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スライド式ロック解除、アップル訴訟の争点に
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投稿者 MR 日時 2012 年 4 月 16 日 21:29:16: cT5Wxjlo3Xe3.
 

スライド式ロック解除、アップル訴訟の争点に
2012年 4月 16日 21:16 JST

 アップルのスマートフォン(多機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)」の購入者は、「スライド・トゥー・アンロック(slide to unlock)」機能にほとんど注意を払わないかもしれない。ところが、現在のアップルの特許訴訟リストを一瞥すれば、無関心ではいられなくなる。

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Joe Schram/The Wall Street Journal
 アップルは、この「スライド・トゥー・アンロック」機能――指を画面にスライドさせ、待ち受け状態から作動させる技術について、主に2つの特許を取得している。そして今、アップルは、その特許を刀のごとく、ライバルに振りかざしている。

 ここ数カ月で、アップルはこうした特許をめぐり、米デラウェアとドイツの裁判所に台湾の電子機器メーカー、HTCを提訴した。アップルはまた、それらの特許を、モトローラ・モビリティ・ホールディングスからの提訴に対する反撃に使ったほか、オーストラリア、オランダ、カリフォルニア州サンノゼでのサムスンとの裁判にも利用している。

業界の衝突
 世界市場規模が2000億ドルを超えるスマートフォン業界の競争がし烈を極めるなかで、アップルとライバル企業は、どんなに小さな特徴でもライバルより優位を保つには極めて重要であると主張する。

 彼らは、訴訟合戦を繰り広げ、競合他社の製品を阻む権利があると互いに譲らない。

 彼らの目的とは、ライバルに特許を使わせないか、ライセンス契約を結ばせるかの選択を迫るような特許を見つけることだ。

 「スライド・トゥー・アンロック」機能は、どう見てもスマートフォンの中核技術とは言えないものの、そうした重要な特許のひとつではある。同機能をめぐる過去の経緯は、現在のバトルがどのように繰り広げられているかを示している。

 約5年前、コンピューター業界と携帯電話業界は衝突した。技術進歩により、電話がeメールやネット接続など機能一式を備えた「ミニコンピューター」へと変貌を遂げたからだ。

 この市場の参入機会を窺い、チャンスをものにしようとしたのはあらゆる業界だ。電話業界からはノキアやモトローラ、コンピューターのハードメーカーからはアップル、ソフトウエアではグーグルとマイクロソフト。エレクトロニクスの韓国サムスンなども加わった。

 各企業は、大規模なマーケティング戦略を行い、集客に努め、最初から激しい火花を散らした。

不満の醸成
 ところが、その背後では、知的所有権をめぐるもうひとつの戦いが起ころうとしていた。ほぼ一夜にして、全関係企業から不満が聞かれるようになった。たとえば、従来の電話機メーカーは、自分達が長年保持してきたデータ送信設計の権利をアップルが濫用していると主張。一方、アップルは、他社にデザインを奪われたと文句を言った。

 過去2年間、あらゆる法律上の争いが噴出した。デジタル画像の保存方法、カメラの設計、Wi-Fi技術。また、おなじみのeメールやカレンダーなどのソフトのアプリケーションから、消費者がほとんど気づかない二次的機能まで様々だ。

 アップルには危険が増している。iPhoneは不動の人気を誇るものの、アップルの市場シェアは、グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」を搭載する携帯電話の脅威にさらされている。

 こうしたなかでアップル側の焦りは強い。アップル幹部は、どうみてもライバルにデザインを盗まれている、との思いを一層強くしている。アップルの共同設立者、故スティーブ・ジョブズ氏は、公式な伝記本のなかで、模倣と闘うために、「spend every penny(金をすべてかける)」姿勢を示した。

 アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)も昨年10月、投資家に対し、アップルは、「素晴らしいイノベーションに多大な時間と資金、資源を投じていく。それを他人に横取りされるのは気にいらない」と話した。

「回避策」効果
 アップルは、そうした相手に対し、法的手段を取る、あるいは訴訟に持ち込むと警告し、特許侵害を避けるための「回避策」を講ずるよう促した。「回避策」は、時間がかかり、場合によってはコストもかかる。

 しかし、アップルは、ライバル製品を市場から追い出せなかった。

 一方、数社のライバルは、アップルに特許を侵害されたとして反撃に出た。

 その対立の要となるのが、「スライド・トゥー・アンロック」だ。話は、アップルがタッチスクリーン製品を発表する1年以上前の2005年の終わりに遡る。

 当時は、初代iPhoneが製作過程にあった。現在、シニア・バイスプレジデントを務めるスコット・フォーストール氏など、アップルのソフトウエアのエンジニア達は、ポケットから出したり、かばんの中で動くうちに電話がかかったり携帯メールが送られたりする誤作動を防止する機能の必要性を感じていた。

 アップルのエンジニアは、「スライド・トゥー・アンロック」がユーザーのiPhoneに対する最初の印象を決めることから、重要な特徴だと考えていた、とある関係者は明かす。この人物によると、開発チームは、押すスピードから別な動きまで、試行錯誤を繰り返したという。

 2005年のクリスマスの2日前、アップルは、楕円や円の図表が描かれた特許の申請書を米国特許商標局(USPTO)に提出した。

 この図表は、現在のiPhoneモデルに使われているデザインの原型だ。それは、縁の丸い白い長方形。タッチして右に「解除」までスライドさせると、ホーム画面が現れる。

一斉攻撃の開始
 USPTOがアップルにその特許を交付したのは4年後、つまり2010年初めだった。同年3月アップルは、「スライド・トゥー・アンロック」とその他の特徴に関する特許を侵害したとして、台湾HTCをデラウェア州連邦地裁に提訴した。

 関係筋によれば、アイコンの配列方法など、HTCによるiPhoneのインターフェース模倣は一目瞭然なため、アップルは、この訴訟が幸先の良いスタートになると予想していた。

 HTCの広報担当者はコメントを拒否している。

 数カ月後、アップルは、モトローラがアップルに訴訟を起こしていたフロリダ州で同社を提訴。12のモトローラ製品がアップルの「スライド・トゥー・アンロック」の特許侵害にあたると主張した。

 数多くのモトローラ製品で使われた「スライド・トゥー・アンロック」は、色々な点でアップルのそれに似ている。ユーザーは、画面下で指を左から右にスライドさせることにより、携帯電話を作動させる。しかし、スライド動作の視覚表示に多少の違いがある。

 アップルユーザーの目に映るのは、画面を横切る白の長方形だが、モトローラの場合は、指をスライドさせると、画面を横切るバーが伸びる。モトローラは、これを根拠に同社のいわゆる「stretch to unlock(ストレッチ・トゥー・アンロック)」はアップルの特許を侵害していない、と主張する。

サムスンの「サークル」
 しかしながら、「スライド・トゥー・アンロック」について、アップルに独自の挑戦を仕掛けたのがサムスンだ。アップルが特許取得を待つ間、サムスンは、画面上のサークル(円)の中央をタッチし、指をそのサークルから外にスライドさせてスタートさせる製品を発表した。

 サムスンのデザインは「スライド・トゥー・アンロック」と異なっていたが、アップル幹部の目にはそう映らなかった。事情に詳しい関係者によると、アップルは2009年、USPTOに対し、「スライド・トゥー・アンロック」の特許をさらに広い類似の範囲にまで拡大するよう求めた。

 アップルは昨年10月、そうした特許を取得。今年2月に「スライド・トゥー・アンロック」を含む一連の特許侵害でサムスンをサンノゼ連邦地裁に訴えた。

伏兵現る
 今年初め、すべての関係企業が驚く展開が待ち受けていた。無名のスウェーデンのタッチスクリーンメーカー、ネオノード社が、「スライド・トゥー・アンロック」に似た特許を取得済みであると公表したのだ。同社の技術は、携帯端末ユーザーが、指で画面をスライドさせることでアプリケーションの切り換えを可能にするものだった。

 ネオノード社は携帯電話を開発していたが、2008年に倒産。同社はこのメカニズムを自社の携帯電話に使用していた。

 ネオノード社はコメントを拒否している。しかし、最近、「スライド・トゥー・アンロック」をめぐりオランダで行われたアップルとサムスンの裁判で、サムスンは、ネオノード社のデザインは「先行技術」の例であると指摘、そもそも、このアイデアで先を越されたアップルに特許の取得が認められるべきではなかったと主張した。

 サムスンに近い関係者は、サムスンが、アップルを相手にサンノゼ連邦地裁で行われる裁判で、ネオノード社の特許を主張の一環として利用する可能性が高いと話す。同関係者は、サムスンは、「スライディングのロックは大昔からあり、アップルはタッチスクリーンを発明していない。この2点は火を見るより明らかだ」と述べた。

 これまでのところ、「スライド・トゥー・アンロック」をめぐるアップル側の勝利は、ミュンヘンの裁判官が2月、モトローラのデザインの2つが、アップルの「スライド・トゥー・アンロック」の欧州特許を侵害しているとの判断を示したことだ。

 しかし、モトローラは、アップルの特許に素早く設計で対応したため、モトローラ製の携帯電話はまだドイツ市場で販売されている。

 多くの知的所有権専門家は、このスマートフォン戦争について、大量のライセンス供与およびクロスライセンスの合意で最後は決着するとみている。しかし、そこまで到達するには、かなりの時間と資金が費やされる。

 「企業が多額の訴訟費用を投じているとしたら、それは特許制度に何らかの深刻な問題があるということだ。メリットよりもデメリットの方が大きいのだろうかと制度を疑う必要がある」とラトガース・スクール・オブ・ローのマイケル・キャリア教授は指摘する。

記者: Ashby Jones、Jessica E. Vascellaro

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