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第216回
いまや、2人に1人がガンになる、
いわば「長寿病弱時代」を迎えている――、
あちこちの患者団体から
「海外で承認されている
最新治療薬の保険適用認めてほしい」
という要望書が上がっている――。
しかし、僕のガン闘病12年の延命体験からいえば、
「米国認証の最新の化学抗ガン剤が
はたして患者にとって手放しの朗報なのだろうか?」
という疑問を持つ――という話の続きです。
というのは、このコラムでも何度か書きましたが、
医薬企業のサイトを覗けば分かる事ですが、
僕の使った化学抗ガン剤「シスプラチン」などは、
劇薬・毒薬の薬品として分類されています。
「とてもよく効くが、副作用もとても強烈」だというわけです。
ガン団体からは「有用性があるにもかかわらず、
患者は医療制度のはざまで苦しめられ続けてきた。」
と訴えていると報道されました。
これは切実な願いでしょう。
しかし、「手術拒否」そして
「抗ガン剤&放射線+代替療法」、
さらに退院後は「漢方+食事療法」――、
いわば、一般の医師からはひんしゅくを買うような
ガン統合医療の組み合わせで生き延びてきた
僕のような身からしますと、
「化学抗ガン剤認証の後進性打破=
患者にとっての医療システム改革」と
手放しで喜べるのだろうか?
「ドラッグラグ」問題解決だけで
バラ色の医療改革となるのだろうか?
最新のガン化学劇薬って本当に安心できるのか?
僕は、1人の患者としてとても心配しているわけです。
日本での抗ガン剤の認証は、
「5年生存率が20%程度」で承認されているわけですから、
まして、それ以下の最新抗ガン剤なら、
その有用性、安全性の両面から信頼し難い――、
これは医療書やマスコミでも書かれませんが、
「患者のいのち」という面から考えれば
多くの問題を秘めているわけです。
数年前に、肺ガンに良く効くといわれる
最新化学抗ガン剤・イレッサが、
急きょ、日本で承認されたことは、皆さんもご存じでしょうが、
患者の遺伝体質や症状の差があって、
この治療で亡くなったと思われる人も多いのが現状です。
僕の知り合いでも、
イレッサ治療を受けて、
明らかに、いのちを縮めたと思われる
患者さんが2人おりました。
家族のように付き合ってきた人でしたから、
本当に悲しい思いをしました。
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