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非主食用米 増産へ 農水省が飼料・備蓄用など促進策
減反政策の矛盾露呈
農林水産省は備蓄用や家畜のエサとなる飼料用米など主食用以外のコメの増産を促す。前年の生産実績に応じて優先的に買い取る枠を設定したり、一定の収穫量の確保を補助金支給の条件としたりする。主食用米の生産調整(減反)の結果、農家が備蓄用米などの生産も抑制し、目標量を確保できなくなった面もある。コメ政策の矛盾がまた一つ浮き彫りになった。
農水省は災害や不作時に放出するための備蓄米の買い取り入札の方法を2013年から見直す。前年の生産実績に応じて他の産地との競合がない「県別優先枠」を大幅に拡充する。現在の一般競争入札では農家が希望する価格や数量での買い取りにつながらず、主食用米の値上がりで価格の安い備蓄米づくりを敬遠する傾向があった。14日に開く審議会でこうした方針を打ち出す。
農水省は備蓄米として毎年20万トンを入札で買って、5年間分(100万トン)たくわえている。ただ11年は7万トン、12年は8万トンしか買い取れず、いまだ6年前の古米を保管している状態だ。
あわせて、せんべいや酒の原料となる加工用米や飼料用米の増産を促すために、コメ農家への補助金の出し方も変える方針だ。一定の収穫量を満たすことを補助金の支給条件にし、生産拡大を促す。
戸別所得補償では飼料用米に高い補助金がつくので、栽培する農家は増えている。しかし、生産が拡大しないのは、生産量の多寡ではなく、耕作面積に応じて、補助金がもらえるためだ。
農水省は1970年から主食用米の減反政策を進めてきた。「つくり過ぎ」による値崩れを防ぐためだった。都道府県ごとに生産数量目標を決め、コメ作りを抑制してきた。減反した農家にのみ補助金を支給する仕組みだ。
戸別所得補償も減反参加が支給条件になっている。休耕地になった水田が26万ヘクタール程度とコメの作付面積の1割強に達している。
農水省は休耕地を活用して備蓄用や加工用のコメをつくるよう促す考えだが、「減反の長期化で『余分なコメづくりは悪』という考えが農家に染み込んでいる」(農水省幹部)。生産を抑え込む減反政策を維持しながら一方で増産を促すちぐはぐな対応は、かえって農家の混乱を招く可能性もある。
[日経新聞11月13日朝刊P.5]
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