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Windows 8、タブレット次第
2012年10月29日(月) 戸川 尚樹 、 宇賀神 宰司
パソコン各社が「Windows 8」搭載タブレットを相次いで発表。マイクロソフトにパスされた携帯電話とは好対照だ。米アップルを蹴散らし、パソコン各社の救世主となれるのか。
「これまでにないほどの大型投資でマーケティング活動を展開し、全社を挙げて市場を爆発させる。日本全体の年末商戦を活性化させたい」
日本MSの樋口泰行社長(右から2人目)は「8」普及に尽力
日本マイクロソフト(MS)の樋口泰行社長はこう意気込み、普及を狙うのが新OS(基本ソフト)の「Windows 8」だ。10月26日の発売に先立ち、日本ヒューレット・パッカード(HP)、レノボ・ジャパン、富士通、NECが開催したパソコン新製品の発表会をはしごした樋口社長は、いつにも増して強い口調で、Windows 8を売り込んだ。
Windows 8の最大の特徴はタッチ操作に対応し、PC(パソコン)としてもタブレットとしても使える点。超薄型ノートPCの「ウルトラブック」やデスクトップ、キーボードが着脱可能でタブレットとしても利用できるハイブリッド型ノートPC、そしてタブレットまで、メーカー各社が投入する新機種も様々だ。
だが、冷え込む国内PC市場を拡大させる起爆剤になるかどうかは未知数。調査会社のIDC Japanによると、日本のPC市場は、2012年の1兆6707億円から、2013年は1兆5183億円に縮小すると予測。同調査では台数ベースでも、2012年の約1630万台から2013年は約1620万台に減少すると見込む。
パソコン各社も歯切れが悪い。「今期の(パソコン出荷台数目標)700万台よりは増やしたいが、まだ来期の販売目標は言えない」と富士通の大谷信雄・執行役員常務は慎重だ。HPやレノボ、NECも明言を避ける。
「Windows 8に期待されているのはPCではなく、成長が見込めるタブレット」。IDC Japanの片山雅弘アナリストはこう指摘する。IDCの予測では、国内のタブレット市場は2012年が約415万台、2013年が約556万台に増える。MSも、海外市場では自ら独自タブレット「サーフェス」を販売するほどの力の入れようだ。
仮にPCで苦戦したとしても、その穴を成長株のタブレットで埋めれば問題はない。だがタブレット市場には、先行する米アップルの「iPad」や米グーグルの「Nexus 7」といった強敵が既に存在する。
得意の「法人向け」がカギ
こうした現状で各社が期待をかけるのは法人向け需要。日本HPは一般消費者向けのWindows 8搭載タブレットの販売は見送って法人向けに注力する。日本HPは「iPadではなく、Windows 8タブレットを待っている企業ユーザーは多い」(岡隆史副社長)とし、Windows 8タブレットで年間数十万台の販売目標を立てていると見られる。
国内企業のほとんどが、業務に使うWindows PC向けに運用管理やセキュリティーのシステムを整備済みだ。既存システムに手を加えずに、社内の機密データに社外から安全にアクセスできるというのが、Windows 8タブレットの売り。「プレゼンテーション用にはiPadがよくても、業務用途にはWindowsが最適」というのがMS陣営の主張だ。
ただし法人向けに限定しても課題は残る。2万円を切るNexus 7に代表されるように、タブレット市場には低価格化の波が押し寄せる。約7万〜10万円という価格のWindows 8タブレットがどこまで対抗できるか。前途は楽観できない。
宇賀神 宰司(うがじん・さいじ)
日経ビジネス記者。1993年に日経BP社に入社し、パソコン専門誌「日経MAC」「日経クリック」「日経WinPC」の編集を担当する。2002年〜2004年、米ニューヨークに留学。帰国後、中小企業のためのIT化情報サイト「SMB+IT」「日経ベンチャー(現・日経トップリーダー)」の編集を経て、2007年から「日経ビジネス」編集部。流通、中小ベンチャー、マネジメント、IT(情報技術)を担当する。2011年、約4カ月にわたりケニアの首都ナイロビに滞在。趣味はサーフィン、スノーボードとサンバ楽器演奏。
戸川 尚樹(とがわ・なおき)
日経ビジネス記者(電機・ITグル―プのキャップ)。1996年に日経BP社入社後、12年間、日経コンピュータに在籍。2006年から2009年まで、日経ソリューションビジネス(休刊)、09年から日経コンピュータ副編集長。2011年1月より現職。趣味はゴルフ、スキー、ドライブ。人に会うとたいてい1度で覚えてもらえる、という“特技”を持つ。IT担当だが、デジタル機器の操作・設定は苦手。夏は地元に帰省したくなる札幌生まれ。B型乙女座
時事深層
“ここさえ読めば毎週のニュースの本質がわかる”―ニュース連動の解説記事。日経ビジネス編集部が、景気、業界再編の動きから最新マーケティング動向やヒット商品まで幅広くウォッチ。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20121025/238578/?ST=print
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アップルは期待に応えられるのか?
新製品攻勢の10〜12月期に注目集まる
2012年10月29日(Mon) 小久保 重信
アップルが発表した7〜9月期の利益は予想を下回った〔AFPBB News〕
アップルが先週発表した7〜9月期の決算は、売上高が市場予想を上回ったものの、利益は予想に届かなかった。
またアイフォーン(iPhone)の販売台数は市場予想を超えたが、アイパッド(iPad)やパソコンのマッキントッシュ(Mac)、そして粗利益率はいずれも予想を下回り、アップルの成長を見極めたかった投資家には腑に落ちない内容だった。
アップルはこの決算発表の2日前に、アイパッドの小型モデルなど合計5つの新製品を発表しており、これらを年末商戦に向けて一斉に発売する。
こうしたことから投資家やアナリストの関心は次ぎの10〜12月期決算に注がれており、アップルの経営陣に対するプレッシャーも強まっている。
iPadは買い控えで予想に届かず
7〜9月期のアイフォーンの販売台数は、1年前から58%増の2691万台だった。これは好調に見えるのだが、新製品発売前の減速期であった4〜6月期の2603万台からわずかに増えたという程度。
アップルは9月21日に新モデル「アイフォーン5」を発売しており、7〜9月期の決算ではこれがわずか9日分しか反映されなかった。
アイパッドは同26%増の1404万台で、市場予想の1650万〜1760万台を下回ったほか、4〜6月期の1704万台からも大きく落ち込んだ。アイパッド・ミニの発表は10月23日だったが、7〜9月の時点ですでに噂が広まっており、消費者が買い控えたと見られている。
さらにアップルは先週、アイパッドの第4世代モデル、ノートパソコン「MacBook Pro」、デスクトップパソコン「iMac」「Mac mini」の新モデルを発表している。
アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)によれば、このように数多くの製品を一斉に市場投入するのは同社の歴史で初めて。こうした前例のない新製品攻勢が10〜12月期の決算にどう反映されるのか、投資家やアナリストが注目しているというわけだ。
投資家の懸念はAndroidの隆盛と粗利益率
そうした中、米ウォール・ストリート・ジャーナルは投資家やアナリストがアップルに対して2つの疑問を抱いていると伝えている。
米ニューヨークで「ウィンドウズ8」を発表するマイクロソフトのスティーブ・バルマーCEO〔AFPBB News〕
1つは粗利益率。7〜9月期の粗利益率は40%で、1年前の40.3%、市場予想の40.6%をともに下回った。
同紙によると、フルサイズのアイパッドやアイポッドタッチ(iPod touch)の粗利益率はおよそ30%。しかしアイパッド・ミニはこれを大きく下回る24%。今後のミニの拡販がアップル全体の粗利益率にどう影響するのか投資家は懸念しているという。
もう1つは米グーグルのモバイル基本ソフト「アンドロイド(Android)」端末の勢いだ。
市場調査会社の米ストラテジー・アナリティックスが同日公表したデータによると、7〜9月期におけるアンドロイド搭載タブレットの出荷台数は1020万台で1年前から2倍に増えた。これに対しアイパッドは前述のとおり26%増の1400万台。
これに伴ってアンドロイドタブレットの市場シェアは1年前の29.2%から41.3%に増えた。一方アイパッドのシェアは64.5%から56.7%に低下している。
もちろんこれは7〜9月期のデータであるため、ミニや第4世代アイパッドは含まれていない。今回の新モデルの登場で、今後市場シェアがどう変化するのか、アナリストらが注視している。
クック氏、MSをあからさまに批判
なお米マイクロソフト(MS)が同日米国などで発売した、ウィンドウズ8搭載のキーボード付きタブレットコンピュータ「サーフェス(Surface)」について、アップルのクックCEOは決算発表の会見で強気な発言をしている。同氏によるとサーフェスは「極めて中途半端な、混乱を来す製品」。
「空を飛んだり、浮いたりする自動車を設計することはできるが、そのすべてが完璧に機能するとは思わない」と、タブレットでありながらノートパソコンのようにも使える、あるいはその逆のモデルもあるサーフェスをあからさまに批判。同社の目的を絞った製品作りが顧客に受けていると、自信を見せた。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/36409
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