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厚生省は、なぜ国立病院職員の震災地(神戸)派遣を遅らせたのか?   西岡昌紀
http://www.asyura2.com/09/jisin16/msg/288.html
投稿者 西岡昌紀 日時 2010 年 1 月 17 日 12:02:09: of0poCGGoydL.
 

(転送・転載を歓迎します)

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1390957861&owner_id=6445842


阪神大震災(平成7年1月17日)が起きた時、私は、関東地方に在る厚生省直轄の病院で働いて居ました。

震災当日、私は、病院の院長に、自分の年休を使って行きたいので、震災地に医療ボランティアに行く事を認めて欲しいと言ひました。私のみならず、私の病院でも、厚生省管轄下の他の国立病院でも、多くの医療従事者が、被災地でのボランティア活動を希望したと、私は、聞いて居ます。


しかし、私は、自分の年休を使って神戸に行きたいと言ったにも関はらず、神戸に行く事が許されませんでした。当時私が勤務して居たその病院では、人手の問題は、さして切迫しておらず、私を出す事は十分可能だったにも関はらず、です。又、後から知った事ですが、私のみならず、私の病院の看護師などの医療スタッフも、現地にボランティアとして行く事が震災直後には許されず、震災地に行く事が許されたのは、二月に入った頃だったと言ふ事でした。そして、これは、私が居た病院のみならず、厚生省が管理する他の国立病院でも同様であったと、私は、後に聞いて居ます。

(理由は、今だに分かりません。しかし、或る人は、厚生省は、労災の問題が発生する事を恐れたのではないか?と、推察して居ます)

つまり、厚生省は、自身が管理する国立病院の医師や看護師が、震災直後に現地でボランティアとして活動することを希望したにも関はらず、それを許さず、震災発生から二週間くらい後に成って、ようやくそれを認めたと言ふのです。

湾岸戦争(1991年)の時もそうでした。あの時、国立病院の医師、看護師を戦争が終結した段階で派遣しようと言ふ話が出た際、私の病院では、私や私の同僚が、そうした医療活動に参加する事を希望し、院長にその希望を述べて居ます。しかし、その時も、私の病院で、現に医師たちが医療活動への参加を希望したにも関はらず、そうした希望者が存在しないかの様な報告が為され、結局、国立病院の医師の湾岸戦争後の現地医療への参加は実現して居ません。阪神大震災の時の厚生省のやり方は、あの時(湾岸戦争)の時と同じだったのです。


(ちなみに、今日(2010年1月17日)は、阪神大震災15周年であると同時に、湾岸戦争勃発から19年目の日です。)

厚生省が、震災直後に、国立病院の職員の現地入りを許して居たら、私の様な非力な医者を含めてですが、少しであっても、人手不足に苦しむ現地の医療活動の助けに成った事は明らかです。実際、東村山に在る某国立病院の外科医は、阪神大震災から数年後、私の病院に講演に来た際、阪神大震災の際のこうした厚生省の姿勢を強く批判して居ます。


厚生労働省の人々は、あの時、厚生省が国立病院職員のボランティア活動参加を遅らせた事を、今、どう考えて居るのでしょうか?

そして、あの時、厚生省のこうした対応を報道しなかったマスゴミは、何故、この問題を今に至るまで語ろうとしないのでしょうか?


平成22年(西暦2010年)1月17日(日)


               西岡昌紀(内科医・元厚生省職員)

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■阪神大震災15年 教訓を忘れず確かな備えを
(読売新聞 - 01月17日 01:22)

http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1079953&media_id=20

阪神大震災15年 教訓を忘れず確かな備えを
(読売新聞 - 01月17日 01:22)


 被災地では悲しい記憶が今も消えない。阪神・淡路大震災から、17日で15年になる。

 犠牲となった6434人の冥福を改めて祈るとともに、大地震に備える決意を新たにしたい。

 震災の教訓は、まだ十分に生かされていない。命を守る体制が整ってきたとは言い難い。

 犠牲者の死因の8割以上は、住宅の倒壊や家具の転倒による窒息死・圧死だった。大半は建物の耐震性の低さに帰因している。

 政府は、2015年までに住宅の耐震化率90%を目指すが、約75%にとどまっている。改修のペースを2〜3倍に上げなければ、目標を達成できない。

 公立小中学校では、09年度予算での耐震工事が終わっても、震度6強の揺れで倒壊の恐れがある施設が2万5000棟に上る。

 子供たちの安全にかかわる上、地域住民の避難拠点だ。早急に改善すべきだ。だが、鳩山政権は高校授業料無償化を優先し、公立小中学校の耐震化予算を前政権に比べて6割も削減してしまった。

 大震災では、病院も被災している。スタッフの不足や負傷者の殺到、交通渋滞による転送の遅れなどが重なった。応急措置が不十分のため、助かるべき負傷者が死に至る事態を防ぐことが、災害医療の最大の目的だ。

 病院の耐震化を進めていくのはもちろん、大震災を想定した緊急時の医療体制を整えておかなければならない。

 初動の救援活動の大切さも、大震災は教えている。

 建物や家具の下敷きになって、自力で脱出できなかった被災者の多くが、近隣住民らに助け出された。消防や警察、自衛隊による救助は2割程度にとどまるとする専門家の調査もある。

 被害が甚大な場合は、消防や警察も対応しきれない。住民同士の救助体制を公的な危機管理に取り込む仕組みも必要だ。

 東海、東南海、南海、首都圏直下など巨大地震はいつ起きてもおかしくない。政府は、緊張感をもって対策に取り組んでほしい。

 折もおり、カリブ海の最貧国ハイチで大地震が発生した。

 首都が壊滅状態に陥り、多数の人々が、瓦礫(がれき)の下敷きになっている。死者は20万人に達する可能性もあるという。

 日本政府は、国際緊急援助隊の医療チームを派遣したが、阪神大震災の教訓からも、迅速な対応が肝要だ。効果的な支援に努めてもらいたい。  

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