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IT化で実現した「学術論文」の電子ジャーナルの使い方が先行するひとつの例として大いに参考になると思う。学術論文の世界は紙の論文の形式のまま電子化に移行した。紙の上での査読という手続きを踏まえた上で、電子データを提供する。電子ジャーナルを利用する研究者は電子ディスプレイを直接読むことは少ない。自分に必要な部分をプリントした紙の上に線を引いたり綴じたりして、情報や知識をそこから吸収する。「検索」には電子を使い、「理解」するためには紙を利用する。必要に応じて検索し、プリントして紙で読むことを使いわけている。 多種多様な内容のものを世に送り出すのが出版の役割、今までのような大量複製(印刷)である必要はない。電子化はメディアとして計り知れない可能性がある。現実に多くの事が変わろうとしている。いいものをどう拡散していくかの方法の確立が大事になる。学術書出版とか専門書出版は紙と電子の併用でITによってその機能が進歩した。電子化によって学術出版やの専門書の価値を高めることができる。
文字情報の宝庫である図書館はデジタル化に伴う変化にどう対応すればよいのかは大きなテーマである。今もいろんな方策が議論されている。印刷された本は財産として分かりやすいが、無形である著作権や特許権に財産を認めようとすると、範囲を決める必要がある。特許はその及ぼす範囲を詳細に書く、著作物はその範囲を別に決める。著作権も特許も期限がある。時間が経てば自由に使える。
図書館で印刷された本を借りると「期間限定」で本を無料で読める。電子書籍(デジタル本)は期間限定の「アクセス権」ととらえることができる。有料にするのか無料にするかは、実行可能なサービスを考慮して、図書館が決めればいいのではないだろうか。
図書館では在宅で本が読める完全デジタル化の一方、図書館に来てもらうためのデジタル化も必要である。図書館の中では印刷された本を読める一方、ネットを駆使して大量の情報が利用できるような施設である。図書館の中から自宅からではつなぐことのできないネットワークを使って情報収集ができるとすれば大きな魅力となる。図書館で具体的な方法を学ぶ教育の場とすることもできる。
もうひとつの図書館の活用方法として、地域の図書館では、地域の歴史を徹底して保存し、提供できるようにするといいシステムができると思う。その地域に伝えられた風俗や文化を歴史として保存し、伝えるのが、地域図書館の大切な役割として存続可能ではないだろうか。デジタル化の方向を突き進むのとは別の視点から、地域図書館の価値を考えなければならない。地域の風俗や文化の歴史を、地域の人に限らず、よその地域(外国も含む)にどのように伝えるか、その資料の保存庫としてのメニューの見せ方が非常に大切になる。
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