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がん細胞に自殺命令、夢のナノ磁石を開発
http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2012100875818
OCTOBER 08, 2012 09:06 東亜日報
微細な磁性の複数のナノ粒子が、がん細胞周辺に投入される。ナノ粒子は、がん細胞表面の「細胞死滅受容体(DR4)にくっつく。DR4には、がん細胞が自殺するように命令を下せる機能がある。外部から磁場を照射すると、ナノ粒子は、磁石の性質を帯び、DR4に、「自滅せよ」という信号を伝える。刺激を受けたがん細胞は結局、細胞活性に変化を起こし、数日後は蒸発するかのように消えてしまう。このような夢物語のようなシナリオが、現実化する見通しだ。
延世(ヨンセ)大学化学科の千珍宇(チョン・ジンウ)教授と同大学医学部の申銓秀(シン・ジョンス)教授とが率いる共同研究チームが、ナノ技術を利用して細胞活動を制御できる方法を開発した。磁性ナノ粒子が、がん細胞などの特定細胞を探して、希望する時間に活動するよう調整する技術だ。千教授は、「大腸がん細胞を分離して行った実験で、15ナノメートル(1ナノメートルは10億分の1ミリ)サイズの原型ナノ粒子のスイッチを、外部磁場で作動させ、選択的に細胞死滅信号を誘発させるのに成功した」と主張した。
特に、この技術でがん細胞を奇麗に除去することができた。普通の骨や筋肉などを構成する細胞は、体内で絶え間なく生成され、後方もなく消えていく。適切な時期に消えるよう、自ら命令を下す機能があるからだ。がん細胞を殺す過程でカスでも残れば、炎症などの副作用を起こしかねない。千教授は、「磁場でがん細胞が自殺するよう誘導するため、強い毒性を利用してがん細胞を殺す化学的抗がん治療剤より、副作用が少ない」とし、「磁性ナノ粒子も、磁気共鳴画像(MRI)の造影剤などに使われる物質であり、人体には無害だ」と説明した。
同研究チームはまた、ナノ磁石はがん細胞などを殺すだけでなく、血管生成信号の伝達や免疫信号伝達など、必要な機能を活性化させるのに応用できると明らかにした。同研究論文は、ナノ分野の権威誌であり、ネイチャーの姉妹紙の「ネイチャーマテリアルス」7日付けのオンライン版に掲載された。千教授は10年、第24回仁村(インチョン)賞・自然科学部門の受賞者だ。
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