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シリコンバレーは携帯電話業界を支配するか。アップルやグーグルは確実に通信事業者から支配権をもぎ取ろうとしている。 http://www.asyura2.com/09/it11/msg/491.html
株式日記と経済展望 2010年3月30日 火曜日 ◆アップルが携帯業界を乗っ取る日 3月11日 ダニエル・ライオンズ こんなふうに考えると、今のハイテク業界のトレンドが分かりやすくなる。 ある日、シリコンバレーの業界関係者が携帯電話業界に目を付けた。通信事業者は実にうまい商売をやっている! 彼らは携帯電話機を売り、顧客を2年間の契約で縛る。顧客が着メロやゲームなどを使いたければ、通信事業者を通して買わなければならない。 通信事業者はすべてを支配する。端末1台を売って終わりではなく、その後もずっと懐に収入が流れ込む。「われわれもこの手を使わなくては!」とシリコンバレーの業界関係者は考えた......。 シリコンバレーは携帯電話業界をすっかり気に入ってしまったらしい。アップルやグーグルは徐々に、だが確実に通信事業者から支配権をもぎ取ろうとしている。 今まで携帯電話機メーカーは電話機を作るだけで顧客との接点を持てなかった。だがグーグルとアップルはスマートフォン(高機能携帯電話)を武器に業界の力関係を逆転させようとしている。 端末側からの囲い込みへ だが嫌な予感もする。1つの牢屋から出て別の牢屋に入るだけなのではないか。違うのは看守の名前だけかもしれない。 携帯電話業界に初めて新風を吹き込んだのは07年にアメリカで発売されたアップルのiPhoneだ。この魅力的な新型スマートフォンをどうしても取り込みたかった電話会社大手AT&Tは既得権益の一部をアップルに譲った。アップルの直営店でもiPhoneを販売することを認めたのだ。 さらに重要なことは、iPhone用のアプリケーションを販売するのがAT&Tではなく、アップルだということ。同社はiPhone用アクセサリー販売にも本格的に乗り出した。要するに、iPhoneの世界を支配するのはAT&Tではなくアップルなのだ。 小型情報端末iPadを3月下旬に発売することで、アップルはさらに1歩前進することになる。無線LANが使える場所なら、あらためて通信事業者と契約することなく、iPadでウェブサイトを閲覧したり、動画を見たり、本や新聞を読んだりできる。 携帯通信機能を持つiPadも少し遅れて発売される予定。こちらはAT&Tの回線を使うことになる。だが普通の携帯電話とは違って長期契約の縛りはない。支払いは月ごとで、いつでもキャンセルできる。しかも安い。データ転送量に制限があるプランで14・99ドル、無制限プランで29・99ドルだ。 iPadにはさらに画期的な点がある。1つの通信事業者の回線しか使えない「SIMロック」が掛かっていないのだ。ユーザー側の力が強まっていく兆しが見える。 アップルに負けていないのがグーグル。同社が10年1月に発売したスマートフォン「ネクサス・ワン」もロックは掛かっていない。グーグルの携帯向けOS(基本ソフト)「アンドロイド」搭載で、529ドルのモデルなら好みの通信事業者を選べる(Tモバイルとの契約付きなら179ドルだが、2年契約という縛りがある)。 アップルのiPhone同様、グーグルは顧客とのつながりを重視し、囲い込みを図ろうとしている。グーグルがアンドロイド搭載端末を普及させようとしている背景には、Gメールやグーグルマップなど自社サービスの利用者を増やすという意図がある。さらに、ユーザーが他社のアプリケーションを使いたければ、グーグルが運営する「アンドロイドマーケット」で入手することになる。(後略) ◆GoogleやiPodの共通点と,プラットフォーム戦略の落日 2006年4月21日 雑種路線でいこう GoogleとAppleの共通点はコモディティを組み合わせた垂直統合モデルを指向している点だ.Googleのサーバー群もiPodやIntel Macも,汎用部品を使うことでハードウェア・コストを下げている.一方で組み合わせや環境を限定することでソフトウェアのテスト工数を減らし,リリースサイクルを短期化して,単純で洗練されたユーザー体験を提供している. マイクロソフトはPCが各社独自仕様だった時代,ソフトやハードの互換性を保つ薄い層(BASIC, DOS, Windows)を提供することでエコシステムを構成し,水平分業による競争を促し,PCや部品の価格を劇的に引き下げた.Linux,Google,iPodいずれも,PCエコシステムによる部品の汎用化と低価格化がなければ,そもそも登場しなかったのではないか. 水平分業の枠組みを提供し,プラットフォームを握る戦略は,ハードウェアをコモディティ化する上では有効である.しかしハードウェアが一旦コモディティ化されてしまうと,従来の資産は一転して負債となる.サポートすべき既存アプリケーション,周辺機器が足枷となって設計負債が生じ,テスト工数が増大し,リリースサイクルが長期化して顧客の要望を反映しにくくなり,相次ぐ機能拡張でユーザー体験も複雑化してしまう.工数が爆発的に増え,無闇に関係者が増えて組織が官僚化する.そして自分のアイデアを世に問うべくプラットフォーム・ベンダに身を置いていたalpha geekたちから,もっと身軽な世界へと逃げ出してしまうのだ. 人材の流れや市場での評価をみる限り,この世界には引き続き競争を促すネガティブ・フィードバックが働いているし,新しい事業機会に満ちている.成功の鍵は「うまくいっているものを真似る」工業時代のキャッチアップ・モデルではなく,いまの世界をインフラとして捉え,新しい価値を創造し,コンセプトを迅速に世に問えるチャネルを築き,そういった事業基盤を通じて優秀な人材を惹き付けることではないか. OSとか検索といった陣取り合戦の本質は「より洗練された部品をつくる」工業社会の競争ではなく,アイデアを世に問うパイプラインをつくってエコシステムを形成し,その魅力で優秀な人材とアイデアを囲い込む競争なのだ.そこを理解しないから国産OSをつくろうとか国産検索エンジンをつくろうとか,泥棒をみて縄を綯うような議論が横行し,貴重な国費や人材を浪費し失敗を重ねてしまうのである.困ったものだ.
パソコンの世界は水平分業化が進んで儲けているのはマイクロソフトとインテルだけになってしまった。インターネットの商業化がなかなか進まないのもパソコンがインターネットのベースになっているからであり、ネットで儲けているのはNTTだけだ。ブログやメルマガで有料化が進まないのも機器で囲い込む事ができないからであり、携帯電話のサイトなどでは課金システムは有効に働かす事が出来る。 シリコンバレーは携帯電話の業界に場所を移して着ていますが、特にアップルはiPhoneで通信業界に殴り込みをかけてきた。IT技術の進歩で携帯電話が限りなくパソコンに似てきたからですが、アップルは垂直統合モデルで携帯電話業界に殴り込みをかけてきた。もちろんアップルが携帯インフラを作るのではなくて、通信環境が整い始めて高機能携帯電話を作って主導権をとろうとしている。 日本ではガラパゴス的な携帯電話を作ってきましたが、NTTなどが全量買い上げてきて商売をしてきた。確かに初期の携帯電話は通話するだけの電話機であり、商品の差別化は難しかった。しかし通信環境が整備されて高度化すると携帯端末機器の高機能化が進んで、インターネット端末ともなると搭載するソフトが差別化出来るようになった。 iPhoneとAndroidの対決はパソコンにおけるMacintoshとWindowsの対決を思い起こさせますが、通信会社は脇役に回るようになって来てしまった。アップルは垂直統合の利点を生かして素早く商品化しましたが、グーグルはOSのオープン化で対抗しようとしている。マイクロソフトも携帯用OSを作りましたがWindowsPhoneで巻き返しを図っている。 パソコンは水平分業化で大幅なコストダウンを図ってきましたが、高機能化するにつれてバージョンアップを図る事が難しくなり、周辺機器やアプリケーションソフトの対応に遅れが目立つようになりました。「雑種路線でいこう」で書かれている様に機能の拡張に次ぐ拡張で検証作業に手間取るようになってしまった。 水平分業化はコストダウンには有効な戦略ですが、高機能化させようとすると足かせになってしまう。アップルがいち早く携帯電話や電子書籍に進出が出来たのは垂直統合で進めたからであり、水平分業と垂直統合とはどちらが有利不利とは判断は出来ないだろう。アップルが垂直統合で切り開いた世界を後発企業が水平分業でコストダウンをして来たのがパソコンの例ですが、携帯電話でも同じ事が言えるだろう。 携帯通信機能を持つiPadはSIMカードを入れ替えればどの通信会社も選べるようになっていますが、そうなると通信会社は少しでも安くしないと競走に負けてしまう。それに対して携帯端末メーカーはアプリケーションや周辺機器販売で利益を出す事ができるから主導権が変わってくる。iPhoneは電池ですら純正品でないと利用が出来ない。 電子書籍で本や雑誌や新聞を読む時代が来れば課金システムも構築する事が容易になりネットの商業化が本格化するだろう。音楽もiPodで鑑賞する時代となりiTunes Music Storeにアクセスし、インターネット上で音楽の購入するのが普通になったように、本や雑誌や新聞もアップルから購入するようになればアップルの利益は大きいだろう。アマゾンのキンドルも同じ商業モデルだ。 日本のエレクトロニクス産業が儲からない業界になってしまったのは、ハードだけではすぐにコピーされて安く作られてしまうからであり、独自ソフトとセットで売らないと儲からないだろう。任天堂はハードとゲームソフトをセットで売っているから儲けていますが、ハードだけの家電業界は価格競争で儲けは少ない。 ソニーやシャープやパナソニックは携帯電話メーカーでありパソコンメーカーでもあるのですが、どうしてアップルのiPhoneを作ることが出来なかったのだろうか? モバイルパソコンは作って発売もされていましたがパソコンの領域を超えることができないモデルだった。それに対してiPhoneはパソコンの領域を超えている。日本のメーカーはそれが出来ない。 ソニーや松下は電子書籍を売り出していましたが、売れなかったとしてすぐに止めてしまった。ソニーのリブリエや松下のWords Gearは通信機能がなく、パソコンでダウンロードする手間がネックになって売れなかった。ならば電子書籍と携帯電話を合体させればいいのですが、日本のメーカーにはそれだけの技術力がなかった。さらには著作権がネックになってコンテンツを確保する事ができなかった。 日本の電子機器メーカーはiPhone用のOSを作ることも出来ず、著作権を改正させるほどの力もなく、液晶テレビやDRAMは新興国にぱくられっぱなしでは市場は取られるばかりだ。日本の電子機器メーカーはソフト開発を下請けに任せてハード機器が主体でやってきた。このようなソフト開発軽視が日本メーカーがサムスンに負けた原因であり、アップルのようにソフト開発主体のメーカ−にならないとサムスンにどんどん食われるばかりだ。
またジョブズはこの業界が長く、垂直統合した企業の長所を覚えている。A4が優れたプロセッサであるなら、iPadの垂直統合には、近く発売される他のタブレット型PCをしのぐ性能を発揮できるという利点がある。プロセッサとOSを互いに最適化されるように並行して設計すれば、パフォーマンスをかなり高めることができるからだ。 アップルによれば、A4は1GHzで動作する。多くのパソコンで使われる3GHzのインテル・プロセッサと比べると遅いが、地図を拡大し、クリックしてストリートビューを見るといった作業では、iPadは実に速く感じられる。iPad発表の後のデモンストレーションで、ソフトウエアがプロセッサのために最適化されているので速いと説明があった。iPadが1回のバッテリー充電で10時間作動するのも同じように説明できる。 アップルによるiPadの完全支配は既に一部の人を怯えさせている。iPad発表イベントの会場の外でピケを張ったフリーソフト擁護派は、iPadのような端末はアップルによって搾取される閉ざされた世界に人々を引き込む罠だと主張する。 (私のコメント) 確かにインテルのプロセッサを使えば安く作ることが出来ますが、パソコンのような汎用機器ではなく専用機器になればなるほど特化したプロセッサを使えば性能で差をつけることが出来る。iPadにアップルが専用プロセッサを開発したのはそのためだろう。電子書籍ともなればより軽くより薄く長時間持つ性能が求められますが、汎用プロセッサでは無理だ。 いずれはインテルが専用プロセッサを開発してくれるでしょうが、数年のタイムラグが出来てしまう。日本のメーカーはOSとプロセッサの開発を放棄してしまったからそれが出来ない。そのような垂直統合型の経営はコストダウンには向きませんが、開発に成功すれば大きな利益を独占する事ができる。
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