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http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20091004-OYT1T00123.htm
2016年夏季五輪招致で、リオデジャネイロ(ブラジル)に敗れた東京の石原慎太郎都知事ら招致委員会のメンバーは3日、国際オリンピック委員会(IOC)総会が開かれたデンマークのコペンハーゲンから帰国の途についた。
今後、20年大会への再立候補も視野に、敗因を分析する方針だが、総額150億円に及んだ招致費用の検証や会場予定地のあり方など、様々な課題も浮上する。
◆招致費用◆
「負けた以上、金の使い道を都民にきちんと説明しないと、示しがつかない」。東京の落選後、ある民主党都議はこう語った。職員の海外派遣や国内イベントなどにかけた招致費用のうち、公費が100億円も投入されているためだ。08年夏季五輪招致で、北京に敗れた大阪市が使った公費は約48億円。都はこの約2倍をかけたことになる。
招致レースが終盤に入った先月、ある都幹部は「赤字は何としても防がないと」と漏らした。招致費用が予算を上回れば、これを補填(ほてん)しなくてはならず、批判を招く恐れがある。招致委は、海外への職員派遣を絞り込むなど経費削減に努めたが、今後は都議会で、使途や最終的な使用額などについて検証が行われる見通しだ。
◆会場予定地◆
再立候補に意欲を示した東京だが、10万人を収容するメーンスタジアム建設を予定していた中央区晴海の都有地も、利用法が議論の対象になる。
今回の開催計画に沿って再挑戦すると、4年間は、この土地が“塩漬け”になる可能性がある。「議会で相当、考えないといけない」。石原知事も2日、現地でこう語り、課題であることを認めた。
◆求心力◆
「知事も都政も、最大の目標を見失った」。複数の都幹部は懸念する。
石原知事の任期は11年4月まで。2日の記者会見では、招致失敗の引責辞任を否定したが、今期限りの引退も改めて明言した。都幹部の間では、「残り1年半では、これまでのように大がかりな政策は打ち出せない」「求心力の低下は避けられず、再挑戦するにしてもどこまで推進できるか……」という声も上がる。(山崎純之介、石川剛)