06. 2011年1月26日 14:01:07: G1N6Eo8s0E
地方公務員として役所に入るには議員か幹部役職のコネがきくが、賄賂の 相場は300万円といわれる。46%にあたる37万人が無試験で採用された。http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/d3095dcd9e349dd7f96a0f4f98ff16e7 ◆若林亜紀著 「公務員の異常な世界」 書評 本書を読み終えて、全く脱力感に苛まれる。怒ることも出来なくらいアホらしく、無能な人間集団である事が分った。公務員に仕事をさせるより、全員を生活保護で養ったほうがはるかに安くつく。社会保険庁みたいに仕事をさせればミスだらけ、その後始末に数千億円の金を必要とする。まさに泥棒に追い銭とはこのことだ。閑職と厚遇というのが地方公務員のイメージであるが、民間労働者からみると想像を絶する実態が曝露される。先日大分県で教員採用に賄賂が常習化してことが明るみになり、県教育委員会の要職者が逮捕された。同じ事は県市町村の職員採用でも噂どころか当然といわんばかりに話されている。それほど公務員の生活はおいしいのである。地方地方でさまざまな独自の手当が給与にプラスして支給され、厚生福利なども民間との格差は広がるばかりである。これは財源がすべて税金を使用していること、経済原理が働かず、予算内で節約のインセンティブは働かないこと、労働組合との長年の馴れ合いから来ている。国と地方財政の借金は合計1000兆円超える先進国中最悪の状態である。国が滅びても霞ヶ関は不滅と云う信仰に裏打ちされ、財政収支健全化と称して、さらに増税と借金をしようとしている。公務員は職業ではなく、武士とおなじ「身分」なのである。 4月 入庁式(裏口採用) 毎年入庁してくる信じん公務員は、国家公務員で3万人、地方公務員で5万人もいる。地方公務員として役所に入るには議員か幹部役職のコネがきくが、賄賂の相場は300万円といわれる。法律では職員の採用は競争試験によると決められているが、民主党の長妻氏の調査では国家公務員80万人(2003年)のうち46%にあたる37万人が無試験で採用された。著者の勤めた厚生労働省の特殊法人日本労働政策研究所では、研究員と称して事務員を採用し、「仕事はないからお茶でも飲むか本でも読んでいて」といわれたと云う。役所にはタイムカードは無く、遅刻はざらである。オフィスは余裕があり、茶室まであったという。 5月 ゴールデンウィーク(公務員の休日)、メーデー(労働組合) 地方公務員の個人的国内旅行は届出制、国家公務員では個人的国内旅行は自由であるが国外旅行は承認制である。だから海外旅行は申請はせずこっそり行っている。今日本の労働者で組合に入っているのは18%です。公務員の労働組合は民間に較べて桁違いに強い。最強の自治労は北海道庁と社会保険庁である。北海道庁(職員2万人)の組合専従職員が97人である。5000人以上の民間企業では専従員は平均4.9人である。以下に公務員労働組合専従者の数が多いかが良く分かる。そして決定的なのが、勤務時間中の専従者の給料は公務員では支払われており、民間では支払われないので組合費から払っていることだ。組合加入はほぼ強制的であり、組合を脱退するとリストラの対象となる。消えた年金問題で散々叩かれて、社会保険庁の「自治労国費評議会」労働組合では仕事が極めて楽なことが判明した。パソコンキータッチは一日5000回以内とか、45分働くと15分休憩、個人情報にアクセスしても記録を残さないとかと云う取り決めがあったそうだ。また組合に反対する職員に対する人事、昇給差別が公然と労使でおこなわれている。このような役所に批判が集中し、消えた年金記録の責任を取る形で2010年には社保庁は解体される予定です。(中略) 12月 冬のボーナス(賞与と査定) 社会保険庁のように公務員は不祥事を出しても賞与は減らない。退職金も満額もらえる。公務員の平均年収は814万円で、41歳で月給40万円、夏のボーナスは104万円、冬のボーナスは110万円である。日本経済連の大手企業でボーナスの平均は89万円である。中小企業ではさらに少なく20-30万円というところだ。民間企業では会社の業績がよければボーナスは増え、悪くなれば減る。しかし公務員は財政が赤字でもボーナスは減らない。もう一つ公務員が気楽なのは査定が無い事だ。年功序列が堅く守られており、同期ならボーナス額は同じである。国家公務員法では「勤務評定をする」ことになっているのだが、組合の反対でこの何十年と査定はおこなわれた事がない。都道府県と政令指定都市では勤務評定はおこなわれているが、それ以外の市町村では50%程度であった。それも形ばかりの査定で、少しも差が付いていない。まさに公務員は社会主義国と同じである。官僚主義で競争原理が働かないのだ。この役所の意識を変えるには夕張市のように一度破綻する必要がある。 1月 成人の日(給与と手当て) ヤクザな橋下知事で有名な大阪府の市町村の職員互助組合が職員に出産、入園、入学、成人祝い金などが配布されるが、これに自治体が60%も補給していたと云うことが話題になったのは最近のことだ。全国では2006年会計院の調査でその手当補助金が総額667億円にもなった。地方自治体で面白い手当てがある。独身手当て、出世困難手当て、窓口業務手当て、旅行手当て、寒冷地手当てなどやりすぎではないか。国家公務員の平均年収は一般で814万円、自衛隊は593万円、地方公務員では東京都で801万円、全国平均で700万円だ。民間の平均年収は616万円だ。いかに民間に較べて優遇されているかがわかる。驚きの例として、緑のオバサンが802万円、給食調理員が728万円、清掃職員大阪市で1000万円(同和問題が絡んでいそう)、神戸市バス運転手890万円、公用車運転手805万円(タクシー運転手379万円)と云うことで、民間類似職種の給与と較べて公務員の給与は、1.5倍から1.9倍もあった。又地方公務員の管理職の比率が極めて高い。管理職が60%も占め、民間では9%以下である。自治体では人事に差をつけるのは忍びないそうだ。こんな理屈が通る事が問題だ。 2月 議会(役人と議員) 前鳥取県知事の片山義博しは政府の地方分権委員会で「殆どの議会は八百長。シナリオを決めて読みあう学芸会にすぎない」と述べた。一番ひどいのが北海道議会で、シナリオに無い質問をすると「品位がない」と懲戒処分が下されたらしい。全国都道府県議会のうち38議会は質問内容を事前通告制にしており、神奈川・高知など9議会は事前通告無の樹結うな議論がおこなわれている。質問については国会でも同じで、前もって質問を届け出、官僚が答弁書をかいて閣僚が読み上げると云う猿芝居である。官僚内閣制といわれるのは政治家が余りにだらしないからで、一人官僚のせいににするわけにもゆかない。官僚は政治家を篭絡するために、情報提供と入札の便宜と箱物行政である。政治家の不勉強、政治家自身の利益の機会提供、地元への土産のためである。(後略) (私のコメント) 公務員の実態はテレビなどでも暴露されていますが、公務員組織に対して議会や市長などのチェックがまったく働かずに馴れ合い状態になってしまっている。先日行われた阿久根市長選挙でも公務員組織の強力ぶりが伺える結果になっている。地方にはこれといった産業も企業も無いような所では、まともな勤め先は役所か農協ぐらいしかない。あとは素朴な農民たちばかりで役人たちはしたい放題になる。 まさに地方においては公務員は特権階級であり、最近では世襲制に近くなってきて親や有力者のコネで入る地方公務員が多くなってきた。このようなところでは地方公務員の組織は強力であり、阿久根市のようなケースは例外であり、地方公民組織に立ち向かうと竹原前市長のように孤立してリコールされて失職してしまう。阿久根市は公務員によって乗っ取られてしまったようなものだ。 確かに竹原市長のやり方は強引過ぎましたが、市議会は市の職員組合とずぶずぶの関係であり、いくら市の財政が火の車でも職員の給与カットも市議会で可決しなければどうにもならない。つまり市議会も公務員組合が仕切ってしまえばどうにもならない。まさに地方は公務員による公務員のための公務員の政治が行われている。 公務員組織を監視する議会が機能不全になってしまうと公務員天国になることは、戦前における陸軍の暴走がいい例になるだろう。先日もNHKの特番で「巨大組織陸軍暴走のメカニズム」を放送していましたが、五一五事件や二二六事件の後になると陸軍を抑える勢力が無くなり陸軍のやりたい放題の世界になってしまった。 ヒトラーのようなやり手の政治家がいれば、陸軍とは別の武装組織を作って軍を取り締まって政権を強化しましたが、日本も警察組織を強化して警察予備隊を作って陸軍を大粛清すれば戦争にならずに済んだはずだ。陸軍は憲兵隊という警察組織がありますが政府直轄にしても良かったのではないだろうか? しかし陸軍という巨大な官僚組織を政治家はどうすることも出来なかった。 現代にも公務員という巨大組織がありますが、議会が無力化してしまうと公務員組織は暴走を始めて、給料は取り放題になり、定年間近になると天下り法人を作ってそこの理事に納まる。国も地方も議会と馴れ合いになってしまっているのだから歯止めが利かない。今でも戦争をなぜ止められなかったのかという反省はなかなかなされませんが、マスコミも戦争を煽ってきたから議会も何も出来なかったのだ。 マスコミも官僚から情報を貰って記事を書いているから、官僚組織を批判するのは問題が起きたときだけであり、結局は国民世論はマスコミに左右されるから、官僚組織は記者クラブを作って情報統制を行ってしまう。株式日記で公務員批判を行ってもマスコミにはとても対抗が出来ない。マスコミの記者は公務員以上の特権階級だから既得権を死に物狂いで守ろうとする。公務員も同じであり、阿久根市においても巻き返して竹原市長を辞職に追い込んだ。 ブログなどを見ても竹原市長のやり方に批判的な人が多数派ですが、しかし市長が議会で孤立してしまうと何も出来なくなってしまう。市議会議員も選挙で選ばれていると言いますが、地方においては公務員組織しかまとまった組織が無い。自治労が議会を仕切ってしまえば市議会議員になれるかどうかは、公務員組織が支持するかどうかで決まってしまう。 同じような問題は名古屋市や大阪府でも起きていますが、首長一人ではやれることは限られてしまう。名古屋や大阪のようなところなら支持を集めれば何とかなるのでしょうが、阿久根市のようなところでは市長が改革しようとしても孤立してしまう。もちろん市長のやり方にはやりすぎがありましたが、既得権を守ろうとする公務員組織との対立で強硬手段と見られる方法しかなかったのだろう。それで全国の注目が集まることが竹原前市長の計算でもあったのだろう。 |