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2012. 8. 22
「これくらい構わないと思った」とうそぶく“窃盗”看護師
著者プロフィール
開業15年目の無床診療所で、院長である夫を支える。持ち前のバイタリティーと患者目線のきめ細かな気配りで、医院の活性化に日々努めている。(このブログは、医療と介護の経営情報誌「日経ヘルスケア」で連載されている同名の人気コラムの転載です)
関連ジャンル: 診療所経営
これまで職員絡みの様々なトラブルを経験してきたが、中でも対応に非常に苦慮したのが、ある看護師による物品の無断持ち出し。絆創膏や湿布を勝手に自宅に持ち帰っていたのだ。現場を目撃した事務職員がこっそり打ち明けてくれた。
この看護師は、後輩をいじめるなど過去にも色々な問題を起こし、その都度注意してきたのだが、今回ばかりは対処が難しかった。事務職員が勘違いした可能性がないとはいえず、ぬれぎぬを着せてしまう恐れがあったからだ。また、問い詰めたところで、シラを切られるかもしれない。
処置室に隠しカメラを設置することも検討したが、夫と話し合い、結局、本人に直接確認することにした。
叱責された職員が「セクハラを受けた」などと言いがかりをつけることもあると聞くので、夫が職員に注意する際には、職員と2人きりにさせないようにしている。この時も、夫と私の2人で話を聞くことにした。
辞めさせる口実ができたが…
「君が絆創膏を持っていくのを見たという人がいるんだけど、本当だろうか。もし事実でなければ、そのようなことを言ってくるスタッフを厳重に注意しなければならないので」。夫は言葉を慎重に選びながら、こう尋ねた。
すると、看護師は意外にもあっさりと持ち出しを認めた。いわく、「絆創膏くらいは構わないと思っていました」。悪びれた様子がなく、夫も私も唖然とした。
だが、不思議と怒りの感情はわかず、むしろ「辞めさせる口実ができてよかった」という思いが頭をよぎった。当院の就業規則では、解雇の対象となる行為の一つとして、院内の物品の無断持ち出しを挙げている。これまで彼女が起こしてきた問題と今回の件を理由に、解雇できると思ったのだ。
ただ、夫は解雇に難色を示した。夫が前に勤務していた病院からスカウトした経緯があり、辞めさせにくかったのだ。結局、厳重に注意して始末書を書いてもらうにとどめたが、職場に居づらくなったのか、自ら退職願を提出。夫は、これを受理した。
解雇には至らなかったが、今回の件では、就業規則がいかに大切か、改めて認識させられた。クビにした職員から「不当解雇」と労働基準監督署に訴えられた診療所の例を知っているが、解雇の対象となる行為を就業規則にきちんと記しておけば、そんなトラブルもある程度防ぐことができる。また、職員を注意する上でも、必要以上に“おっかなびっくり”にならずに済む。
職員が10人未満の診療所では、法律上、就業規則の作成が義務づけられていないが、規模の大小を問わず策定しておいた方が絶対にいい。院長の妻が集まる地域の会合の席でも、最近、そんなアドバイスをするようにしている。
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/blog/inchoufujin/201208/526417.html
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