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http://mainichi.jp/select/today/news/20091014k0000e040018000c.html
JR山手線の車窓から富士山を眺めることができた唯一のスポットで、商業ビルが建設され、今夏以降は見えなくなっていることが分かった。「都心の富士」として眺望を楽しんできた通勤客や愛好家から、惜しむ声が上がっている。
富士山を望めたのは山手線の高田馬場−目白駅間(東京都新宿区)。大気が澄んだ冬の早朝などに車窓から南西の方角を見ていると、ビルの間に頂上周辺が垣間見えた。ほんの1秒足らずだが、希少な眺望が逆に人気を集めていた。
山岳展望ファンでつくる「山の展望と地図のフォーラム」代表で筑波大付属高教諭、田代博さん(59)が9月下旬、車窓から富士山を探していたところ、新しいビルに隠れてしまっていた。田代さんは「通勤・通学時のささやかな楽しみにしていた乗客は多かったはず。首都圏の貴重な展望ポイントを失い、大変ショック」と話す。
新しいビルの関係者によると、線路から約100メートル離れた新宿区内に8月、4階建ての商業ビルが完成した。山手線では以前、原宿−代々木駅間の車窓からも富士山を望めたとされるが、建物の高層化が進み、田代さんの話では高田馬場−目白駅間が最後のスポットだった。