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2013年6月20日 日刊ゲンダイ
ワクチン接種で厚労省が揺れているが
子宮頚がんワクチンをめぐって、厚労省がスッタモンダしている。今年4月に定期接種の対象にしたのに、歩行障害やけいれんなど重い副反応の報告が相次いだため、わずか2カ月で「中止はしないが、推奨はやめる」と決定したのだ。
接種対象となる小6から高1の娘を持つ人は、動揺するカミさんに「うちの子、どうしよう?」なんて相談を受けたかもしれないが、実はこれ、女だけの問題じゃない。男にも深く関係しているのだ。
宮本町中央診療所(川崎市)の尾上泰彦院長が言う。
「子宮頚がんは、HPVというウイルス感染が原因。このウイルスは100種類以上あり、そのうち10種類ほどの高リスクタイプに女性が感染すると、子宮頚がんを発症します。感染経路はセックスですから、男性も感染し、陰茎がんを発症することがあります」
陰茎がんを発症するのは、このウイルスの高リスクタイプがペニスに感染した場合。キスやクンニなどから、舌やのどに感染し、舌がんや咽頭がんの原因になることも報告されている。
がんを叩こうとオチンチンに放射線を受け続けたら、大事なオチンチンが黒ずんで、しまいには溶ける。それでもダメなら切除だ。舌がんで手術したら食事がままならなくなるし、咽頭がんの手術で声を失うのも耐えがたい。HPVは、男の命や人生も左右する。
「別の低リスクタイプのHPVがペニスに感染すると、尖圭コンジロームになります。この病気はひとつまたは多数のイボが陰茎や陰のうにでき、カリフラワーみたいにボコボコと盛り上がるケースも珍しくありません。見た目が悪い上、薬をきちんと塗り続けないと、再発しやすく厄介です」(尾上院長)
妻を子宮頚がんで亡くした夫が再婚したら、後妻も子宮頚がんで亡くなったというシャレにならない話もある。
本気で子宮頚がんを予防するなら、尖圭コンジロームを含めて男もワクチンを接種しないと意味がないが、男性のワクチン接種は認められていない。
そもそもワクチンの予防効果は70%だ。中途半端なワクチンを承認した厚労省の責任は重い。
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