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http://www.shinmai.co.jp/news/20091026/KT091025ETI090003000022.htm
10月26日(月)
3人の争いとなった長野市長選挙は、現職の鷲沢正一氏が3選を果たした。新人の高野登氏の追い上げをわずかの差でかわした。
2期8年にわたる鷲沢市政を継続するか、転換するかが問われた選挙である。県都の市長選らしい戦いになり、投票率は前回を上回った。
実績を訴えた鷲沢氏に多くの支持が集まった。とはいえ、得票率は半分に届いていない。高野氏が票を伸ばしたのは、現市政に対する不満の表れだろう。重く受け止めなければならない。
地方分権の流れが加速する中、かじ取りは難しさを増している。歩みを確かにするため、市民の声に謙虚に耳を傾ける姿勢がより一層求められる。
鷲沢氏は、選挙戦を通じ「行政で一番大事なのは、市民の生活を守ること」と強調した。信濃毎日新聞社が事前に行った電話世論調査でも、市政で優先してほしい課題として、福祉・医療を挙げる人が多かった。
長野市は来年1月、上水内郡信州新町、中条村と合併する。都市問題と中山間地の問題がともに重要課題になってくる。
市民の暮らしをどう守り、活力を取り戻していくのか、積極的な取り組みが欠かせない。
現職に挑んだのは、元外資系ホテル日本支社長の高野氏と元県商工参事の小林計正氏の2新人である。ともに市政の転換を掲げて戦った。けれども鷲沢氏に対抗する勢力が二つに割れたことが響き、出遅れもあって逆転することはできなかった。
今回は民主党が政党色を前面に出して戦った点が目立った。大勝した衆院選の勢いで、党県連は小林氏を擁立し、公認候補並みの支援態勢を敷いた。菅直人副総理兼国家戦略担当相や原口一博総務相ら閣僚が応援に駆けつけた。
政権交代に続く市政交代を、ともくろんだけれど、結果は最下位だった。
擁立をめぐる迷走が影響したのだろう。候補者公募の形を整えたものの「擁立過程が不透明だ」との批判が出ていた。
政党の都合優先で市民不在だった。そう言われても仕方ない。
選挙戦で、政策論争が深まったとは言えない。世論調査では、長野市民会館の建て替えについて賛否は割れたままだ。
住民自治をどう高めていくか、公共交通をどう守るか、といった課題は山積している。鷲沢氏はさらに気を引き締めて、3期目に臨んでほしい。