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【健康】 病院に行くなという本の出版が続く理由
http://takedanet.com/2013/06/post_714b.html
平成25年6月23日 武田邦彦(中部大学)
少し前まで、医師は体の故障箇所を丁寧に、誠意を持って修理してくれた。それは苦痛を和らげ、寿命を伸ばしたので多くの人は医師に深く感謝した。
私も病気になったら病院に行き、家族がなんと言おうと医師の言ったとおり薬を飲み、養生し、その通りにするタイプだ。
ところが、「自覚症状がないときに病院に行け」ということになり、様相は変わった。確かにガンなどは自覚症状が出る前に治療するのが適当だが、それを拡大して、今では「メタボ」のようなものから「タバコ」のように「体の調子」ではなく「人の行為」にまで及ぶようになった。
「病気を治す」ということと「人の人生」には大きな隔たりがある。人は自らの健康に問題があることを知っていて、あることをするというところがある.医師も含め、それは普通のことだ。
ところが、この動きは真面目ではない。「人の健康」という人間にとってもっとも中心的なところに手を付け、膨大な利権をむさぼろうとするのだから、そこには必然的に無理が生じる。かつてのコレステロール騒動、塩分摂取騒動、朝食騒動、そしてメタボ、血圧と際限がない。
今では50才以上の男性の7割が「病気」とされていて、何らかの薬や指導を受けている。日本の自殺が先進国で際立って多いのも「病気」でもないのに「病気」にされ、薬を飲まされるからという本も出ている。
「病院に行くと殺される」、「ガンは治療しない方が良い」、「薬は家に帰ったら捨てろ」、「ご飯ではなく肉を食え」などという過激なタイトルの本がでるのも歪みが拡大しているからだ。
そうなると、普通の人はどうしたら良いかわからない。医師が診察や治療をしてもお金をもらわないなら信用できるが、報酬は膨大だからどうしても怪しい気分になる。
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