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手探りの保守:2010参院選/上 候補者選考、公募に /宮城【毎日JP】
http://mainichi.jp/area/miyagi/news/20100123ddlk04010093000c.html
◇落選者の説得、不安抱え
「刺客を向けられているようなもんだよ」
自民党県連の参院選候補者選考に応募した現職の市川一朗氏(72)は17日夕、応募者7人による討論会を終えた後、苦笑いを浮かべた。
市川氏にとって、今回の公募による候補者選考は、郵政民営化に反対した「造反組」の候補者に、自民党が対立候補を送り込んだ05年衆院選と重なった。
与党時代は「現職優先」だったが、野党転落後は「世代交代」がキーワードに。“地殻変動”を裏付けるように、県連が選出した公認候補は34歳の熊谷大(ゆたか)氏=松下政経塾生=だった。
県連の実力者が協議して公認候補を決めてきた従来の選考方法は、09年8月の衆院選の敗北で見直した。
民意を見失った自民党を立て直すために、同9月に県連会長に就任した小野寺五典衆院議員が県連の地域支部約70カ所を訪問し、意見を集約したうえで導いた結論が公募だった。
「野党になったからには、党員だけではなく、県民の声を謙虚に聞いたうえで候補者を選ぶべきだ」と小野寺氏。
09年12月には、党員約200人を対象にアンケートを実施したほか、仙台市内の街頭でも有権者約150人から意見を集めた。
いずれも公募を求める声が圧倒的。市川氏が同席する支部長会議で公募を正式決定したが、その席では異論は出なかったという。
しかし、県連は内部から大きな反発がなかったにもかかわらず、公募に不安をぬぐい去れないでいた。
不安とは知名度が低く政治経験もない応募者が選ばれるリスクではなかった。
県連関係者は語る。
「選ばれた候補者を育てるのは難しくない。落選者を納得させ、党として一つにまとまれるかの方が問題だ」
県連は布石を打った。応募者24人は「公認候補の当選に向け挙党体制で臨む」との誓約書への署名が義務付けられた。
さらに、書類審査と面接で7人に絞った段階で、急きょ電話による世論調査が決まり、結果を選考に反映させることになった。
19日にはJR仙台駅前で約250人分の街頭アンケートも実施。
県連関係者は「落選者を説得する材料だ」と明かす。
選考では少数の選考委員の意思だけではなく、客観的データも踏まえていると裏付けるために県連が汗を流したようにも映る。
ただ、世論調査は肩書、氏名、年齢を有権者に伝え、回答を求めるもので、政策や考え方の違いは判断材料として示されなかった。
選考に漏れた市川氏は22日夜、「腑(ふ)に落ちない」と不満を表明した。
前衆院議員の中野正志氏(61)の去就も注目される。
「挙党体制」を掲げて実施した公募だが、県連内部は早くもきしみ始めている。
◇ ◇
約50年君臨した与党の座を明け渡した自民。失った支持を野党の立場でどう取り戻していくか。保守政党としてのアイデンティティーを探し求める党関係者の苦悩を報告する。【比嘉洋】
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毎日新聞 2010年1月23日 地方版