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技術の進歩は多くの事物を変革してしまう。新しい技術をうまく使うことができれば、多くの利便性を享受できる。ここ30年の最大の技術革新はIT化であろう。産業全般に影響を及ぼし、人々の生活スタイルまで大きく変えつつある。印刷・出版・言論の世界では大きなうねりになろうとしている。ほんの30年前まで大活躍をしていた印刷機群はそれほどの数を必要としくなりつつある。大量の複製を得意とした印刷は、パソコンによる個別のプリントアウトに蚕食されている。
端的な例を挙げると、年賀状の印刷である。20年ほど前まで年賀状の印刷は印刷会社の大きな収入源の一角を占めていた。郵便局で売っている年賀状自体は以前と同様に大型の印刷機で大量に印刷するが、個人単位での年賀状の印刷はほとんどパソコンを使って印刷されるようになり、プロの印刷機を必要としなくなった。コピー機までもがパソコンのプリンターとしての機能を果たす、ファックスまでも取り込む複合機となってきている。
10年ほど前、情報はパソコンのディスプレイで見るから、紙は要らなくなると盛んに喧伝されたが、実際には紙の使用量は決して減っていない。紙と電子は対立ではなくうまく併用されるようになった。紙に印刷して読むか、ディスプレイの情報だけで用が足りるのかは、使う人が決めればいい。情報の供給側は紙と電子の両方に簡単に対応できる。対立ではなく、対比して便利な方を使えばよい。使う人は、IT化をビジネスにしようとする人たちの煽りに乗らなければいい。
紙媒体と電子媒体の優劣は個人の見方で変わる。慣れにもよるであろうし、技術の進歩も優劣を判断する大きな要因となる。記憶定着、読みやすさ、扱いやすさ、脳の活性化、思索の誘発、費用、手触り感などの要素は、個人の好みによるところが大きい。自分自身の頭で考えればどちらが便利かを決めることはさほど難しくない。
紙が電子に比べ優位と思われるのは、紙に対する親しみ、ディスプレイやビューアが不要ということ。電子が紙より優れている部分は、検索の速さ、伝達の速さ、省スペース(物理的容積にほとんど影響をうけないで保存できる情報量の多さ)、新鮮度、情報の再利用(文章・資料作成で簡単に編集できること)、文字の拡大・縮小、時空の隔たりの影響をほとんど受けない。便利な道具には違いないので、使えるところからどんどん使えばよい。
出版・発行・発信の視点からの電子媒体を使う最大の優位点は、情報を発信する時のハードルの低さである。物理的な在庫場所や返品の手続きもほとんど必要ない。配送はネットで即時ダウンロードも可能。プリントアウト(印刷)すれば紙でも読める。ただし、従来の物品の販売でないため、売買の方法を新しく確立しなければならない。データは簡単に流通できるので、社会の仕組みの中でルール決めなければならない面倒さはある。
しかし個人単位で考えれば、これほど便利にいろいろなことが調べられるのは驚異的である。英語などの外国語が使えるならば、ほとんど国境なしに多くのことを調べることができる。語学にそれほど自信がなくても翻訳ソフトがあり、要領さえ分かればかなりのことまで調べることができる。
矢津陌生ブログ http://yazumichio.blog.fc2.com/blog-entry-266.html より転載
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