物です。ちなみに、日本には新耐震基準以前に建てられた住宅がまだ1000万戸以上あるといわれ、今後発生する大地震においてその被害が懸念されています。
新耐震基準以前の建物のほとんどは、わが国の伝統的な家屋、木造軸組工法の建物でした。プレハブ工法やツーバイフォー工法の建物では、全壊などの大きな被害はなかったようです。誤解が無いよう補足しておきますが、被害の状況は工法や構造の問題ではありません。木造軸組でも新耐震基準以降の建物については、大規模な被害は少なかったようです。(後略)
(私のコメント)
ニュージーランドのクライストチャーチで起きた地震で、日本人留学生の多くの方が亡くなられたようですが、今も生存者を捜索している最中です。ニュージーランドは人口が420万人ほどの小さな国であり、北島と南島に別れていますが、地震のあったクライストチャーチは南島にあります。地震が多い国とは今回はじめて知ったのですが、古い建物はイギリスの建物そのままに、レンガを積み上げただけの古い建物が多くて、それが被害を大きくした。
ニュージーランドは400万人ほどの小さな国だから、これといった産業もなく農林畜産業が主な産業であり、あとは観光や留学生などを受け入れる事に力を入れている。10万人もの留学生を受け入れているからニュージーランドとしては大きな産業だ。中国人が2万人に韓国が2万人に日本から1万人くらいの留学生が来ているそうです。日本人留学生は語学留学がほとんどであり、語学学校が入っていたビルが倒壊したことで日本人被災者が多く出た。
語学留学ではアメリカが多かったのですが、9・11テロ以降は受け入れが厳しくなって減ってしまって、その代わりにオーストラリアやニュージーランドに人気が集まっているのだろう。ニュージーランドは治安も良くて女性の留学生が多いようだ。今回のニュージーランドの地震でもそのような状況が浮かび上がってきますが、被災した多くの留学生が19歳の英語学校からの短期留学生だった。看護師専門の語学学校もあったようで何人かが行方不明になっている。
ニュージーランドは飛行機の直行便もあるし、時差も5時間ほどなので比較的行きやすい場所であり、気候なども日本とよく似ているので、語学留学先として人気が高い。日本では留学生が減っていると話題になりますが、アメリカへの留学が減っているのであり、それだけ犯罪が多いとか風紀が乱れているとかのアメリカに対するイメージが悪化しているのだろう。
クライストチャーチ市は人口が37万人の小さな都市であり、直下型地震で古い建物が倒壊した。直下型地震では阪神淡路大震災でも大きな被害が出て6500人が死亡した。多くが建物の下敷きになってなくなりましたが、古い建物は耐震性がなく倒壊の被害に遭いやすい。ニュージーランドも地震国であり耐震基準が強化されてきましたが、既存の古い建物の耐震性強化が遅れていたようだ。
倒壊したCTVビルを見ると、ガラス張りの一見近代的なビルに見えますが、70年代以前に建てられた古いビルのようだ。去年の9月にも大地震があってCTVビルも補修されたようですが、耐震性で問題にならなかったのだろうか? 今度のように倒壊してしまうと古い建物や耐震性に問題のあるビルを放置することは、大地震が来た時に人的な被害を拡大することになる。しかし阪神淡路大震災の後も既存の建物の見直しが全然進んでいない。
これでは亡くされた6500人の霊も浮かばれませんが、1000万戸以上もある耐震基準に満たない建物が放置されている。大震災が起きても数年も経てばみんな忘れてしまう。国土交通省が1981年以前の耐震基準に満たない建物を調べて公表すべきだろう。阪神淡路大震災の時も新築の住宅がなんともなかったのに隣の古い木造住宅が全壊している光景がありましたが、補強工事するだけでも全壊は防ぐことが出来る。
中古のマンションなどを買う人は1981年以後のものを買うべきだろう。見た目は丈夫そうで新しくても古いマンションは地震が来たら倒壊の危険性があります。学校や病院などの公共の建物などの耐震補強もなかなか進んでいないようだ。地方では新築の建物を建てることには熱心でも既存の建物の修繕には熱心ではないようだ。都内の古いビルでも耐震補強しているビルはあまり見かけない。
近所のビルも1981年以前の古いビルがたくさんありますが、阪神淡路クラスの地震があれば倒壊する危険性があり、人的な被害も出るだろう。耐震改修促進法も作られて一定規模以上の建物を「特定建築物」が対象ですが、中小ビルや戸建ての住居は対象になっていない。しかし阪神淡路大震災では古い木造の住宅の倒壊で犠牲者が出たのだ。
耐震補強というと大工事のように見えますが、戸建てなら100万円から200万円で出来るし、自治体から補助金も出る。金属製の筋交いやフレームを取り付けるだけでも全壊は免れる。ビルなども耐震壁や鉄骨の筋交いを入れるだけでも倒壊は免れる。東京などの地震で、ビルが倒壊して道を塞いでしまうと救助活動もままならなくなる。
ニュージーランドの地震を見ても東京は大丈夫だろうかと心配になりますが、姉歯耐震偽装事件はいつの間にか消えてしまった。都内には姉歯耐震偽装マンションよりも危険な古いマンションがたくさんあるのですが、対策は立てられてはいない。やる事はやっているのでしょうが強制力がない。建設業者救済の為にも国や自治体が費用を出して補強工事をさせるべきだろう。しかしCTVビルのような補強しても無駄なビルは取り壊す必要があっただろう。
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