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高血圧薬論文データ改ざん…京都府立医大
製薬会社ノバルティスファーマの高血圧治療薬「ディオバン」の効果に関する臨床研究を巡る問題で、京都府立医大は11日、同大学の松原弘明・元教授(56)(2月辞職)らが発表し、その後撤回された論文6本について、データの改ざんがあり、論文の結論は誤りだったとする調査結果を公表した。同社の元社員(5月退社)が身分を明らかにせずに患者のデータ解析を担当し、脳卒中や狭心症のリスクを減らす効果があったように見せかけていた可能性があるとした。
論文は、高血圧患者約3000人を2グループに分け、一方にディオバン、他方に別の降圧剤を投与する2003〜07年の臨床試験の結果を分析したもの。「ディオバンは、血圧を下げる効果は他の薬と大差なかったが、脳卒中や狭心症のリスクが大幅に減った」などと結論づけていた。
調査結果によると、論文にデータが使われた患者のうち、カルテが確認できた223人のデータを調べたところ、論文に用いた解析データとカルテの記載事項が異なる例が34件あった。
脳卒中などを発症したとカルテに記載されているのに、論文のデータ解析では「発症していない」とされた例がディオバン投与グループで9件、他の薬の投与グループで1件あったほか、脳卒中などを発症していないのに、解析データでは「発症した」とされた例がディオバンで4件、他の薬で20件あった。
全体として、解析データはカルテの記載と比べて、ディオバンの効果が上がるようになっていた。この223人について、カルテの記載通りに解析すると、ディオバンには、脳卒中や狭心症のリスクを減らす効果は特に認められなかった。
同社の元社員は、「大阪市立大学非常勤講師」の肩書でデータ解析を担当。データを操作できる立場にあったものの、調査では「本人への聞き取りができなかった」として、データの改ざんに関わったかどうかについては結論を出さなかった。
松原元教授らも同社社員であることを知りながら解析を任せており、調査報告書では「製薬会社の従業員が試験に深く関わっていたことや、その点を把握していながら論文に記載しなかったことは問題だ」と強調。
今回の論文を巡っては、「血圧の下がり方が他の薬と変わらないのにリスクだけ下がるのは不自然」などとする専門家らの指摘が相次ぎ、日本循環器学会は12年12月、同学会誌に掲載された2本を撤回。海外誌などに掲載された残る4本についても取り下げられた。
松原元教授が関与した論文を巡っては、幹細胞投与による心臓血管の再生に関する14本の論文も、大学側が「捏造(ねつぞう)や改ざんがあった」と4月に発表している。
ノバルティスファーマ社のコメント「データの十分な照合の結果が示されておらず、恣意(しい)的な『データの操作』があったとは確認できない。研究成果の信頼性を上げることに協力できることがあれば、前向きに取り組みたい」
(2013年7月12日 読売新聞)
http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20130712-OYO1T00252.htm?from=top
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