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グーグルが相手じゃおしまいです...Gの無料GPSナビ発表で競合涙目
http://www.gizmodo.jp/2009/11/gpstomtomgarmin.html
掲載日時:2009.11.03 09:00
こないだグーグルが携帯用GPSナビのベータ版を発表した途端、GPS業界各社の株価がトイレにジャーッと流れてゆきましたよね...。
ちょうどTomTomが第3四半期報告で純利益が前年同期比47%減ったと発表したのと同じ10月28日というバッド・タイミングもあって、同日の取引きでTomTomの株価は20.8%ダウン、Garminも16.4%ダウンという大打撃となりました。
そりゃそうです、グーグルの無料アプリ相手じゃ勝ち目がないですもんね...。
でも彼らの受難はそれだけじゃないのです。
車載ナビ大手TomTomが昨年買収した「Tele Atlas」(1984年創業、本社・オランダ)は、世界中の道を隈なく走って地図を作ってきた会社で、つい最近までグーグルにMAP情報を提供する主要プロバイダでした。
競合の大手は、ノキアの子会社「Navteq」ぐらいで、こちらもやはりグーグルにMAPを提供していました。
しかし、今のGoogle Mapsを見てください。
アメリカ全土あまねく著作権者の表示はただひとつ、「Google」です。
ストリートビューは、Google Mapsで既に探せる情報に路上風景の写真をつけたものですけど、今にして思えばそれだけじゃなく、Google Mapsに既に載ってるのと同じ道をグーグルの路上撮影チームに隈なく走らせて ―効率良さと強力な人海戦術で― 旧取引先の地図業者に割高なMAPライセンス料を払わずに済ませる動きでもあったわけですね。
グーグルは既に米国内の地図は作成を完了しました。
世界の残り地域の作成が終わるのもきっと時間の問題と思われます。
まさにグーグルの怪物的成長とその破壊力を見せ付けられる思いがします。
情報をトレードしたり、一般消費者向けにパッケージにする企業はどこもいつか同じ目に遭う可能性を孕んでます。
巨大企業相手に競争に勝てるかどうかもそうですが、それ以前の問題としてそんな危ない相手が控えている業種に参入すべきかどうかも真剣に悩んじゃいますよね...。
どっちみち潰される可能性があることに変わりはないんだし...。
GarminはNavteqとの間に長期の業務関係がありますけど、地図は持ってないんですね。
つまりライセンス料は今まで通り払わなきゃならない。
それでどう無料のGoogleアプリ相手に戦えるんでしょう?
(しかもGarminは超薄利のハードウェア会社なので、そこもネック)
TomTomは地図持ってますけど、自社アプリは100ドルの有料です。
というのも、ここは自動車メーカーさんや、競合のGPSメーカーおよびウェブサービス(例:Google)に地図をライセンスして収益も得ている会社なので...。
前はTomTomにとってGoogleは高収益をもたらすお得意さんでしたが、それが今は元気なライバル。
TomTomその他の会社がデータ供給一本でGoogleの炊事車に乗っかってきた会社だとすると次に振り落とされるのは、どこなんでしょうね?
僕、昔からクモがむくむく成長するのって怖いんですよ。
8本脚だからとか複眼だからとかじゃなく、あの獲物を殺すやり方がどうも苦手で...。
自分に都合のいい位置に獲物をおびき寄せて、毒で仕留めて、中のものを残らず吸い上げていく、死んだ目をした抜け殻になるまで―そんな殺され方は嫌だなあ、僕にとっては最低の悪夢です。
どんな気持ちがするものかTomTomに聞いてみるかな...。
かく言う僕も、グーグルのプロダクトは大好きで、毎日使ってます。
別にグーグルのビジネスのやり方を非難してるつもりはないんです。
単に、グーグルをこんなにも急速に、こんなにも巨大にした破壊的イノベーションがどういう種類のものか説明してるだけであって...(これだけ強大になる会社には要注意、という警告でもあります。
特にそこと事業をやる予定の方はね)。
同じように爆発的に成長し、突然国際依存型になった会社は、マイクロソフトはじめ他にも前例があります。
でもグーグルのような会社は僕らも見たことがないですね。
本格稼動もしてないうちに、途方もなく大きな口に呑まれて摂取(破壊)されるのはGPSビジネスだけじゃないでしょう。
既にお聞き及びのように、マイクロソフトを潤わせたオフィスアプリには平価切り下げが起こってます。
グーグルは、アップルその他各社とのお付き合いで得た経験をもとに自社独自の電話通信プラットフォームを作り(モバイルはAndroidで、完全バーチャル通話はGoogle Voice)、元提携先の存在を脅かしています。
さらに、写真、動画、通信社のニュース配信などは「サービス」プロバイダが情報をせき止め、それで文字通り蓄財してた分野ですけど、グーグルはこの意図的な品薄という概念を破って元コモディティをいつでも無料で入手できるものに変えてしまいました。
さ、次は誰? GarminやTomTomと同じ命運を辿る神ブランドは、どこなんでしょう? ロイターとAP? ワーナーとディズニー?
こんな話はもう何度も言われてきたことだし、これからも何度も繰り返し語られる話でしょうけど、基本に立ち返ってみるのは大事なことですよね。Google DocsやSpreadsheetsを広げて考えるんでもこの際OKなので。僕もクモと話したことはないんですが、決して悪じゃないと思うんですよね。おとぎ話はあんなこと言ってるけど。単に自然に任せてせっせと働いてるだけなんですよ。
Wilson Rothman(原文/satomi)
グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する 文春新書 (501) (新書)
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掲載日時:2009.11.03 09:00
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