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WEB本の雑誌 3月1日(金)7時0分配信
2月24日に第85回アカデミー賞の授賞式が行われました。2012年1月に死去したデザイナーの石岡瑛子さんは映画『白雪姫と鏡の女王』で衣装デザイン賞にノミネートされていましたが、残念ながら受賞を逃しました。
石岡さんはグラミー賞やカンヌ国際映画祭芸術貢献賞など世界的な賞を多数獲得し、日本の褒章のひとつ「紫綬褒章」も受章した日本が誇るデザイナーです。
そんな偉人が亡くなった原因は膵臓(すいぞう)がん。厚生労働省の統計では、がんは日本人の死因のトップです。少しでも死亡率を減らすため、国は「早期発見・早期治療」を提唱し、年に1度は検診を受けるようにすすめています。
ですが、いまだにがんが原因で死亡する人は減っていません。慶應義塾大学医学部講師の近藤誠さんは、著書『医者に殺されない47の心得』で全がん死亡率は1960年代から50年間下がっていないと言います。
検診で早期発見しているのに、死亡率が下がらないのはなぜでしょう? 近藤さんはその理由を「検診が、何の役にも立っていないから」だと言います。
50歳を越えた男性の2人にひとりは、亡くなったあと解剖すると「前立腺がん」が見つかるそうです。ですが、これは放っておいても大きくならないがん。それにも関わらず最近は検診で『前立腺がん』を見つけては手術を迫られると近藤さんは言います。その結果、不要な治療をされて、手術の後遺症や抗がん剤の副作用、精神的なストレスなどで早死してしまうことが多いのです。
実際に、がんの検診をやめたら死亡率が激減したという例も。1989年に信州の泰阜村で胃がんなどの集団検診をやめたところ、以後6年間は胃がんの死亡率が半分に減ったそうです。
また、近藤さんは「患者さんががん手術の直後に亡くなることはとても多いのに、裁判で争われることがとても少ないのも不思議」と述べています。がんなら、世界最先端の日本の医療技術でも治せないのなら仕方がないと思っているのでしょうか。しかし、苦しみ抜いて亡くなる原因はがんでなく抗がん剤。「こうして『がんは放っておくとみるみる大きくなって痛み、命を奪う恐ろしい病気という誤解が広がっていく』と近藤さんは指摘しています。
手術をするかどうか決めるのは医者ではなく自分自身。本当に手術する必要があるのかしっかり考える必要があります。
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