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下手すりゃあの世行き!ニセED薬の恐怖
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20110909/dms1109091604016-n1.htm
2011.09.09 夕刊フジ
男性のED(勃起不全)治療薬は、医療機関受診への抵抗感からインターネットなどを通じて購入されるケースが多い。だが、正規の流通ルート以外での購入には、偽造品による健康被害の危険が潜む。実際に重篤になったケースもあり、注意が必要だ。
昨年6月、ED治療薬の偽造品を飲んだ奈良県内の40代男性が、服用から数時間後にけいれんや意識低下などの症状を訴え、病院に搬送された。男性は脳の静脈に血栓が確認されて入院、その後回復したが、同県薬務課は今年4月、「症状と服用との因果関係は否定できない」として注意を呼び掛けた。
同県では今年1月にも、間質性肺炎で死亡した男性の自宅から数種類の偽造ED治療薬が発見された。分析の結果、いずれの偽造品からも表示された薬剤名とは別の薬の成分が検出された。
「偽造品の品質は全く予測できない。有効成分を含まないもの、含んでいても少ないものは効果がない。逆に多ければ副作用が強く出る。ほかの成分を含むもの、不衛生な場所で製造されて不純物が混入しているものもある」と佐々木春明・昭和大准教授(泌尿器科)は解説する。
佐々木氏によると、海外では偽造ED治療薬に血糖降下剤が含まれていたため、服用した人が低血糖による意識障害を起こし、死亡する事件も発生。「一体何なのか、特定できない不純物が非常に多い。内容物が分からないと、副作用が出ても適切な処置ができず、重症化する危険がある」と佐々木氏は警告する。
ED治療薬を製造・販売するファイザー、バイエル薬品などの4社は2008〜09年、個人輸入を装ってネットサイトから約180品を購入し、成分を分析。すると実に55・4%が偽物だった。
偽造品は中国などアジア諸国で製造されたものが多い。だが、米国など先進国から送られてきたからといって本物とはかぎらず、通常は見分けがつかないという。
ファイザーなどの4社は2〜3月、ネットまたは受診医療機関でED治療薬の購入経験がある30歳以上の男性計564人に意識調査を行った。
ネット上に偽造品が出回っていると思うか尋ねると、ネット購入者の97・5%、医療機関受診者の97・2%が「はい」と回答。ネット購入者の75・4%は本物と偽物を区別できないと答えたが、自分が買ったものについては87・7%が「本物だと思う」と答えた。
佐々木氏は「リスクに対する認識が甘い」と分析。「EDは加齢とともに誰にでも起こる疾患で、恥ずかしいものではない。医療機関を受診して、自分の症状に合った治療を受けることが最も重要だ」と話している。
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