http://www.asyura2.com/09/iryo03/msg/848.html
Tweet |
製薬会社ノバルティスファーマの社員が自社の白血病治療薬の臨床試験に関与していた問題で、ノ社の社員が不正に取得した患者の個人情報の中から、重い副作用があったことを把握しながら国への報告義務を怠っていたことが分かった。昨年末に報道関係者がノ社の試験への関与について取材を始めた後、問題の発覚を恐れた営業担当社員が、証拠になる資料を会社から自宅に持ち帰ったり、電子データを削除したりする隠蔽(いんぺい)工作をしていたことも判明した。【河内敏康、清水健二】
ノ社の社外調査委員会が2日明らかにした。報告書は副作用の報告を怠ったことを「薬事法違反の可能性がある」と指摘した。
調査委は、元裁判官、元検事、元厚生労働事務次官の弁護士3人で構成。2月から会社幹部ら関係者に事情を聴いてきた。臨床試験について、元裁判官の原田国男委員長は「いわば製薬会社丸抱えで、非常に問題だ」と厳しく批判した。
報告書によると、社員は、患者データが記載されたアンケートを医師に代わって回収・保管していた。その過程で、臨床試験で重い副作用が患者2人に出たことを把握したが、国に報告しなかった。薬事法は製薬会社が自社製品で死亡や重篤な副作用事例が出たことを知った場合、15〜30日以内の報告を義務付けており、違反は改善命令の対象になる。ノ社は報告書を受け、2日になってこの副作用情報を国側に報告した。
臨床試験の副作用に関しては、本来は医師が記入すべき重篤度の評価票を、社員が医師の指示で記入していたことも発覚し、調査委は「倫理的に極めて不適切だ」と批判した。
また、患者に無断でアンケートを回収したことについて「個人情報保護法違反の可能性が高い」とした。
隠蔽工作は昨年12月末以降に行われていた。社員が試験関係の資料を会社から自宅に持ち帰り、シュレッダーにかけたり、電子ファイルを削除したりして廃棄。東日本営業部長が資料廃棄を促す発言をした疑いもある。事務局を務めた東大医師も今年1月以降、社員がアンケート回収に携わっていなかったことを装う工作を、試験に参加した医療機関に依頼していた。
◇社員関与の証拠隠蔽も
一連の行為は、降圧剤バルサルタンの臨床試験疑惑発覚に伴い「社員を臨床試験に関与させない」との再発防止策を公表した後も続いていた。報告書は「防止のための社内ルールがなく、今も明文化されていない」と変わらぬ企業体質を批判した。原田委員長は「(バルサルタン問題に)適切に対応していれば今回の事態に至らなかった可能性がある。反省が生かされなかった」と語った。
◇白血病治療薬の臨床試験問題◇
22医療機関の医師が参加した白血病治療薬の副作用を調べる臨床試験が2012年5月に始まった。この試験に、ノバルティスファーマの営業社員らが、降圧剤バルサルタンの臨床試験疑惑の反省から会社が定めた再発防止策を破って関わっていたことが今年に入って発覚。学会発表のデータ解析をするなど試験に全面的に関与し、ノ社は新薬ニロチニブ(商品名タシグナ)の宣伝に利用していた。研究チーム事務局がある東京大病院は3月、医師が集めた患者アンケート255人分のコピーがノ社側に漏えいしたことを公表し、個人情報保護法に反する行為として謝罪した。
http://mainichi.jp/select/news/20140403k0000m040102000c.html
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。