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薬害イレッサについて思う 坂田和江
http://www.asyura2.com/09/iryo03/msg/401.html
投稿者 ダイナモ 日時 2011 年 1 月 28 日 21:01:54: mY9T/8MdR98ug
 

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/opinion/mric/201101/518308.html

坂田和江(薬害肝炎訴訟原告・薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための薬事行政のあり方検討委員会委員


 私は、薬害肝炎訴訟の原告の一人です。私たちの薬害肝炎訴訟は、2008年1月の薬害肝炎救済法の成立、及び原告団と厚生労働省との基本合意により、解決へと進みました、

 私は、「二度と薬害の被害者も加害者も出したくない」との思いで、2008年に薬害肝炎の基本合意に基づいて設立された「薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会」(検証・再発防止委員会)の委員に就きました。

 私たち20名の検証・再発防止委員会委員は「二度と薬害を起こさせない」との気持ちで2年間の討議の末、昨年4月に最終提言書を完成させました。現在、厚生労働省は、この提言を実現するため様々な課題に取り組んでいるところです。

 しかし、その取り組みを進めている中で、薬害イレッサ訴訟の和解勧告をアストラゼネカ社が拒否し、国も対応に迷っていること(本日、政府は和解勧告拒否を表明した:ダイナモ)は提言の実現の流れに逆行するものであり、薬事行政の第三者監視・評価組織の設置や、安全性対策の改善によって提言が目指した理念の実現が果たせなくなるのではないかと大変懸念しています。

 この事件の問題は、一言で言えば「分かっていた情報がきちんと伝えられなかった」というシンプルなものです。国や企業は患者や現場の医師にきちんとリスク情報を伝えていたとは到底思えません。

 イレッサは、医師にとっても患者にとっても渇望されていた「副作用の少ない夢の新薬」として売り出されました。ですが、承認前から把握されていた致命的な副作用である間質性肺炎について、情報が現場に十分に提供されていなかったと考えられます。実際に、承認直後にあれだけの大規模な被害が出てしまったことが、そのことを証明するのではないでしょうか。

 しかし、東京、大阪両地裁から出された和解勧告を受けて、国はその事実を歪曲し、問題をすりかえたコメントを出しました。「薬事行政の根幹を揺るがす」などです。私はこのコメントを見たとき、薬害肝炎訴訟の時と同じ言葉を使っていることにとてもショックを受けました。私たちの訴訟が解決した後、もちろん薬事行政に混乱など起きませんでした。むしろ、検証・再発防止委員会を通して薬事行政の改革に向けた重要な一歩が踏み出されています。

 この声明の趣旨は、「医療において不可避の副作用を認めなくなれば、全ての医療は困難になる」というものです。しかし、和解勧告が言っていることは、医療現場に副作用を知らせなさいということです。患者は不可避の副作用があるなら、それを知った上で納得して、治療を受けたいのです。和解が目指すものは決して癌医療を頓挫させたり、医療や薬事行政を混乱させるものではないと思います。また、そもそも、これだけの被害を発生させたことについて、医療界として反省すべき点はないのでしょうか。自らの反省点に触れない医療界の声明からは、当事者意識の欠如を感じます。

 私は、検証・再発防止委員会に並行して設置された「薬害肝炎の検証及び再発防止に関する研究」の研究班(平成20年度、平成21年度厚生労働科学研究費補助金による研究班、研究代表者:堀内龍也)の分担研究者として、「なぜ、私たちは被害者にならなくてはいけなかったか」を知りたくて、薬害肝炎事件の検証を担当いたしました。

 10名の元厚生省の官僚の方々や厚生労働省の官僚の方々、そしてミドリ十字の当時の職員3名のヒアリングを担当しましたが、安全性に対する対応の甘さなど、薬害イレッサ事件でも同じことが繰り返されていると感じています。

 私は、薬害イレッサ訴訟を一刻も早く解決し、徹底的な検証をするべきだと思っています。是非学会の先生方も含め当事者の方々が自己検証を行っていただき、事実を素直に受け入れることが、私たちの願いである薬害のない社会の実現と、安全で安心な医療の構築に欠かせないと確信しています。

 最後に、一日も早く、企業、国共に自分達の非を認めて、和解のテーブルにつくことが亡くなられた被害者の方々の魂に応えるものだと思います。薬害エイズ事件の解決に大きな功績を残された菅直人首相の決断によって、薬害イレッサ訴訟の全面解決が実現することを強く期待しています。

参考:薬害イレッサ弁護団 http://iressabengodan.com/
 

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コメント
 
01. 2011年1月30日 21:28:55: 7xCBJu2D8E
「薬害のない社会」など夢の中
なぜなら、いかなる薬も本質は「毒」であるからです。

もしも「薬害のない社会」を希望するなら、薬を使わない社会という極端かも知れないが、そういう事なんですよ。

また、本当に薬の毒性を教えたら拒否する人が増えてしまい、現代医療産業は衰退してしまう。この関連企業の失業者の数が多すぎるという裏の事情もあり、薬の本当のところは「ある程度まで」しか公開されないでしょう。(今後も)

現代医療の本質は安心安全ではないという事を患者さんがもっと勉強して知っておくべき事です。
都合のよい表だけを見て、裏を見ようとしない患者さんはいつも気づくのが遅いのでしょうけど。


02. ダイナモ 2011年1月30日 22:15:13: mY9T/8MdR98ug : oz3zVsEkfw
すべての薬には効果と副作用の両方があります。効果のメリットが副作用のデメリットを上回ればその薬を服用することはその人にとって有益ということになります。

人によっては副作用が強く出る場合がありますが、その場合は副作用の少ない別の薬を服用すればよいだけの話しです。

副作用の面だけを見て効果を無視するのはナンセンスな話しです。

効果だけあって副作用がない薬が存在しないのと同様に副作用だけあって効果がない薬は存在しません。このことは服用する人の体質の違いによって効果と副作用の出方が違ってくるという意味です。

あらゆる薬はそれを服用する人にとって効果と副作用のグレーゾーンのいずれかに位置します。副作用の面だけしか見ようとしないのは偏った見方でしかありません。
 


03. 2011年1月31日 02:15:50: wuvDtTUdjg
「すべての薬には効果と副作用の両方がある」などという、当たり前のことが問題なのではありません。

イレッサはFDAが承認のスピーディ化を目指して取り入れた"rolling review"の最初の薬。
すでに2002年にはヨーロッパで行われた2件の大規模無作為試験でプラセボを上回る有効性が示されなかったことがわかっていながら、たった二件の小規模で厳密さを欠いた治験データだけで、生存期間を延ばすエビデンスもないままに、FDA パネルの公聴会で、製薬企業からカネをもらったたった一人の患者の「服用によって気分が良くなった」という証言が「腫瘍薬諮問委員会」メンバーに承認を促すことになったもの。

効果だけを過大に評価し、副作用は過少評価して不都合なデータは隠す。

ビジネス最優先。

一番の偏りはそこですよ。


04. ダイナモ 2011年1月31日 07:56:23: mY9T/8MdR98ug : oz3zVsEkfw
「すべての薬には効果と副作用の両方がある」と書いたのは、

>。ヨ薬害のない社会」など夢の中
>なぜなら、いかなる薬も本質は「毒」であるからです。

>もしも「薬害のない社会」を希望するなら、薬を使わない社会という極端かも知れないが、そういう事なんですよ。

とあなたが書いたからです。あなたのいう「毒」と副作用はどう違うのですか。

>いかなる薬も本質は「毒」

などと主張するからおかしな話しになるのです。

>効果だけを過大に評価し、副作用は過少評価して不都合なデータは隠す。
>ビジネス最優先。
>一番の偏りはそこですよ。

製薬会社にそうした傾向がありがちなことには同意します。

悪質な製薬会社に対してはその責任を追求しなければなりません。そうしなければ製薬会社はますますビジネス最優先になってしまうでしょう。


05. 2011年2月01日 18:04:29: yvjVcLKuk6
(04.ダイナモ様 01.と03.の方は別なのでは?)

偏りがあったにせよ、結果的にイレッサは生存率を伸ばすということになったのですから(抗ガン剤はガンを治さないという意見は置いておいて)、承認はもうとり消されるべきものではないでしょう。

薬害と副作用は違うと思います。そして薬、特に抗ガン剤には副作用はつきものです。そしてイレッサの副作用死率は他の抗がん剤と比べても同程度かやや低いくらいだそうです。
一応、間質性肺炎も説明書の「重大な副作用」欄に載っていて、医師には載っている順序は関係ないそうですし。

問題は、今回珍しく日本で先に承認されたので、初めなので副作用が多く出た。ということでしょう。今までは新薬の承認が遅かった為、他の国の人に犠牲になってもらっていたのを今回引き受ける形になった。
それは嫌だというなら、新薬などには手を出さず、枯れた薬で我慢することです。
抗がん剤よる副作用が見られた場合の重大な健康被害の救済制度を創設すべきという提言がなされていますから、遺族の方はそちらに期待した方が良いと思いますね。

夢の新薬って騒いだのはマスコミ(承認前に記事を書いたのは朝日とか読売とか)ですが、そちらの責任は問わないのでしょうか?


06. ダイナモ 2011年2月01日 19:46:13: mY9T/8MdR98ug : oz3zVsEkfw
>>05>>01.と03.の方は別なのでは?

そうですね。私の間違いです。

>イレッサの副作用死率は他の抗がん剤と比べても同程度かやや低いくらいだそうです。

そうですか。意外ですね。それならなぜ薬害と騒がれているのか理解できないことになります。その情報元を明らかにしてもいたいものです。

イレッサの副作用が原因で死亡した人はウィキによると「2004年12月28日までの厚生労働省の集計によると、約86,800人の患者に対して、588人が死亡している。」とあります。

>夢の新薬って騒いだのはマスコミ(承認前に記事を書いたのは朝日とか読売とか)ですが、そちらの責任は問わないのでしょうか?

それはないでしょ。マスコミは医学界からの情報に基づいて記事を書いているだけですからね。それにそれにイレッサは初めての分子標的薬なのですから記事にするだけの価値はあったと思いますよ。結果がどうであれ。

責任を追求するなら製薬会社でしょう。


07. 2011年2月04日 10:47:23: CBoG98aNOg
製薬会社の責任逃れの免罪符が存在します。それは薬箱に入っている添付文書です。
添付文書の中に、禁忌とか、原則禁忌とか、注意とかが有り、この例では、「間質性肺炎を起こす事がある」と書いてあれば現場、つまり医者と患者の責任にされてしまいます。最近は酷いもので、世界中で1例でもそういったことがあると書くようです。ですから、添付文書に載っている副作用では、薬害は存在しない事になります。判っていても使わざるを得ない医師の責任が問われる事になります。
統計学上有意差はでなかったが、使用注意なんて文書もあります。
添付文書は製薬会社の免罪符なのです。副作用書き書き合戦です。

約86,800人の患者に対して、588人が死亡=0.7%死亡です。140人に1人が癌でなく薬で死んだ事になります。
この薬で5年生存率はどれ程伸びたのでしょうか?
また、この薬は一体いかほどの価格なのでしょうか?
危険な割に効かないのであれば、保険取り消しにするとか、効く場合だけ申請により保険適用にして患者負担を減らす工夫をこうずるとかして、薬剤会社天国をなくし、技術料に回さないと。たとえば歯科なんかは酷い事になっていますよ。



08. 2013年5月04日 02:36:27 : Y78oAAsY42
2011年の投稿記事ですか。

2013年4月、イレッサ事件の最高裁判決が出て終結したんですね。

以下の記事に疑問

>第三小法廷はこの日の判決で、副作用情報の伝え方は現場の医師が危険性を十分理解できたかどうかを基準に適否を判断すべきだとの考えを示し「承認時点では間質性肺炎との因果関係が不明確で、発生頻度も他の抗がん剤と同じ程度と認識されていた」と指摘。

製薬会社が答弁しただろう「承認時点では間質性肺炎との因果関係が不明確」の部分は、詭弁!

承認以降、薬事法で「市販後調査」が行われる意味が因果関係の調査にあります。
しかし、製薬会社は、その因果関係こそ、調査しないのです。簡単な副作用収集のみ。

厚労省は、本来、添付文書の記載指導より何より以前に、市販後調査収集後の解析の指導を行うべきなのです。
でなければ、厚労省の下部機関である医薬品機構が国立病院なりの毒性部に委託して副作用の解析分析を行って、報告させるべきです。

この市販後調査の解析を行う部門が全く欠落しているのが日本です。
言い換えれば、副作用の基準など所持できていません。

医師の独立性と裁量権に全て責任転嫁されています。
しかし臨床現場に忙しい医師が、海外論文などあさって調べる時間は皆無。

で、結局、無責任な医療構造の中で患者だけが被害を蒙り泣き寝入りするはめになっています。

そもそも添付文書の改定は何も薬事法改正時点ではなく、製薬会社にゆだねられているわけで、世界の中で重大な副作用が発生したら、その都度改定して添付文書に記載していなければいけないのが薬事法でしょう。

副作用問題は、医薬品の承認時点など、価値がありません。その薬剤が販売されている限り、半永久的に副作用収集と解析と回避方法と薬理報告、そして添付文書が恒常的に改定されていくものでしょう。

海外では数十センチの添付文書となるゆえんですが、日本ではわずか2〜3ページ。これでは、医師が重大な副作用欄に記載されていたとしても、その薬理学的メカニズムが詳細に知らされなければ分かるはずがないので、責任を転化できるはずがない。

イレッサ事件では、裁判所も行政側と製薬会社側の主張に迎合したと思わざるをえない内容ですね。酷いもの。

イレッサは、副作用が少ないとされていたとのこと。
ですが、副作用が少ないという意味は、効果も少ない薬剤という言葉に換言されます。
副作用が少ない夢の薬剤の歌い文句に、よくある重大な副作用が惹起する場合は、肝代謝酵素の問題があるようです。ここ10数年来、ようやく日本でも騒がれ始めていますが、薬剤師の領域であり、医薬品機構(毒性試験の研究機関)の責任でしょう。

 


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