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大研究 病院で殺されないために知っておくべきこと「検査」のウソ――病人はこうして作られる 週刊現代 
http://www.asyura2.com/09/iryo03/msg/674.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 5 月 03 日 19:17:01: igsppGRN/E9PQ
 

大研究 病院で殺されないために知っておくべきこと「検査」のウソ――病人はこうして作られる 
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/35513
2013年05月03日(金)週刊現代 :現代ビジネス


第1部 これでは病人が増えるだけなぜ「基準値」はこんなにいい加減なのか


 あなたはなぜ健康診断を受けるのですか? 「元気で長生きするため」そう即答したあなたは要注意。かえって、寿命を縮めているかもしれません。健康でいるための「本当の秘訣」、お教えします。

 昨年発表された最新の数値は7・8%。過去最低記録だったという。この数字、何を表しているのか。

「人間ドックで『異常がなかった人』の割合です。日本人間ドック学会がこの数値を発表しています。つまり、検査を受けた人の92・2%は、身体に何らかの異常を抱えているということ。そんなに日本人は不健康なんでしょうか」

 医学博士の中原英臣医師はこう嘆く。

 実際、健診や人間ドックを受けて「要注意」「要再検査」と書かれた診断書を見て青ざめた経験がある人も多いのではないだろうか。

 医療技術が進歩し、「早期発見、早期治療」が叫ばれるいま、日本人はどんどん健康になっているはず―が、現実はそうではない。「病人」がどんどん増加しているのだ。そこには、知られざる落とし穴が数々潜んでいるという。

 まず知っておくべきことは、検査の「基準値」が病院によって違うということだ。その値から外れると、健康に異常があるとされる基準値。誰にも当てはまる科学的根拠のあるデータをもとに割り出された数字と思いがちだが、ある病院で検査を受けたら「異常あり」、別の病院で受けたら「問題なし」と判定されることが珍しくないのである。

 なぜ、そんなことが起きるのか。慶応大学医学部放射線科の近藤誠医師が言う。

「慶応大学病院の場合、健康な職員を採血し、彼らの数値を高い方から低い方へと並べて、上下各2・5%の値を切り取ったものが基準値です。この方式はどこの医療機関でも同じです」

 つまり、各病院や検査機関が「健康な人」と認めた被験者の95%が入る数値が基準値として設定される。被験者が違えば、当然、基準値が異なってくる。言ってみれば「基準値」とは、検査機関ごとのローカルルールにすぎない。

 ここで疑問を抱くのは、被験者となる「健康な人」をどう探すかということだ。言い換えると「健康」の定義そのものは何なのか。じつはこれがあいまいなのだ。

 新潟大学名誉教授で、水野記念病院理事の岡田正彦医師が実態を語る。

「健康な人というのは、各検査機関が、アンケートで過去の重病の有無を尋ねたり、薬を飲んでいるか、妊娠していないかなどを尋ね、該当者をすべて外した残りの人のことを言っています。そうした人を『健康』と見なし、採血してデータを出しているのです。その人が『自分は健康だ』と自己申告しても、明日、突然亡くなってしまう可能性は誰にもわからない。

 健康かどうかは検査しなければわからないのだけれど、検査した数字を判断するためには、本当に健康だと裏付けられた人のデータが必要になる。でもそれがないから堂々巡りになっているのです。この状況から逃れる方法は、ほぼないでしょう」

 これだからこそ、検査の基準は混乱を極める。ちなみに、以前は基準値のことを「正常値」と言っていたという。呼び方が変わったのも、うなずける。

 最終ページに記したのは、首都圏にある総合病院の26年前と現在の基準値の推移だ。この表からもわかるとおり、同じ病院であってもその時期によって被験者が異なるため、基準値が上がったり下がったりしている。たとえば血糖値が110mg/dlだった人は、'87年の時点では「異常なし」だったのに、現在は「要注意」と判定が出てしまうわけだ。

■このままでは全国民が病人に

 現在では、基準値を統一する動きもあり、どの医療機関でも、大きなばらつきはなくなってきたというが、まだ完璧ではない。

 さらにもう一つ、押さえておくべきなのは、検査機関ごとに統計をとって決める右の基準値のほかに、各学会が示したガイドラインに基づく基準値があるということだ。その中には、健康か病気予備軍かを測るモノサシとして使われている数値も多い。が、これも頭から信じていたら危ない。

 たとえば血圧。

「1960年代、私が医学生だった頃に広く使われていた『内科診断学』(七版)という教科書には、血圧の基準値は、最高血圧が150mmHg、最低血圧が100mmHg(以下150/100のように表記)とされていました」(前出・中原医師)

 ところが'70年代に世界保健機関(WHO)が160/95の基準値を出すと、日本もそれに合わせ、さらに、2000年には、日本高血圧学会は140/90と基準を厳しくした。

「この基準値の変更によって、今まで健康だとされていた人が、高血圧と診断され、治療を受けることになった。新規の患者数は2100万人です。これまでの患者を合わせると、3700万もの人数になります」(前出・近藤医師)

 糖尿病のチェックに欠かせない血糖値も、140mg/dlだった基準値が'99年に126に、その後も110から100に引き下げられている。これにより、患者数は劇的に増加する。前出の岡田医師によると、「血糖値の基準値を10下げると、そこからはみ出る人が2・5倍増える」という。現在の糖尿病患者数は270万人と言われているが、もしここで基準値が10厳しくなったら、一気に675万人に増えるのだから恐ろしい。

 同じく糖尿病と密接な関係のあるグリコヘモグロビン(HbA1c/過去1~2ヵ月の平均的な血糖値を示す)の基準値も、根拠なく改定された過去がある。

「日本糖尿病学会は5・8%までは異常ではないと言い続けていたのに、いわゆるメタボ(メタボリックシンドローム)健診が始まった途端、根拠がないにもかかわらず、5・2%を超えると異常であるように基準値を変えてしまいました。それだけで何百万人もの人が『病人』にされてしまったのです」(関東医療クリニック院長・松本光正医師)

 生活が不規則になりがちなサラリーマンには特に気になるコレステロールの値も同様だ。

 血中コレステロールの基準値が登場するのは、1976年出版の『内科診断学』(八版)という医学教科書。そこでは、130~250mg/dlとされていた。ところが'90年代から150~220に変更された。さらに現在では、総コレステロールだけを検査するのは意味がないとされ、LDL(悪玉)コレステロール、HDL(善玉)コレステロールに分けて検査されている。そもそも、検査の方法さえもが移り変わっているのだ。

■「医は算術」なのか

 だいたい新たな検査を始めれば、それだけ「病人」の数が増えるのは自明の理。'08年に日本でメタボ健診がスタートしてから、健康診断では必ず腹囲が測られるようになったことは、記憶に新しい。生活習慣を改め、病気が発症する前に予防して「医療費を削減する」ことを目標にスタートしたものだったが、現実はその逆を行くものだった。

「メタボ健診にあわせて、糖尿病、血圧などの各学会が新たに厳しい基準を出してきました。それによって、過剰医療が生まれてしまったのです」(前出・岡田医師)

 その検査に根拠はあるのか、そもそもメタボは悪いことなのか、という議論も散々巻き起こり、検査自体意味がないのではと批判も噴出した。現在、厚労省は新たな健診プログラムを検討中だというが、このメタボ健診にかけた税金は実に500億円に上っている。

 メタボ健診だけではなく、最終ページ下に記したような、新たな検査方法が次々と出てくることによって、弊害も生まれている。もちろん、早期発見による恩恵は大きい。だが一方で、30年前では見つけられなかったような病気の兆候が見つかることで、その後、薬を飲み続けなければならなくなるような事態も起きてくる。

 最近普及しつつある脳ドックでは、脳の動脈瘤や血管が詰まった部分を見つけるためにMRAやMRIの検査が行われ、これまでには見つからなかったごく小さな腫瘍などが見つけられる。これにより、手術をするほどではないが、経過観察が必要な「病人」となり、ずっと病院と付き合っていかなくてはならなくなるのだ。

 そもそも、検査は詳しくやればやるほど「異常」が増える仕組みになっている。

「たとえば健康診断の場合、1項目検査すれば95%の確率で基準値内に収まりますが、検査項目を増やせば増やすほど『異常』も増えます。確率論でいえば、20項目検査するとすべてが基準値内で収まる人は35・8%しかいなくなる。30項目の検査なら21・5%です。検査項目が多ければ多いほど、何かしらひっかかるようにできている」(前出・近藤医師)

 このようなシステムをつくりだしてメリットがあるのは誰なのか。

「罪深いことですが、医療も"産業"です。今は人口は減っているが、医者の数は年々増えています。この状況で儲けるには、全体のパイを増やす必要がある。そのために健診と人間ドックがあるのです。その際、普通にやっていても患者は増えないので、基準値を下げて患者を増やす。顕著なのが血圧やコレステロールでした。

 アメリカやフィンランドなどでは、健康診断は意味がない、寿命が延びないというしっかりしたデータがすでに出ており、日本の医師たちも知っています。知っていて知らないふりをしている。医師たちが学問の道を踏み外して"商売"に励み、患者がその被害者になっているのです」(前出・近藤医師)

 日本の基準値のおかしさは、男女の性差を無視している点にも表れている。

 たとえば、女性ホルモンのエストロゲンはコレステロールを下げる作用があるため、女性は閉経して女性ホルモンが減少すると、当然コレステロール値は上がる。そのため、現行の基準値220を閉経後の女性に当てはめると、50歳過ぎの女性の55%が「異常」に分類されてしまう。そこでアメリカでは、該当年齢の女性の基準値は265未満となっているのだが(この基準だと異常は5%)、日本はこの性差を無視してしまっているのだ。

 清風荘病院特別顧問の天野恵子医師が憤る。

「昨年、日本でもガイドラインが改定されて、診断上の性差の問題は解消されましたが、実際はまだほとんど浸透していません。本来、日本動脈硬化学会の医師たちがこのことを声を大にして言ってくれないとだめなんです。講演会などがあっても彼らは言わない。製薬会社がスポンサーだからでしょう。これが一番の問題だと私は思っています」

 すべての医師が、カネ儲け主義であるわけでは決してない。現場の医師たちは、そこまで考えて行動する暇がないというのが現状だろう。だが、病気を予防したい、早期発見をして治してあげたいと、患者に向き合う医師がいる一方で、医療政策や製薬会社も含めた大きな規模での動きが、病人を増やしてしまっていることは否めない。

 前出の松本医師は、ちょっとした異常であたかも「病気」のように名前をつけて扱うことに問題があると指摘する。

「高血圧も高脂血症も高尿酸血症もそうですが、これらは高血圧状態、高脂血状態、高尿酸血状態と言うべきであって、『症』ではない。病気ではないんです。にもかかわらず、いかにも病気らしい名前をつけ、基準値を厳しくすることで、患者を増やしてしまっています。

 血圧について言えば、そもそも人間は老化につれて動脈硬化を起こすものですし、血管壁も硬くなる。そのため、血圧を上げて血液を循環させることは、生命維持に必要なことでしょう。60歳頃から最高血圧が220あったけれど、95歳で大往生した患者さんもいました。年齢とともに、数値が上がっていくのは、病気ではなく自然なことなのです」

 検査結果の数値だけに惑わされて、病人になる必要などない。

http://img.asyura2.com/us/bigdata/up1/source/13695.jpg

「週刊現代」2013年4月20日号より


 

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コメント
 
01. 2013年5月04日 05:09:26 : ZS7SKO0MFE
「1日に必要な野菜は○○グラム」

とかもおかしいよね。野菜の種類や、食べる人の体重や年齢などを無視で。
アホだ。 1qmOy4Hy0U


02. 2013年5月04日 07:57:01 : iLROU7rJ26
医者を信用しない根拠がまた増えちゃったな。

03. 2013年5月04日 16:18:06 : KxxBl3LzOk
ベンジャミン・フルフォードさんが「人殺し医療」の中で、「動物病院に行けば、その場で血を抜いて、専用の機械にかけると、猫エイズや猫白血病の感染の有無や、コレステロール値いや、白血球の状態、糖尿病や腎臓の状態など、健康に関するデータが、だいたい10分もあれば判明する・・」、人間でも「たとえば大きなドラッグストアに、そういう血液検査のコーナーを作ったらいい。・・・」と書いています。

賛成です。クリニックに行くといろいろな検査します。そして医師が専門的な知識から適切な診断をすると思われていますが、そのような医師はおられるでしょうが、どうも多くは診断基準とか標準治療などのマニュアルを機械的に適用することが多いようです。標準から外れて薬を処方せずに悪化したりして訴訟に発展したら医師の責任で対処しなければならないが、標準どうおりにやっていればどんな結果になっても責任を免れることができる。そういった事情もあるみたいです。

現実問題として、自己責任で薬の処方を断るのが良いと思います。人間関係から薬を断れない場合は薬をもらってゴミ箱行きとします。保険適用でそれほどたくないので健康には代えられないという気分です。保険財政にとっては大きな問題ですが。


04. 2013年5月05日 20:15:20 : MbPfVQXxhI
自分で血を抜いてそれを郵送して機械にかけた結果をPCに送ってもらう。
その結果で、投薬の処方を選択できるような情報をもらい、通販で
薬を送ってもらえば医者なんていらないでしょ。

医者であればウソ八百でも許されてあろうことか、大金をゲットできる、なんていう仕組みは、もうそろそろ見直さないと、いくら医療費があっても足りやしない。

20年近く病院にかかっていないけど、保険料だけは払わされていて
不経済。
早く、ちゃんとした医療が受けられるような医療の仕組みがほしいが、製薬会社やそれに連なっている医療関係者がボロもうけできなくなるから無理でしょうね。
義父も、200近い血圧でも降圧剤も飲まずに95歳まで元気で生きて家で亡くなった。
手本にしたいと思っている。


05. 2013年6月04日 00:40:27 : e9xeV93vFQ
「医療の限界」をタブー視せずに議論しよう
「がんもどき理論」と乙武さん入店拒否騒動について思うここと
2013年06月04日(Tue) 多田 智裕
 慶応義塾大学医学部の近藤誠先生が書かれた『医者に殺されない47の心得』(アスコム)が医療関連本としては記録的な売り上げを見せているとのことです。

 軽い風邪に抗生物質はいらないなど、賛成できる部分もあります。しかし、近藤先生の主張で一番インパクトがあるのは「がんもどき理論」でしょう。

 症状がなく検査で見つかり手術で治るがんは癌ではなく“がんもどき”、なので放っておいても命には別状なし。本当の癌は転移を起こすので、手術や放射線や化学療法などでは治らない。それどころか、手術や抗がん剤などの治療を受けるだけ寿命を縮める。

 これが「がんもどき理論」で、その結果、この本では「がん放置療法(がんは放置した方が楽に長生きできる)」を確立したと宣言しているのです。

 もしもこの理論が正しければ、「癌の見落としで命を落とした」という医療訴訟は完全になくなります。なぜならば、その癌は“がんもどき”ではなく本当の癌であったので、早く発見して手術しても寿命を短くするだけだったのですから・・・。

 「何もしないというのも治療」という選択肢を世に知らしめた功績は確かにあると思います。けれども、これほどまでに「ホンマでっか!?」的な本が売れるのは、「医療でできないこと」の議論がタブー視されてきたことも原因の1つなのではないでしょうか。

現代の医療で提供可能な選択肢を全て示していない

 この本について、私の専門分野である消化器の部分について2点感想を述べます。

 近藤先生は、20年ほど前に有名なニュースキャスターが胃がん手術を受けた後、数カ月後に治療のかいなく亡くなった例を挙げています。だから、がんの手術や抗がん剤治療は不毛であり放置療法(治療しない)が一番という説明になっています。

 この書き方だと、人によっては今も同様の手術が行われていると思ってしまうことでしょう。しかし、20年前と同様の手術が今行われることはありません。

 現在では、腹腔鏡(お腹の中に小さな穴を開けて細い管を入れる)がまず行われ、開腹さえも行われません。

 ただし、腫瘍からの出血でショック症状を起こした、または、腫瘍が胃の出口を塞いでしまい食事困難な場合に、腫瘍のみを切除する手術が行われる場合はあります。でもこれらは、手術により出血が収まる、食事が食べられるようになるなどの「QOL」(生活の質)の改善が見込まれる場合です。

 現在では腫瘍の根治可能性が高い、ないしはQOLの改善が見込まれる場合にのみ、手術が行われるようになってきているのです。

 また、近藤先生は医療被害の例のトップとして、「ERCP」(胆管と膵臓を造影剤で撮影する検査)を挙げて「死ぬことがあるのでおすすめしません」と結論づけています。こちらも、現在では、磁気を体外から当てるだけのMRIで膵臓や胆管は検査可能(MRCPと言います)です。

 大学病院にいらっしゃる近藤先生は、それらのことを十分に承知しているはずです。その上で極端な事例を挙げるのは、医療機関への不信感を過度に煽っていると思わざるを得ません。少なくとも、現在の医療で提供可能な選択肢を全て示さないで結論を出していると言っていいでしょう。

医療には「できること」と「できないこと」がある

 さて、細かな部分はともかく、この本が果たした功績は「進歩しているとはいえ、医療は万能ではなく、できないことがある」という事実を再認識させたことだと思います。

 がんの診断に限らず、病気にかかっても助かる人は助かりますし、死ぬ人は死にます。医療機関にかかり検診や治療を受ければ、助からないまでも“必ず”良くなるという思い込みは、実は幻に過ぎません。

 10年ほど前の経験になりますが、高齢者の方に、肺気腫の合併症のある早期胃がんが見つかりました。「1年後にまた来て下さい」と経過を見ていたものの、1年後に大きさが倍くらいになり、手術を行ったところ、術後、肺炎で命を落とされてしまったことがありました。

 「本人が強く希望しても、合併症のある方には安全に手術をする保証ができないので手術をしません」と手術を断れば良かったのか、と思うことは今でもあります

 ですから、70歳以上で持病のある方、そして80歳以上の方にとっては、「がんの治療を行わない、がん検診も受けない」という選択肢がいちばん望ましい可能性が十分あります。

 しかし、いきなり、「検査に伴う合併症が多くなるし、見つかっても治療できないことも多いので、70歳以上はがん検診を3年に1回にして、80歳以上は一切がん検診を行わない」と制度を変えることは非現実的です。もとより、その前段階の議論を始めることすらほぼ不可能なのではないでしょうか。

 近藤先生はこの本で、“高齢者に対しては”という注意書きをつけず、あたかも全年齢に対して「(高血圧、糖尿病、高脂血症、癌を含めて)治療を受けるだけ無駄」かのように書いています。これは問題だと思いますが、これまで医療で「できないこと」が曖昧なまま、しっかりと議論されることがなかったということが示されたのは、大いに注目すべき点だと思います。

期待が高すぎることから発生するトラブル

 先日、ネットで話題となった乙武洋匡さんの“イタリアン入店拒否“騒動では、以下のようなやり取りがあったそうです。

・イタリアンレストランの店主

「車いすのお客様は、事前にご連絡いただかないと対応できません」
「ほかのお客様の迷惑になりますので」
「予約の時点で車いすって言っとくのが常識じゃないですか?」

・乙武さん

「いや、それが常識なのか、僕にはわからないです。そもそも、僕はこれまで一度もそんなことをせずとも外食を楽しんできましたし」

 医療でも同様の事態はしばしば起こります。

 理想論を言えば、レストランはどんなときもどんな客に対してもサービスを提供すべく努力すべきですし、医療機関も全ての患者に対して最高の医療を提供すべきです。しかし、医療やサービスの利用者の事前の期待値があまりにも高すぎると、大きな認識ギャップが生じ、感情的なトラブルが発生してしまうのです。

 乙武さんの騒動では、「(忙しい際には)車いす対応は事前の手配がないと対応できない」に対して「(体だけ運ぶなどして)車いすでも対応可能なはず」という認識ギャップがありました。

 医療では全ての手術や治療を安全にできるわけではありません。「それなら治療を受けるだけ無駄」と考えるのではなく、「(理想はともかく)現実の医療にはできないことがある」ことを認め、そこから議論することこそが、今、必要なのではないでしょうか。


06. 2013年7月22日 04:21:26 : cE9J1MGoDY
レストランにそこまで求めるのは違うと思う。
飲食業界はギリギリの人数でやっていたりするので、
行き着けでもないのに即時対応を期待し店としてもたらレストランは可哀想。
「体だけ運んでも」とあるけど、抱き抱える感じになるし、そもそも
お客さんに触れるのは失礼とされているので
スタッフと事前に打ち合わせしたいだろうし。

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