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日米で次世代半導体 マイクロンなど20社超参加
DRAM置き換え、量産技術16年度めどに
米マイクロン・テクノロジーや東京エレクトロンなど日米の半導体関連企業20社超が、スマートフォン(スマホ)などモバイル機器の性能を大幅に高める次世代メモリーの量産技術を共同開発する。現行メモリーに比べ記憶容量を10倍に高め、電子機器の消費電力を約3分の2に減らす。2016年度に技術を確立、マイクロンは18年にも量産に入る。国際競争力の高い日本の素材・装置メーカーが結集し、次世代メモリー開発の主導権を握る。
開発するのはMRAM(磁気記録式メモリー)と呼ばれる次世代メモリー。東芝は韓国SKハイニックスと共同で開発、韓国サムスン電子も研究を進めている。日米連合は国内外の半導体関連メーカーにプロジェクトへの参加を広く呼びかけ、MRAMの基盤技術を早期に確立する。
共同開発にはエルピーダメモリを7月に買収した半導体大手のマイクロンのほか、半導体製造装置で世界3位の東京エレクトロン、半導体ウエハー首位の信越化学工業、半導体大手のルネサスエレクトロニクス、日立製作所などが参加する。各社が東北大学に研究者を派遣し、数十人で年明けから開発を本格化。同大の遠藤哲郎教授のグループが研究を主導する。
各社は使用する素材や回路の構造、工場での製造工程まで基礎技術を共有して開発ペースを速め量産を目指す。マイクロンはエルピーダの広島工場(広島県東広島市)での生産を検討する。
MRAMは電源を切ってもデータが消えず、大幅な省エネが期待できる。パソコンやスマホに使われているDRAMに比べ記憶容量と書き込み速度が10倍になり、スマホなどの動作が速くなる。1回の充電でスマホを使える時間は現在の最大数十時間から数百時間に延びる。大量の情報を保管するデータセンターでデータ処理用メモリーとしての用途も見込む。
DRAMは電子回路を微細化して記憶容量を増やしてきたが、最先端品は回路の線幅は20ナノ(ナノは10億分の1)メートル台で、これ以上狭めるのが難しくなっている。このため構造の異なる半導体の研究が進んでおり、MRAMが有力視されている。
DRAMは1970年に米インテルが実用化した代表的な半導体。日本の電機各社は80年代半ばに世界市場で合計8割のシェアを占めた。その後、韓国勢にシェアを奪われ、日立製作所、NEC、三菱電機の事業を統合したエルピーダメモリが国内唯一のメーカーとなったが、2012年に経営破綻。米マイクロンの傘下に入った。12年の世界のDRAM市場は264億ドル(約2兆6千億円)。
[日経新聞11月24日朝刊P.1]
次世代メモリー スマホ性能 飛躍的に向上
▽…半導体メモリーはパソコンやスマートフォン(スマホ)などの電子機器でデータの記録に使われる。代表的なメモリーでは作業中のデータを一時的に記録するDRAM、電源を落とした後もデータを保存するNAND型フラッシュメモリーがある。
▽…これまで半導体は回路線幅を微細化し機能を高めてきた。DRAMではエルピーダメモリを傘下に持つ米マイクロン・テクノロジーが線幅20ナノ(ナノは10億分の1)メートルの製品を開発、NANDでは東芝が19ナノ品を量産中だ。だが微細化は限界に近づいており、半導体各社は現行品に置き換わる次世代メモリーの開発を急いでいる。
▽…電子機器の電源を切ってもデータが消えないMRAM(磁気記録式メモリー)は次世代メモリーのひとつ。DRAMに代わる製品として有力視されており、スマホの性能を飛躍的に高める。次世代メモリーにはこのほか、ReRAM(抵抗変化式メモリー)とPRAM(相変化メモリー)がある。いずれも書き込み速度は速いが、ReRAMは書き換え回数に限度があり、PRAMは消費電力が比較的大きい。
[日経新聞11月24日朝刊P.3]
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