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http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20091004-OYT1T00008.htm
市民の要望に迅速に応えるため、千葉県松戸市で全国に先駆けて誕生した「すぐやる課」が、6日で開設40年を迎える。
この8月で受理件数は延べ13万件を超えた。当初は道路補修など土木作業の要望が多かったが、今はハチ退治が中心だ。要望も多様化し、家の掃除など対応できない依頼も相次いでいる。
「掃除するから、うちのテレビを動かしてほしい」。依頼してきた高齢の女性に、課員が「家族はいないの?」と聞くと、「嫁が2階にいるけど、頼めない」という回答だった。
同課に寄せられる要望は、年間1万件以上とされる。このうち、受理するのは近年、3〜4割にとどまる。自宅の掃除のほか、「隣の犬がうるさい」といった近隣トラブルの解決などの依頼が多いが、断っているという。
大竹忠重課長は「地域や家族でコミュニケーションがなくなって、簡単なことも人に言えないのでは」と話す。
実際に対応した仕事内容では、当初は道路や側溝の補修など、土木作業が約9割を占めていたが、2008年度は3676件中707件(19%)。代わりにスズメバチ駆除などが2094件(57%)と増加した。ハチの駆除では防護服を着用しても刺されることがあり、ハチ毒に対する抗体の検査で、ショック症状の危険性を示す結果が出ると、担当職員は異動になるという。
市の人口は発足当時に比べ、約48万人に倍増しており、同課は「宅地開発が進み、ハチが住宅街に出てきたのでは」と分析する。一方、「すぐやる精神が役所内に広がった」ことで、土木作業の要望は直接、担当の道路維持課などが対応することが増えたという。
「すぐやる課」は、「マツモトキヨシ」創業者の松本清・元市長が69年に設置した。類似の課は全国300か所以上の自治体で設置されたが、行革の一環で廃止が相次ぎ、現在は数十か所程度という。
ただ、同課への視察や取材などは近年増えており、08年度は38件。茨城県常陸大宮市は昨年、「すぐ対応課」を新設した。再評価の流れについて、松戸市は「平成の大合併で巨大化した自治体などで、仕事の『はざま』を埋めるため、必要となっているのでは」と話す。
同市は、6日午後2時から、松戸市民会館で40周年記念式典を開き、パネル討論などを行う。