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ウェブサイトを閲読したり、検索エンジンを使うことで、利用者についてのさまざまな情報が広告主に流れるーー私たちはこのことを承知の上でネットを利用しているが、「よく分からないままに、たくさんの情報がとられているようだ」と、少々の懸念を感じる人も増えている。
特に、6月上旬のいわゆる「スノーデン事件」(元CIA職員エドワード・スノーデン氏が、米国家安全保障局=NSA=による大規模な個人情報の取得を暴露)以降、不安感を強める人が多いようだ。
こうした中、一気に投資家の注目を浴びだしたのが、ブラウザーのプラグインとして使えるシェアウエアを提供する、米Disconnect(ディスコネクト、「切断」の意味)という名前のスタートアップ企業だ。
米フォーブス誌の最新号に、このソフトを試したジャーナリストの記事が載っている。
Disconnectをダウンロードすると、検索バーの中に、緑色の「D」という文字が出て、ウェブサイトが利用者の個人情報の取得をリクエストする数が出る。Disconnectはこうしたリクエストをブロックしてくれるのだ。
ジャーナリストが2週間使ってみたところ、サイトを閲読する度に何件ものリクエストが出るので、スノーデン氏が言ったように、インターネットは「あなたを監視するテレビだ」ということを実感したという。
100万人のユーザーを持つDisconnectのウェブサイトには「欲しくないトラッキングはクールじゃない」という文章が出ている。
―米FTCが「追跡しない」というオプションを依頼
個人情報はいまや貴重な売り物になっている。
米連邦取引委員会(FTC)は、ブラウザー企業、消費者保護団体、広告主に対し、ネットの利用者に「追跡しないで」(Do Not Track)ツールを使う選択肢を与えるよう求めているが、フォーブスの記事によれば、こうしたツールがどこまでをカバーするべきかについて、関係者間で意見がまとまっていないという。
プライバシー保護ツールに注目が集まる中、同様のサービスを提供する企業も続々と出ている。
記事の中で紹介されているのは、撮影した写真を一定の時間の後にネット上から削除するSnapchat, 個人のデータを外部に流れないように保管するPersonal.com、個人情報を暗号化するIPredator、専用のスマートフォンを使って電話、テキスト、電子メールなどを暗号化するSilent Circleなど。
Disconnectでは、子供用のアプリを開発中だ。開発者は、スノーデン事件で悪名がついた米NSAに勤めていた人物だ。
Disconnectの創業者の一人、ブライアン・ケニッシュ氏はかつて、ネット広告配信ツールの会社ダブルクリックで働いていた。個人情報を利用する側にいたわけである。また、グーグルでも働き、クローム拡張業務を担当した。
ケニッシュ氏が懸念を持つようになったのは2010年だという。誰がフェイスブックの広告をクリックしたのかというデータをフェイスブック側が外部に流出してしまったのだ。
そこで、ケニッシュ氏はフェイスブックに追跡されないようなコードを30分で作り、これを「フェイスブック・ディスコネクト」と名づけた。オンライン上で無料で配布したところ、2週間で5万人がダウンロードしたという。
スノーデン事件を機に、ケニッシュ氏ともう一人の創業者ケーシー・オッペンハイム氏は、Disconnectをさらに大きくしようと、投資家に資金を募る予定だ。
―「利用者に発言権を持たせたい」
ある投資家の一人は、「利用者がネットに残す足跡をすべて保存する必要ないと思う。これまでは、人は自分からはプライバシー管理について行動を起こさなかったが、今は違う」。
一方、トラッキングをブロックし続ければ、デジタル広告市場に大きな影響が出ると指摘する人もいる。
インターアクティブ・アドバタイジング・ビューローのマイク・ザニス氏は、「ウェブサイトに行って、広告を見るという行為はトレードオフ(交換)なのだと思う。もし広告をブロックしてしまえば、コンテンツを作っている人が飢え死にする」。
ケニッシュ氏は広告のブロック自体が目的ではないという。それでも、「最近は広告の中に情報取得のリクエストが組み込まれていることが多いので、リクエスト全体をブロックせざるを得ない」。
目指すのは「ウェブサイトと利用者、最終的には広告主との間に、会話の場を作る」こと。「どんなデータを取られているかについて、サイト利用者に発言権があるようにしたい」。
http://ukmedia.exblog.jp/20569353/
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