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<子宮頸がんワクチン>副反応 未報告例も調査
毎日新聞 5月16日(木)2時31分配信
厚生労働省は、4月から定期接種を始めた子宮頸(けい)がんワクチンを巡り、現場の医師が副反応(副作用)だと認めず国に未報告になっているケースについて調査に乗り出す方針を固めた。接種後に重い健康被害に苦しむ中高生らが出ていることを受けた措置で、副反応の範囲についても医療機関や医師向けに症例を詳しく例示して、報告の徹底と接種のリスクを十分説明するよう求める。
ワクチンの接種で発疹やけいれんなどの症状が出ることを薬の副作用と区別し、副反応という。被害女性の保護者らでつくる「全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会」が先月、接種中止を求める嘆願書を厚労省に提出したのを受け、被害実態を広く調べる必要があると判断した。既に被害者連絡会を通じて未報告の事例を複数確認しており、専門家による16日の検討会の審議を経て調査を始めるとみられる。
同省によると、子宮頸がんは性交渉によるヒトパピローマウイルス(HPV)への感染が原因とされる。感染からがんになるまでは数年から十数年間かかるが、年間約2700人が死亡している。近年、発生・死亡率とも若年層で増加傾向にあるため、厚労省は2010年11月から自治体に補助金を出してワクチン接種を推進。予防接種法を改正し、4月から原則無料の定期接種にした。
薬事法などに基づく医師や製薬会社の報告によれば、子宮頸がんワクチンの副反応は09年12月の販売開始から昨年末まで計約340万人(推計)が接種して1926人。このうち重い障害が残るなど重篤なものは861人に上る。副反応との因果関係は不明とする報告もあるが、重篤の報告数はインフルエンザワクチンの約40倍とされる。重篤な症例も海外の発生頻度に比べ多いという。
厚労省の幹部は「ワクチン成分による副反応の他に筋肉に注射するため神経が針で傷ついた可能性もある。副反応の情報を見落とさないよう医師にも呼びかけたい」としている。【桐野耕一】
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