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IT化で進化した「学術論文」とこれからの図書館の考え方
http://www.asyura2.com/09/it11/msg/792.html
投稿者 矢津陌生 日時 2012 年 12 月 20 日 09:51:20: fqfGCq6zf5Uas
 

IT化で実現した「学術論文」の電子ジャーナルの使い方が先行するひとつの例として大いに参考になると思う。学術論文の世界は紙の論文の形式のまま電子化に移行した。紙の上での査読という手続きを踏まえた上で、電子データを提供する。電子ジャーナルを利用する研究者は電子ディスプレイを直接読むことは少ない。自分に必要な部分をプリントした紙の上に線を引いたり綴じたりして、情報や知識をそこから吸収する。「検索」には電子を使い、「理解」するためには紙を利用する。必要に応じて検索し、プリントして紙で読むことを使いわけている。 多種多様な内容のものを世に送り出すのが出版の役割、今までのような大量複製(印刷)である必要はない。電子化はメディアとして計り知れない可能性がある。現実に多くの事が変わろうとしている。いいものをどう拡散していくかの方法の確立が大事になる。学術書出版とか専門書出版は紙と電子の併用でITによってその機能が進歩した。電子化によって学術出版やの専門書の価値を高めることができる。

文字情報の宝庫である図書館はデジタル化に伴う変化にどう対応すればよいのかは大きなテーマである。今もいろんな方策が議論されている。印刷された本は財産として分かりやすいが、無形である著作権や特許権に財産を認めようとすると、範囲を決める必要がある。特許はその及ぼす範囲を詳細に書く、著作物はその範囲を別に決める。著作権も特許も期限がある。時間が経てば自由に使える。

図書館で印刷された本を借りると「期間限定」で本を無料で読める。電子書籍(デジタル本)は期間限定の「アクセス権」ととらえることができる。有料にするのか無料にするかは、実行可能なサービスを考慮して、図書館が決めればいいのではないだろうか。

図書館では在宅で本が読める完全デジタル化の一方、図書館に来てもらうためのデジタル化も必要である。図書館の中では印刷された本を読める一方、ネットを駆使して大量の情報が利用できるような施設である。図書館の中から自宅からではつなぐことのできないネットワークを使って情報収集ができるとすれば大きな魅力となる。図書館で具体的な方法を学ぶ教育の場とすることもできる。

もうひとつの図書館の活用方法として、地域の図書館では、地域の歴史を徹底して保存し、提供できるようにするといいシステムができると思う。その地域に伝えられた風俗や文化を歴史として保存し、伝えるのが、地域図書館の大切な役割として存続可能ではないだろうか。デジタル化の方向を突き進むのとは別の視点から、地域図書館の価値を考えなければならない。地域の風俗や文化の歴史を、地域の人に限らず、よその地域(外国も含む)にどのように伝えるか、その資料の保存庫としてのメニューの見せ方が非常に大切になる。


 

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コメント
 
01. 2012年12月21日 00:27:11 : MejwtAhmbw
いっちゃー悪いが、それはそれなりの大企業や大学の先生の話だろ?普通の人は学術書類をネットでダウンロードできはせん。あまり調子こくと誤るぞ。また、ダウンロードに1本30ドル以上もすることを知っているのか?だれが支払うんだ?まさか自分が読む論文代金も嫁もしない一般国民に支払わせるのじゃないだろうな?

02. 矢津陌生 2012年12月22日 09:20:10 : fqfGCq6zf5Uas : 0oc9s4NXxA
何か勘違いされているのではないでしょうか?
別に学術書類や論文を読みましょうとか言っているわけではないのです。
自分が興味のあることを自分で検索して探しだし、必要に応じて、紙に印刷するなりデジタルデータを整理するなり、工夫して自分の知識を深めやすいのではないかと提言しているのです。有料なのはそれなりの価値があるから払うのであって、自分役に立たないものは誰も払いません。その見極めをするのにも情報を取って自分で考えましょうと言っているのですが…

03. 2012年12月22日 18:18:02 : gxWO3wIE5k
検索システムが必要と言うこと自体が、まだまだシステムが未熟であることの証明でもある。
紙に打ち出さないと整理できないとか、マーカーが入れられないとか、これもシステムの未熟さの証明である。
IT技術の進化には、まだまだたくさんやる余地が有り、それを解決するものが、たとえば第二のgoogleやyahooの様な企業を設立するのである。
情報の洪水におぼれるなど、もってのほか、必要な情報が勝手にぞろぞろ出てくるのが本来の姿である。



04. 矢津陌生 2012年12月23日 09:10:17 : fqfGCq6zf5Uas : 0oc9s4NXxA
他人任せで、待っていても何も来ないし、何もできない。物事を認識するために五感を総動員することが思考深める。人が能動的に活動(試行錯誤)することでしかシステムは確立しないし、改善されない。「必要な情報が勝手にぞろぞろ出てくる」という考え方は本末転倒だと思います。

05. 2012年12月23日 10:25:27 : MejwtAhmbw
あのね、IT文書で仕事ができるのは、消費者やデモなど商業の話。クリエーターは実際に広い場所に紙の文書(本やレポートや論文)を広げてあれこれ並列に仕事を進めないと、本物の創作はできない。同じ画面で本当の仕事はできない。科学者も文芸家も同じだと思うが。画面で色付けようがそんなことは資料収集の最後の段階の話だよ。あんたらは本当に創作した経験があるのか?まったく分かっていないように見えるが。

06. 2012年12月23日 23:42:15 : L4wGJx6ru6
並列に物事を進めないとダメということは、最初から分かっており、今のシステムは理想から程遠い。アップルがレチナディスプレイを出し、4Kモニターが必要なのも、もっと多くの画面を表示しないといけないという隠された意味がある。ただのカタログスペック競争のためではない。また、バックエンドのデータベースもリレーショナルデータベースの様な平面的なものでなく、多次元の有機的に結びついた複数のデータベースになる必要がある。

07. 2012年12月24日 12:44:51 : hfmK4PAH76
>>06
人間の認識能力を鑑みれば、これ以上ハードが進化しても無駄です。

08. 矢津陌生 2012年12月25日 11:59:35 : fqfGCq6zf5Uas : GlxJVggAm6
>>06 さん
クリエーターにとってITは道具であり、クリエーターの代わりにITが創作するわけではない。ITはその言葉のとおり、情報技術(Information Technology)であって情報を集める手段だけなのである。創造するのは人間の個人個人の精神活動でしかない。使い方によっては凄い武器になると言っているだけ。創造して物を評価するのも人間なのだから。
何か勘違いしてませんか?

09. 2013年1月07日 10:06:06 : IOzibbQO0w

じきに「理解」するためには紙を必要とする時代も終わるだろう

そして地域図書館の価値は低下し続け、中核都市を除き、多くは消えていくだろう

適切な課金システムを開発できなければ、一つの産業集積が消えるだけでなく、情報生産自体の劣化が進む可能性もある


10. 2013年2月01日 22:29:00 : yWJRFD9wyQ
学術論文だけの議論にしぼると、大学や研究施設と無関係の人でも、最先端の論文を読めるようになったのは事実です。一部の論文は有料ですが,要旨は無料ですので,それを読んで全文ほしいと思えばだいたいは1000円以内で手に入ります。
ですから、非専門家でも、その気になれば第一線の専門家と対等な立場に立てます。
なお、IT化について専門領域にもよりますが、現時点ではディスプレーだけでなく、やはり紙にして重要な所に印を付けたりファイリングをしてる人が多数派でしょう。
矢津陌生さんの論旨は、学術関係に関してはその通りだと思います。

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