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疑惑渦中の「子宮頸がんワクチン」を高校生にすすめる専門医
http://akiba1.blogspot.jp/2014/01/blog-post_12.html
2014年1月12日 秋場龍一のねごと
けさ、新聞を読んでいて、わが眼を疑いました。
きっと、あなたも疑うでしょう。
それはこんな一節です。
「がんは予防できることを知っていますか。まずは、たばこを吸わないこと。子宮頸がんなどワクチンで防げるがんもあります。そして、大事なのが検診を受けること」
どうでしょう。
このことばは、あきらかに子宮頸がんワクチンは効果があること、その脈絡からその接種をすすめていますよね。
こんな発言をしたのは、向原徹・神戸大特命准教授。専門は腫瘍内科学と記されているので、がんの専門家なのでしょう。
しかしそれにしても、現在、子宮頸がんワクチンの副作用(専門的には副反応)で苦しんでいる多数の少女がいるのに、そんなことをひとことも述べずワクチンを推奨しているのに驚きます。
厚生労働省が報告した、子宮頸がんワクチンの副作用は1196件あり、その内106件は重篤なもので、「全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会」も結成されました。
ではこのワクチンを接種した予防効果はどうかというと、これがきわめて怪しいのです。
このがんの原因とされるウイルスは15のタイプがあり、このワクチンはその内の2タイプにしか効き目がなく、接種した人の50〜70%にしか効果がありません。
さらに日本人に多いウイルスのタイプには10%程度の効果だとされています。
しかも、子宮頸がんウイルス説を否定するものや、ワクチン接種が逆に子宮頸がんの発生リスクをたかめるという報告もあるのです。
ちなみに、厚労省のリーフレット(2013年6月)では「子宮頸がんの約半分は、ワクチン接種によって予防できることが期待されています」と表現します。
いかにも、お役所らしい、自己に責任が及ぶことを避けた表現ですが、「半分の期待」なのです。
あくまで「期待」で、「予防できる」と断定していません。
また同じリーフで「現在、子宮頸がん予防ワクチンの接種を積極的にはお勧めしていません」と、かなり微妙な表現を使っています。
そして、こんな子宮頸がんワクチンをめぐる社会的状況下で、それをすすめることを高校生に向けて発したのです(奈良県立大淀高校「看護・医療コース」特別授業)。
この授業は日本対がん協会と朝日新聞社が主催する「ドクタービジット」というもので、そう、あの中川恵一(東京大医学部准教授)もたびたび講師をする、いわくつきのものです。
子宮頸がんワクチンの副作用の被害が大きな社会問題となっていることを、腫瘍内科学の医者が知らないわけがないでしょう。
それにしても、なぜこんなとき、こんな「疑惑のワクチン」をすすめるような発言をあえてするのでしょうか……。
(引用参考資料『朝日新聞』2014年1月12日朝刊「ドクタービジット がんを知る」)
◇
(ドクタービジット がんを知る)調べ合い、一緒に考える @奈良県立大淀高校
http://www.asahi.com/articles/DA3S10921285.html
2014年1月12日05時00分 朝日新聞
奈良県立大淀高校(奈良県大淀町)の1年4組は、県内の普通科高校で唯一の「看護・医療コース」。生徒たちは、がん専門医師から受けた特別授業をきっかけに、夏休みにも登校して「がん」について自分たちで調べ、成果を文化祭で発表しました。医師や看護師などそれぞれの夢に向け、生徒たちの努力が続きます。受けた授業は、日本対がん協会と朝日新聞社が主催する「ドクタービジット」。学校現場に医師や専門家を派遣して授業を行っています。
■医療系への思い、より深く
「ここで先輩方にお聞きします。現在、日本では何人に一人が一生のうちにがんになるでしょうか?」
まだ残暑厳しい昨年の9月6日。奈良県大淀町役場に隣接する「あらかしホール」で、高校生3人が壇上から聴衆に向かって問いかけた。
大淀高校1年4組の生徒たち。夏休みにも何度も学校に集まり、クラス全員で直前まで練り上げた研究成果を、同校の文化祭「友楽祭」で発表した。発表内容は「がん」をテーマにしたものだ。
「細胞が寿命を迎え、新しく生まれ変わったときにミスがあると、それががん細胞になるのです」
「がんは本人にきちんと伝えるのが今では一般的です。医師は『一緒に闘いましょう』という気持ちを込めて告知するそうです」
「早期発見すれば多くは治ると言われています。検診は、本当に大切です」
映し出されるスライドと共に、流れるように繰り出された解説。その様子に、会場の保護者や教師からも感心の声が上がった。
最後は1年4組全員がステージに上がり、大きな拍手を浴びた。発表は、審査員特別賞に輝いた。
この発表のきっかけになったのがドクタービジット。3カ月前に1年4組を訪問した向原徹・神戸大特命准教授(腫瘍〈しゅよう〉内科学)の特別授業だった。向原さんはがんの仕組みや日本の現状、最新の治療法などをやさしく解説。「みなさんの力で、がんになる人を一人でも減らしてほしい」と訴えた。
生徒たちはその後、家族や親戚に聞き取りしたり、インターネットを駆使したり。それぞれの方法でがんのことを調べた。「医療については知らないことも多く、私自身も生徒と共に学びました」(担任の杉浦美千代教諭)
文化祭に向け、発表資料の最終チェックが8月末にあった。その資料を見た向原さんは「とてもよく勉強されていて、素晴らしい。みなさんの中で、がんの医療に携わる方が生まれたらうれしく思います」とコメントを寄せた。
同時に、日本対がん協会の阿南里恵さんが、自らの子宮頸(けい)がんの闘病体験を講演。それも発表に盛り込まれた。
文化祭で、がん細胞が増える過程の調査を担当した千葉恋音(れのん)さん(16)は「がんについて、とても細かいことまで知ることが出来て勉強になりました」。祖母や母親のがん体験について聞き取り調査をした松山ひかるさん(16)は「治療のことなどがよくわかるようになり、看護師になりたい気持ちがさらに強くなりました」と話していた。(田之畑仁)
◇
大淀高校の「看護・医療コース」は、医療系の大学・短大・専門学校に進学することを目標に今年度、新設された。看護・医療に特化したカリキュラムはまだ始まっておらず、今回のドクタービジットが最初の取り組みになった。
今後も医療関係者らを講師として授業に招くほか、医療機関の見学や実習などを積極的に取り入れ、コースの特色を出していく計画だ。クラス替えはなく、1期生40人の生徒は、卒業までの3年間を同じクラスで過ごす。
三浦美智子校長は「医療系の仕事をしたいという明確な目的意識を持っている生徒たち。その夢がかなうよう、精いっぱいバックアップしていきたい」と話している。
■発表の3カ月前、生徒たちが聞いた講義 向原徹・神戸大特命准教授
日本人の死因で多かったのは心臓病や脳卒中でした。その数はいずれも横ばいから減少に向かっています。それに代わって右肩上がりで増えているのが、がんです。
少し古いデータですが、日本では年間約54万人ががんになり、約32万人ががんで亡くなります。身近な人を含めると、がんとまったく関わらずに一生を終えるのは難しい。私たちはそういう時代を生きています。
将来、医療関係の仕事に就きたいと思っている人も多いと思いますが、どんな診療科にいっても、がん患者さんと触れ合って過ごしていくことになると思います。
がんは予防できることを知っていますか。まずは、たばこを吸わないこと。子宮頸(けい)がんなどワクチンで防げるがんもあります。そして、大事なのが検診を受けること。残念ながら、世界的に見ても日本のがん検診の受診率はとても低いのです。
都道府県別のがん検診の受診率をみると、みなさんのいる奈良県も、私の大学がある兵庫県も、どちらも最下位グループ。みなさんの力で何とか順位を上げていってほしいと思います。
私は、ちょうどみなさんが生まれた頃に医師になりました。様々な背景や人生経験をもつ患者さんから多くのことを学ばせてもらったり、患者やその家族から「ありがとう」と感謝されたり、医師になってよかったと思えることはたくさんありました。
その一方で、厳しい状況の患者さんとも向き合わなければならず、自分の家族と過ごせる時間が少ないなど、つらいと感じることもあります。
病気と闘うというのは本当に大変で、多くの患者さんは、病気以外にも様々な問題を抱えています。医師や看護師だけでは全ての問題を解決することはできません。
薬剤師、臨床心理士、ソーシャルワーカーなど、医療には様々な職業の人が関わっています。将来、どんな職業を選んだとしても、お互いの仕事を尊敬し合う中で意見を出し合い、患者さんの期待に応えていくことの大切さをぜひ覚えておいてください。
■「がん教育」が患者を減らす 中川恵一・東京大医学部准教授
日本は国民の半数(男性では約6割)が、がんになる「世界一のがん大国」です。先進国のなかではまだまだ高い喫煙率、際立って低いがん検診受診率など、がん対策上の問題は山積しており、先進国のなかでもがん死亡数が増え続けているのは日本くらいです。
がん急増の原因は、急速に進行する高齢化です。がんは一種の「老化」ですから、世界一の高齢化社会となった日本にがんが増えるのは自明と言えます。そして、高齢化のスピードが世界史上、類を見ないほど速いのがポイントです。
今、日本における65歳以上の高齢者人口は3千万人を超え、総人口に占める割合(高齢化率)は世界最高の約25%です。この高齢化率が7%になると「高齢化社会」、14%になると「高齢社会」と呼ばれますが、日本の場合、高齢化社会から高齢社会に至るまでの期間は、1970年から94年までの24年間でした。しかし、フランスでは、1865年から1979年までの実に114年間、スウェーデンでも82年間ですから、日本では、いかに短い期間か分かります。
あまりに高齢化が速かった結果、がんが増えるスピードも史上例を見ないものです。この現実に、行政や教育といった社会の仕組みが追いついていないのが、今の日本の姿でしょう。
がんの予防や早期発見はわずかな知識がカギになりますし、がん治療はまさに「情報戦」と言えます。日本のがんを減らす切り札は学校での「がん教育」です。
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