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私的違法ダウンロード刑罰化法案の狙いはネット統制
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2012-06-17 陽光堂主人の読書日記
15日にオウム真理教元信者高橋克也が逮捕され、マスコミを賑わせましたが、自公民による修正協議が大詰めを迎える中、狙いすましたような逮捕劇は明らかに計画的でした。
高橋は、警察に所在を掴まれてから10日余り逃げ回っていましたが、逮捕されたのはマンガ喫茶で、今月4日まで潜伏していた川崎市の建設会社の社員寮から北に4キロしか離れていませんでした。直ぐ近くにいたわけで、あれだけ監視カメラで追跡されていながら、通報によって所在が判ったのですから間抜けな話です。
警察は盗難自転車を簡単に見付けたりしますから、捜査能力は決して低くありません。上層部は、監視カメラや通報などで所在を掴んでいながら、高橋逮捕のタイミングを計っていたのでしょう。川崎市の建設会社に勤務していることも、以前から知っていた可能性があります。
予め官邸筋から、15日に逮捕するように指示されていたと思われます。この日は修正協議が大詰めを迎える日ですが、捜査機関にとって重要な法案が衆院で可決されています。警察が計画的逮捕に協力する理由は充分にありました。
この日午前、衆議院の文部科学委員会で著作権法の改正案について審議・採決が行われ、“リッピング違法化”などを盛り込んだ政府案が全会一致で可決しています。併せて、自民・公明の両党から“私的違法ダウンロード刑罰化”を追加する修正案が採決直前で提出され、これも賛成多数で可決されています。
更に法案は同日午後、衆議院本会議に上程され、修正案を含めて賛成多数で可決され、参院に送られることになりました。何とも手回しのよいことです。
政府案の“リッピング違法化”は、コピーガードを施されたDVDなどの複製を禁ずるもので、複製プログラム・装置を提供した者には刑事罰が課されることになりました。複製自体も私的使用目的の複製の範囲外とされましたが、刑事罰はありません。著作権保護のためですが、レンタルショップには打撃となります。
しかし、自公が強引に押し込んだ“私的違法ダウンロード刑罰化”法案に較べれば、未だ許容範囲で、可愛いものです。“私的違法ダウンロード刑罰化”法案は、ダウンロード自体を違法とするもので、これは無茶苦茶です。違反した場合は、2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金、またはこれを併科するとされています。
対象は著作権のある音楽などのコンテンツですが、著作権を犯しているかどうか利用者には判りませんから、刑罰の対象が際限なく広げられる可能性があります。メールなどでファイルが送られて来て、開いたらダウンロードしてしまったということも有り得るわけで、ネット利用自体が不可能となる恐れすらあります。
処罰の対象となるのは故意に違法ダウンロードが行われた場合で、著作権で保護されるべき正規配信コンテンツであることを示す「エルマーク」なとの表示により、違法かどうか利用者が判断できるようにするとのことですが、画面サイズの小さいスマートフォンなどでは気付かない可能性もあり、トラブルの多発が予測されます。
また、検閲やプライバシーの侵害に繋がるという懸念に対しては、個人のPCを押収したり、ISPからアクセスログを押収するには従来通り裁判官の令状が必要なため、いきなり捜査官が個人宅に入ったり、無制限にインターネットに介入することはないと説明されています。
一般の人が違法ダウンロードをしても、取締りの対象になることは殆どないでしょうが、国策捜査の口実としてはこれほど使いやすい法律はありません。権力者とって不都合な人物や組織にファイルを送りつけて、違法ダウンロード疑惑を生じさせれば、パソコン等を押収して圧力をかけることができます。
自公による“私的違法ダウンロード刑罰化”法案は、公明党の池坊保子議員が趣旨と概要を説明したのみで討論は簡単に打ち切られ、直ぐに採決されています。“リッピング違法化”などの政府案を審議採決する際に、無理やり押し込んで可決させており、やましい動機があるが故の行動としか思えません。
小沢氏の裁判の過程で、検察の捜査報告書がロシア経由でネットで公開され、当局に打撃を与えました。この時はファイルのダウンロードという形で情報提供がなされましたから、この出来事が今回の法案提出を急がせる一因となったようです。
自民党は以前から私的違法ダウンロード刑罰化を企図しており、同党の河村建夫衆議院議員は昨年12月、「音楽等の私的違法ダウンロードの防止に関する法律案」の共同提出に向け、自公が党内手続きを完了したことを自身のホームページで報告しています。民主党より、自公の方が法案成立に熱心なのです。
権力者たちは、国民生活を監視すべく次々と手を打っています。マスコミをコントロールして国民を瞞着しようとしても、最近はネットで真実がバラされてしまいますから、これを監視下に置こうとしているのです。これでは中国や北朝鮮などと変わりません。系統が同じだから、やり方も共通したものになるのでしょう。
ダウンロードが違法になれば、特に若者には迷惑な話で、音楽などのコンテンツ産業は余計に斜陽化するでしょう。ネットで多様なコンテンツに接することができなければ、アーティストの存在を知ることは出来ませんから、こんな法案が通れば自分の首を絞めることになります。何故こんなことが分からないのでしょうか?
米国でも違法ダウンロードは問題視されていて、何とかしようとしましたが、著作権を過剰に主張せずに売上増加に繋げることにしました。ネットでのダウンロードは、逆に宣伝なると判断したのです。我国は逆方向に進むようで、こんなところにも日本企業の衰退振りが表れています。政府権力が業界を押さえ込んでしまったのかも知れませんが…。
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